夢と気持ちの境目。
幼少期、僕は何かと自然に触れ合っていた。
子供ながら広大な草原の中を駆け巡り、虹を見つけ感動し夜には満天の星を眺めうっとりする。そんな体験を大人になったら必ず実現すると心に誓った。
しかし大人になるに連れ、仕事や人間関係のドロドロとした社会に、少しずつ心は侵食されていた。
いつしかこう思うようになった。
僕の中にある夢はそのままが一番いいんだと。
今思えば、夢を実現させるのが怖かったんだと思う。
実現させてしまうと、生きる意味を失ってしまうんだなって。
それでも、一定の周期で「行ってみたい。」という思いが強くなるのだ。
そんな気持ちが鬱陶しく感じてたある時、それならば行ってみようじゃないと決断する事にした。別に海外など遠い場所じゃなくても、日本で探せばあるでしょうと。
探してみるとあるもんなんですよね、これがまた。
しかも自宅から車で2時間半弱の場所に。
只、その場所に行くためには山登りをしないといけないのと、せっかくならテント泊しようと思いに至った。
大草原とは行かなくても標高が高い分、見晴らしは満点だし、何せ天然芝があるので尚よし。僕は重いザックを背負いながら駆け巡った。
虹は見れればラッキー。
少し登山した場所に野営地がある、そこへ早々に向かう。
一際存在感のある一本の木の下にテントを張る事にした。
家に非常食で保管してあった、フリーズドライを夜ご飯としてパパッと食べ、星空のお供に相性のいい(自称)コーヒーを飲みながら、秋の夕暮れから星たちが、 1つ また1つ と顔を出すのを待っていた。
仰向けになりながら満点の星たちを見ていると、無邪気で純粋だった幼少期の記憶が蘇ってくる。
静かな場所で、こうやって夜空を眺めるのはいつぶりかな。
もしかしたら、もう何十年も前かも。
普段は気づかない心のHPは、いつしか0に近いくらいになってたんだと気づく。けれど、こうやって星を眺める事、自然を堪能することが僕にとって癒しとなっている。
日本でもこんなに感動し癒され、支えになる自然の風景。
次はもっとも〜っと遠い異国の地で、
小さい頃に思い描いていた世界を見に行きたいな。
いや、必ずに見に行こう。