みみこわした
昨日寝違えたらしく今日ずっと右を向くことができない もう少ししたら次の睡眠に入りますが起きたら戻っているだろうか 寝違えに日を跨ぐイメージが無い どんなに酷くても寝て起きたら治っているもんだとしか思っていなかったが当然だろと言うには不思議だな 筋肉痛もそうかもしれない 頭痛とか肩凝りとかは軽くなることはあってもそうそう無くなりはしないじゃん 度合いの問題かな 僕の経験した寝違えや筋肉痛は軽く頭痛や肩凝りは重かったとそれだけのことか 個人の経験の傾向の域を出ぬ話 そういえば少し前から筋肉痛が遅れてやってくるようになった 早くないか 四十歳くらいからだと思っていた 若しくは僕はもう四十歳相当なのかな あとどのくらい生きるんだろう どのくらいでもいい 会いたかった人に会えさえすれば 二時間でもいいし八十年でもいい
耳を壊しました 睡眠と身体の話をしたのでついでに書いておく かかりつけの耳鼻科の休診日とどん被りしたので一旦様子見にしたまま回復してきたので診てもらってはおらず もしかしたら耳じゃなく脳や精神かもしれない わからないです 何も知らないし何も分からないまま可能性としてはこの三択だろうという予想だけ
普段ならあとニ時間くらいで眠るかなというくらいの頃 滅茶苦茶苛々していてさ 何にとかどうしてとか心当たりはどこにも無いんだけれど ただ第一感情じゃないということだけはわかる それだけは確かにそう 伊達にムダなことばっか考えてねーよってな 苛立を読み解くこともその愉しさも心強さも知っている 加虐心も殺意も肯定というと語弊があるが持つべき時にも持てない人間のことは信用できないと思っているしマインドフルネスの授業だけははっきりと嫌った十六から根本はきっとさして変わっていない 楽だろうが素敵だろうが怒りを抱かないのではなく抱けないような人間にはなりたくない だからこそ無闇矢鱈にキレてはいられない 怒るなら怒るで小さな針を投げ散らかすんじゃなく確かな槍一本で向かいたい 自覚と覚悟を持って向かってほしい そういうものだと感じたものしか受け止めないという意志でもある 救助要請の暴力を遊戯の暴力として受け取れるほど無垢じゃないよ舐められたもんだな僕のガキ時代どんなだったと思っているんだ 逸れたなあ話 だからまああれです そういうわけなんで 自分のにしても 泣いているのか笑っているのかくらいまでは寝ていても視えるし触ればなんとなくわかる 治りきっていないものか 新しく見付けてしまったものか この時のは この時も湧きながら殺されていたんだろう いたちごっこ でもそんなことをしている暇は無いだろうがと目を向けてもらえなかった その程度でそうですねと引き下がるほどお利口じゃなかった 飼主になんとかですか 余裕が無いからな 喧嘩だったと思う 愛だった 煩い黙ってそんなことしている場合じゃない痛い寒い怖い助けて 待って 置いて行かないで 一人で歩けるほど暗い道じゃない 体力も遊びも足りていない 速けりゃ良いってもんじゃない 自分の言葉が必要な過去を隠したかった 今でこそ このくらいの推測ならできるけれど 真最中の苛々の中で更にもう一層外側から俯瞰して整理しろってのは そこまではまだできないから 一旦消耗させて眠らせて湯船にでも浸けてからさあさあじゃあ昨日は何があったんかねえと少しづつ聴いていくことしか 未熟なもんで まだ だから その時は 本当はまだしたいこともあったんだけれど 起きていても何も生めないから精一杯の妥協で睡眠を取りに行くことしかできなくて んでもう焦るし不甲斐無いし怖いし動きたいしでぐっちゃぐちゃになっているもんで眠ろうにも眠れないからとりあえず無理矢理にでも脳を無効化したくて爆音のイヤホンで聴覚を真っ白にしてさ 眠ってしまった
起きたの八時間後とかかな 途中でイヤホンの充電が切れた音を聞いたから八時間聞き続けたわけではないけれどそれをいつ聞いたかは覚えていないから七時間とかは聞いていたかもしれない 最悪の場合音量増幅のボタンを頭で押していた可能性もある 一曲エンドレスリピート 百一発目で越えられる壁 千一掘り目で到達する秘宝 一万飛んで一回目で壊れる有毛細胞
