わたしはこの現象を「可愛いハラスメント」と呼ぶ事にした。
半年ほど前、蛙亭のラジオを聴いていて凄くモヤッとした事があった。
蛙亭のイワクラちゃんが昔好きだった男の子の話をする、なんとも和やかな回。
とにかくイワクラちゃんはその好きな男の子の事をめちゃくちゃカッコいいと連発していた。しつこいくらいに。
ハーン、さてはこの女、もしやとんだ面食い野郎なんじゃねぇか?
そこで中野くんがサラッと「どんな感じの雰囲気なん?」と合いの手を入れてくれた。
いいじゃない、ナイスアシスト。
この時リスナー達はきっと全員手が止まり鼓膜に全集中させていたはず。
さあこい、一体どんな男前なんだ???
そしてイワクラちゃんのアンサーがこちら。
「ロングコートダディの堂前さんに似てるんよ!!!身長も高くて!!めちゃくちゃかっこよくない?!かっこいいよね?!」
そして、それに中野くんやスタッフたちが
「あー」と漏らし、
そして不思議な間のあとに、続けて
「かっこいい、、ね。」
と付け加えた。
その瞬間、わたしはゾッとした。
わたしはロングコートダディの堂前さんをブサイクだと思った訳ではなく、むしろめちゃくちゃ好きだし超絶どストライクな顔面(というか雰囲気)だ。
なんなら堂前さんを「カッコイイ」と言ったイワクラちゃんに握手したいくらいだった。
ただ、多分、恐らくなんだけども、
きっと堂前さんは世に言う一般的なイケメンでは無い。
(ごめんなさい堂前さん大好きです大好きです大好きなんです!)
これは完全に中野くんをはじめスタッフたちは1ミリも堂前さんの事を「かっこいい」と思ってもいないのに、「かっこいいよね?」とイワクラちゃんに質問されたばかりに、半ば強制的に「YES」にさせられるという地獄のような空間が広がってしまっていた。
そう、この言葉は、「あなたもかっこいいと思いますよね?」に自動変換されてしまう恐怖のデスワード。
そこに堂前さんは居ないが、記録に残るラジオ媒体。
仮に「いやどこがやねん」とツッコミをいれてしまっても本人がラジオを聴くかもしれないし、オマケに居ないところで傷つけてしまう巻き込み事故が発生する恐れがある。
これはよっぽどのサイコパスでない限り、絶対に「NO」とは言えない。
要するに、「格好いい」や「可愛い」って、
人によって千差万別あるんです。
他人にあなたやわたしの「かっこよくない?」の押し付けはホンマに不要で迷惑な話なんです。
だからどうしてもあなたやわたしが誰かに説明したい場合は、
それは「わたし“の”好きなタイプ」「わたし“が”格好いいと思う顔」でエエ訳なんです。
そうする事で、みんなの返答が「え、わたしもめちゃくちゃ好き!」と同調を得れたり、
「あーそうなんや!確かに淀川が好きそうな人」と、別に格好いいと思ってなくても安全に濁せる。オマケにそこから話題も潤うし、誰も変な雰囲気にはならない。
わたしの好きはわたしが感じることで、わたしが好きなら他人に何をどう言われたってなんだっていいんです。
何故こんなことについてタラタラ言っているのかというと、
このラジオを聴くちょっと前に、実際にわたし自身に同じような事件が起きていた。
友人達と居酒屋で飲んでいた時、そのうち1人の男友達が女2人を途中で連れてきてみんなと趣味が合うから仲良くなれそうと紹介してくれた。
そしてその流れで、「この子らめちゃくちゃ可愛くない?!」と聞かれた。
不思議な質問だと思った。
元気で面白そうな子たちだなとは確かに思ったものの、正直わたしはどちらも1ミリも可愛いと思わなかった。
勿論自分と優劣をつけている訳では無く、単純にわたしのタイプではなかった。
先述した通り勿論「可愛くないです」なんて言える訳ないし、調子に乗らせるのもなんだか癪という理由もあるけど、
わたしは嘘でも「可愛い」だなんて、自分が思ってもないことを言いたくなかった。
そして、わたしが一瞬で頭をフル回転させて喉の奥から搾り出した恐らくその場で究極の回答が
「モテそう」
だった。
女2人はどちらもまんざらでもなさそうだったので危機は回避した。
ただ、悪いのは完全にその男友達のはずなのに、結局何故かわたしは癪に触ってしまった。(ほんまごめん)
その後に、蛙亭のイワクラちゃんの発言を第三者目線で聴き、「あの時のやつ、これや!!」と思ってゾッとした。
そしてわたしはこの現象のことを
「可愛いハラスメント」
と名付ける事にした。
そして二度とこの可愛いハラスメントの被害者を増やしてはなるまいとこの事件を深刻に受け止め、ここに記載させて頂きました。
どうか皆さま、「可愛いよね?」「格好よくない?」には充分お気をつけください。
そしてどうか、もしも「モテそう」よりも強いフィニッシュブローがございましたら、是非ともわたくしにご享受くださいませ。
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