with コロナを考えてみた


「長期化しそうなんじゃない?」って空気が、漂い始めてきました。いつまで続くのか、今後どうなっていくのか考察してみます。医療者なので、医療の話が主です。
 
なお、以下は個人の意見であり所属する団体・組織の見解の代弁ではございません。





1. いつ収束する?

流石に今更信じている人はいないと思いますが、封じ込めはもう無理です。国単位で言えば、島国などでほぼ完璧に出入国を管理できるのであれば、可能かもしれません。世界規模で考えれば無理です。一瞬封じ込めたとして、ヒト-ヒト感染だけではないようなので、天然痘のようにこの世界から消し去ることはできません。日本国内を見ても、封じ込めのフェーズは過ぎています。

次の収束段階は、集団免疫を獲得したときです。集団免疫を獲得するには、多数が感染する or ワクチンが普及する の2択になります。
多数の人が感染するシナリオは、一定の死者を許容しながら集団として緩やかに免疫を獲得していく世界です。医療が崩壊しない程度の速度に調整するのが大事になります。

「もうみんな積極的に感染しようぜ。隔離もいらないよ。」って、急速に集団免疫を獲得するという方法もあります。死者の急増を許容する、ノアの箱舟的な考え方ですが・・・さすがにないか。

ワクチン普及が期待の高いシナリオでしょうか。最も著名なJournalの1つである「Cell」に掲載された論文をみると、まだ臨床試験に入る段階のようです。これでも爆速だと思いますが、臨床試験をちゃんとやると、あと1年くらいはかかりそうです。論文にもあるように、省略を考慮して、6-18 months だそうです。ワクチンの保険を通して増産して接種して・・・やはり1年ほどはかかりそうです。

集団免疫を獲得しなくても、特効薬が開発され、感染したところで重篤化しなくなった場合も脅威ではなくなるでしょう。感度の高い検査が確立され(巷で流行っているPCR検査は感度低いです)て効率良くスクリーニング出来るようになれば最高です。

ちなみに、以上はあまりウイルスが変異しない(一度感染したら、次回以降の感染を抑えられる)ことを前提としています。インフルエンザウイルスのように急速に変異する場合は・・・うん。



2. 外出制限はいつまで?

医療目線で感染を抑えることを第一に考えると、「ワクチン出来るまで家に籠ろっか♪」が正解でしょう。
1年はかかると考えると、その間ずっと自宅待機してると経済が潰れちゃいますよね。業界にもよるんでしょうが、キャッシュが2ヶ月しか持たないって話も聞きます。

ずっと休校も現実的ではないですし、色んな業界から圧力がかかって、6月くらいには順次再開になる気がします。もちろん、日本だけ逆行するわけには行かないので他国に足並みを合わせた上で判断となります。解禁後は、感染状況や病院の状態を見ながら調整していくことになるでしょう。

大部分がオンラインに移行する世界を描いている人もいますが、国を筆頭に意思決定側が絶望的にITに弱いので、オンラインへの移行は期待してません。


3. 医療はどうなる?

基本戦略は、医療が機能停止にならない程度に入院数を抑えることです。感染者数を減らすために、疑い例も含めて隔離が必要なので、人・物・場所・金・時間が取られます。院内感染が起きて機能停止になると、外来や手術室をはじめ、多くの機能がストップします。結果、助かるはずの命が救えなくなります。

専門家ではないですが、感染制御としてはCovid-19感染症を診る病院と診ない病院を分けた方がいいように思います。大阪が先陣を切りましたね。

自粛を緩和した上で長期的に医療を守る必要を考えると、全国的にこちらの方向に舵を切る・・・ことになるかもしれません。選ばれるのは、感染症専門医のいる指定病院か、既に院内感染を起こしてしまっている病院もあり得るかもしれません。厚労省として波風を立てないことを第一に考えると、後者も十分にあり得そう。
他には、検査でスクリーニング→隔離にも踏み切るかもしれません。無症状のウイルス排出者を減らすことが重要ですから。


未知の部分が多いですが、予想して準備はしておきたいですね。

スキ, フォローしてくれると、とっても嬉しいです。 シェアも大歓迎です。