起床後四時間くらいかなあ 普段通り入浴の守護として音楽をかけた時 そこにあったのは知らない曲でした タイトルは合っている シークバーも綺麗に動いている 一つ前の曲もさっきまでの生活も普段と何一つ変わらなかった この曲だけ 数時間まで聞いていたこの曲だけ えっこんな曲でしたっけ
喩えるなら水没したスピーカー 体感は逆再生 説明しようとするなら まずテンポがおかしい 知っているものよりも速いとか遅いとかではなくて 一定じゃない 意図的に崩したときのような気持ち良さとは大違いどころか真反対の不安感 スキップが苦手な人のスキップのような不規則さ スキップが苦手なのはチャーミングで良いが知っている筈の曲が突如それとなるとビビる スキップは出来なくてもいい 愛嬌になる しかし今のこれは しかもそれが曲丸ごとではなく楽器ごとに分かれた上で各々が出鱈目にズレているように聞こえておりそれらが重なるともう原型が殆ど見えない 一番聴き取りやすい音である声を追おうとするが詞も見えない 強弱が激しく在る筈の場所に無かったり見付かったかと思えば知っている三倍くらい長かったりしている ように聞こえている 一文字一文字のフェードインとフェードアウトが酷く大袈裟に聞こえる 順再生のメロディーに逆再生の詞が乗っているような感覚 文字の発音がそんなイメージだというだけで楽器を含む全ての音を順と認識してはいる 向きは 向きだけは あとこれは説明を放棄した感覚の話だけれど 明度と彩度が凄かった
僕は自分の音感やリズム感に自信がないのでこの時は「えっ、こんなに難しかったっけ」「全然掴めん、、」と思っていた そういえばこの曲をこの環境で聴くのは初めてだったし 何より 他の曲も生活も普段通りなので 疑うとしても「同じ曲を繰り返し流していたらその曲だけ上手く再生できなくなるとかあるのかなあ」くらいが限界だった こういう奴から死ぬ
入浴を終え耳も乾いた頃にイヤホンをして先程の曲を聴く 同じであった 先程聞こえたものと同じであった 環境の問題ではなかった そして同じではなかった 昨晩聞いていたものと同じではなかった ああやったんだと思った 何をかはわからないが 何かをやっているんだと思った
他の曲は以前と変わらないように聞こえているということに尚更の不思議を思いながらもとりあえず調べる 「一曲だけ変に聞こえる」とか「曲 ゆがんで聞こえる」とか そんなふうだったと思う
【騒音性難聴】【イヤホン難聴】【音響外傷】などが目に留まった 似たような経緯で似たような状態になったらしい人の存在もあった ですよねといった感じではあるがどうしてその曲だけなんだろうとも思いつつまじでやったなと思った 惰性で流していた動画の音量が徐々に下がる 気から病を拗らせるタイプなのでもう耳が痛い 慣用句じゃなくそのままの意味で 痛い イヤホンを嵌めているだけでもしんどくなりそっと外す どうしようね 何もしないことしかできないしたぶん何をしてもいけなかった 病は気からだよ〜と普段通りの姿勢で過ごすならここからイヤホンをばしばし使っていく時間であったが流石に怖くてできなかった 因みにまじで僕の弱さなんだけれど書いている今も痛い 聞こえは戻っている
その日の以降は どうしてもイヤホンが必要な場面では音量をできる限り小さくしたり耳へぐっと押し込まず少し浮かせることで密閉を避けたりして過ごした 時々件の曲を聴いては反省と不安を同時に煽るようなこともしていた 手でリズムを取りながら聴くことでリズムだけは薄らながらに獲得したが飛び交うような音程と呪文のような文字達は寝床に着く頃にも掴めないままだった もう同じことはしたくないが無音で眠ることもできず 動画サイトで焚火の音や水中の音を漁りながら無理矢理に眠った 自然の音なら大丈夫なんてことはなく普通に痛かった イヤホンは変換器を用いて有線のものを使い寝返りで音量を変えないよう祈った あれがうっかり抜けた時のノイズを聞くことになっていたらどうするつもりだったんだろう 今気付いた ならなくてよかった イヤホンをせずに眠っていた頃はどのように眠っていたんだっけ
