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夢~禁じられた5200~
ある晩、家に悪魔がやってきてこう言った。
「麻雀が強くなりたいか」
「もちろん」と私は答えた。
「お前を世界一の麻雀強者にしてやる。だがその代わりに5200点をアガった時は何があっても“ゴンツー”と申告しなくてはならない」
どういうわけか、悪魔の契約にしては引き換えるものがずいぶんとショボい。普通、命とかではないのか。しかし“ゴンツー”とはなんともダサい。地味に効いてくる毒のような条件だったが、答えは当然「Yes」だ。
麻雀が世界一強かったらダサかろうが何だろうがだいたいOKだろう…。むしろ麻雀界を私が席巻して“ゴーニー”にとってかえればいい。迷わず悪魔と契約を交わし、その日は眠りについた。明日はリーグ戦だ。
リーグ戦の朝。いつも会場には早めに行くのだがこの日は特に早めに到着した。立会人がひとりで準備をしていた。
「すみません」
かくかくしかじかの事情で、5200を“ゴンツー”と申告してもいいか許可を取ろうとするも、
「駄目です」
当たり前だった。こうなったら5200点をアガらないより他に術はない。対局開始となった。
困るのは門前でテンパイするとだいたい40符になるということである。当たり前だった。東1局西家、さっそく役なしドラ1のリャンメンテンパイだ。リーチをかけるが、これも裏ドラ1枚で退場になりかねないので出アガリはできない。一発もだ。しかし、そんなハンデをものともしないほど、私は麻雀が強くなっていた。
特に強いのは親番だ。親には“ゴンツー”がないのである。1回戦東場の親番で私はのびのびとアガりにアガって、ついに12本場に突入した。
9巡目にリーチをかけた。六九待ちのピンフドラドラ、高目の六だとタンヤオで、ツモると6000オールだ。6000は7200オールか…安目は…
5200オールではないか!!!
これはいいのだろうか…いやいいはずだ…なぜなら…。契約内容はこうだ。5200点をアガった時に“ゴンツー”と申告しなければならない、つまり本場を加えた申告点が5200になった場合はこれに当てはまらない。アガリ点は12000点なのだから…
しかし、これまでうまく5200を避けてきたから分からなかったが、今の私は「5200」と口に出せない状態なのだろうか、それとも「5200」と申告した時点で何か制裁があるのだろうか…いまいち曖昧な契約を結んでしまった…
冷や汗をかきながら山に手を伸ばすとそこには…
普通九をツモったところで目が覚めると思うのですが、六をツモってその後もひたすら勝つ、という夢をみました。
-----------大平のブログが開けなくなってしまったので封鎖を考えています。これは2018年のブログ記事で気にっていたのでnoteに移植することに。他にも対局振り返り等ではなくいつでも楽しめる単なる読み物系で、気に入っていた記事があった気がするのですが、思い出せません。