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「男女平等推進社会は受け入れられない」と言われた話

ジェンダー平等を強く願い、学習会に出かけ、時には運動をする私ですが、パートナー(夫)には「男女平等推進社会は受け入れられない」と言われます。

パートナーは、今まで男性だから有利だったことなどない。むしろ女性と比べて不利だったくらいだ、と言います。特に就職活動のとき。理系の技術職を目指していた彼からすると、同じ理系でも、女性のほうが圧倒的に通過しているように見えていたとのこと。男女で同じ会社を受けていると、たとえやる気や能力が男性が高い場合でも「女性だから」通過し、男性より優遇されているように思えたそうです。企業が理系女性を積極的に採用することで、やる気や能力が高い男性が落とされるのはおかしい。そこは能力だけでフラットに判断すべきだ、と言います。

そんな話を聞くと、先日最終回を迎えた、NHK朝ドラ『虎に翼』の小橋の台詞が刺さります。確か、「できる男だけではなく、できる女とも比べられる」と言っていました。そのうえ現代は理系女性の採用枠がある。「できない男」からすれば、なおさら嫌な気持ちになりそうです。

パートナーと一緒に暮らしていると、幾度も同じような話を聞きます。その度私はどのスタンスに立つべきか、すごく迷うのです。彼がおかしいと思う気持ち自体はわからないでもないし、共感を示すべきかもしれません。しかし、理系女性の積極採用は、政治分野におけるアファーマティブアクション同様、必要だと考えています。理系の技術分野において、女性の参入があまりに少ないですから。そのうえ現代はまだ理系の女子学生が非常に少なく、企業が女子学生を取りあい、採用市場で理系女性が、理系男性と比較してすごく優位に見えるのかもしれません。

しかし、そもそも理系女性の採用枠ができたのは、枠を設けず採用していると、自然と男性ばかりが採用されてきた歴史があったからではないでしょうか。そして、理系に進んでも、就職できるのは男性だけという状況が、女性の理系選択を阻んでいるのではないでしょうか。(現に彼が勤める会社もおじさんばかり、女性はごくわずかだと言います)

そう彼に伝えると、「いや、理系に女性が少ないのは、女性が理系に興味がないからだ」と言います。「女性は文系、男性は理系」その価値観の中で育つから、女性は理系に興味を持ちづらくなるのではないでしょうか。無意識下のステレオタイプ。女性は学生時代からそれを内面化して、理系への興味を失ったり、苦手に感じたりする。また前述ですが、理系分野で活躍する社会人女性を見たことがなければ、そもそも理系に進みたいとは思えないでしょう。

ジェンダー平等の必要性を、パートナーが理解するまで、まだまだ時間がかかりそうです。マイノリティの権利や機会の獲得は、マジョリティを脅かすことにはならない、と言いたいところですが、現に彼は理系女性の採用枠を通して、男性が不利になっていると感じているようです。

こんな投稿をするとパートナーに怒られるかもしれませんが…おそらく、彼にとってこれは私にしか言えないモヤモヤだと思います。今の社会に生きづらさを感じたり、行動したりする人を私以外に見たことがないようなので。
だから私が可視化して、このような男性側の考えも包括してジェンダー平等を推進していくことを、考えていきたい。ジェンダー平等は誰かの権利を奪うものではなく、すべての人が生きやすい社会を望むものだから。

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