翌日の入浴後くらいには 七割くらいは戻っていた 正直この頃には今聞こえているものがどのくらい本来のものに近いのかがわからなくなっていた 変な聞こえ方で上書きされはじめていた 自分の知っている音は自分の中にしか無いということを思い知った そんなの 目も鼻も口も全部そうです 今だからですよ 今だからでしょうが 耳を頼れなくなることがいちばん怖いかもしれないと思った あんまりいちばんとか言うもんじゃないとは思うけれど 自覚の何倍も耳なのかもしれなかった きっとものもらいを作っても穴で腫らしても同じことを言う 半年もすれば耳も忘れて
翌々日にはほぼほぼ戻っていた 平仮名に起こせば切り捨てられる音や息を汲めるまでになったのがこの頃だと思う 切捨てられる音や息などというとあたかも繊細な聴き方をしていると主張しているようで怖いんだけれど全然そういうのではないです そういう能力も感性も無いです このあたりの話はどこまで掘り下げていいものかわからなくてまたそれも怖くてここから先を書けずに一度眠ってしまった そういうつもりでないなら堂々としていたらいいとは思うが此方の姿勢では限界がある解釈の範疇を鑑みて怯む 黙ります
そいで今が発覚から四日と半日程 おそらく僕に知覚できる部分は戻りきったといってもいいくらいだと思う もっと精度の高い耳ならまだかもしれない くらい
「何、、! ?」とならない程度には聞こえるようになった上で改めて思ったが その曲はその曲で難しい でも未知のうにゃうにゃではないので丁寧に聴けばきっとわかる 脳内再生もできる そういえば書いていなかったな 翌日くらいまでは脳内再生がまるでできなかった 聞こえているものが知っているものと違うと感じてはいるが知っているものを思い出すことができなかった これが一番焦ったかもしれない 戻ってきてよかった
未だどうしようもない時に先ず塞ぎたくなるのは耳だし 鼓膜を晒したまま眠ることができるようになるにはまだ暫くかかると思う 模索して焦って苦しくなったらまた塞ぎたくなるので急ぎはしない 流れるように流れるなかで何かに出会って結果的に要らなくなったらいい なんだかいつもわなわなしているが大半はこれで動いてきたしそういうもんなんだと思う僕は そうとわかったことで落ち着くことができていたらこんなに不恰好な人生ではない でもきっとそうだと唱えていることの意義はある 間違いでもいい
寝違えから二日経ったが可動域の左右差はまだ少しある まじかよ 右を向いただけでは気付かないくらいにはなった 左と比べると残像を感じる 比べなければわからない ん ? とは思うかもしれない
騒音性難聴とか 音響外傷とか 診断を受けたわけではないので「今回のこれはそれでした」とは言えないです
回復してきたと思っているけれど実はまだ脳のどこかが損傷しているかもしれないし 心因性の症状だった可能性もある 心当たりが無いわけじゃない 心に関してはだったとてという感じなので診てもらいに行く気は無いけれど もしまた何か変だなと思うことがあったら耳鼻科なり何なり行くかもしれないしそこで全く別角度の原因が見つかるかもしれない
ただ 数日前の僕みたいに そういう単語で検索をかける人が 叱られたくはないけれど不安ではあるから覚悟を決めるために情報を集めようとするような人が もしもいたら もしも見付けてくれたら 何かの足しになればいいと思い タグは付けます
僕は何の治療も受けずに今この状態だけれど 今も間違え続けているかもしれないし 取り返しの付かないことをしているかもしれないから この人は何もしないで大丈夫になっているから自分もまあ平気だろうとか絶対に思わないで どんなにちょびっとでも気に掛かっていたら病院へ行ってください 僕はあなたの身体がどうなろうと何の責任も取れません たまたま読んだ他人の日記を都合の良いように解釈したツケがあなたの未来の自由を幾分か削いだとしてもそれを書いた僕が恨まれてあげることはできませんごめんね 病院へ行け
そんで何より僕も
おや、、となったら行きます
気にし過ぎで壊すことは確かにあるけれど 気になっているのを気になっていないことにして手遅れにして面白いことなんか無いから 面白がって済ませていいことじゃないから
身体を大事にしたがるのは それも成果です
照れますが 恥じませんよ