ワニくん 解説〜○○の向こうに〜
日本中がワニくんに夢中だ。
ワニくんとは、漫画家の きくちゆうき さんが
Twitterなどで配信していた4コマ漫画
「100日後に死ぬワニ」のことだ。
3/20に迎えた最終回の時系列や因果関係が、
玉虫色の解釈が出来る作りとなっているため、
配信されるや否や、
いや、ああでもない!こうでもない!と
世界のトレンド入り。
出版化や映画化の決定に加え、
目をひん剥いたのが、
「いきものがかり」とのコラボレーション。
同日に時間差で、コラボ曲の配信となった。
…せっかく作者が、解釈は人それぞれでいいとか
なんとか話していたのだが、
この曲の歌詞を考えれば、最終話のストーリーが
ある意味では決定的になってしまった。
どうやらそれに気づいている人が少数派のようなので、多分正解?の緊急解説をしようと思う。
【時系列】
①お花見会場に行く途中、バイクで桜並木の交差点に差し掛かったネズミくんは、その美しさに思わず見とれて写真を撮る。その写真は、仲良しグループLINEに送信。するとそれを見たワニくんが「スゲー!!」「春に来たって感じ〜」と返信。
②その直後に、ワニくんはひよこを助けようとして車に轢かれて死んでしまう。
③その時、お花見は始まりつつあった。なかなか来ないワニくんを心配したネズミくんはバイクに乗って迎えに出る。今までも、あんな時やこんな時、いつもそうして来たように。
ワニくんが死を迎えた顛末は描かれていない。
④少なくても1年後、もしかしたら何年か過ぎ、ネズミくんはバイクでまた、いつもの桜並木の交差点に差し掛かる。満開の桜。この時思い出すのは、あの日のワニくんとのLINEのやり取り。
⑤ネズミくんは思わずスマホで桜を撮影し、今でも消さずに残してあるグループLINEに送信。また、もしかしたらワニくんが返信してくれるような気がして。だから天国のワニくんに向かって、「よくね?」と思わず語り掛けたのだ。
⑥肉体の無いワニくんからの既読はつかない。今も生きて日常を送るモグラくんの既読があるのみだ。
⑦それでも天を仰いだ時、桜並木の向こうの青空に、両手を拡げて笑うワニくんが見える気がした、、、、。
と言うお話なのだ、多分。勿論これは私の解釈だから、絶対に正解だ!と威張ったりするつもりは毛頭ない。作者の言う通り、人それぞれが感じる「生」や「死」に出逢う事こそが、この作品の醍醐味なのだから。
つまり、私の説では、最後の風景の交差点付近にいる小さなひよこは、繰り返すいのちの象徴としてのひよこであり、事故の日のひよこではない。
事故車両のチラ見せやネズミくんの洋服が同じなのは、クリエイターとしてのテクニックの一つだと私は思う。同じ季節になれば同じ服を着る。それが生きている者が日常を生きるという事だ。
写真を撮って送信したネズミくんの後ろから、クラクションが聞こえるのは、ただ単に信号が変わったからだと思う。
と、まあ、細かく見て考えると、LINEの桜の写真は2回送信されていないと辻褄が合わない事がわかるのだが、一見同じ桜のアングルなので、同じ瞬間かと思ってしまう。これも玉虫色の仕掛けの部分。アングルが違えば、お花見会場の公園の桜かもしれないのだけど。
ひとつだけ、たしかに言えること。
こんな風に、
巡るいのちの尊さや、生きる日常の素晴らしさを
胸いっぱいに毎分毎秒感じながら、
またこの新しい春のはじまりに胸を躍らせたい!
今日この頃である。
Aisha