AIお絵かきにできないこと
今年2022年、お絵かき界にシンギュラリティが起こりました。立て続けに高性能なお絵かきAIが登場してきたのです。「AIが絵師の仕事を奪う!やばいぞ!」みたいな声がたくさん聞こえるわけですが、ここでAIお絵かきにできないことをきちんと把握しておこうというのが今回の記事です。
なお、この記事は2022年9月15日に書いております。
AIお絵かきにできること
AIお絵かき、できることは大きく分けて4つあります。
text to image: 文章から絵を作る
image to image: 元絵と文章から新しい絵を作る
inpainting: 元絵の気に入らない部分を作り直す。作り直す部分は文章で指示する。
outpainting: 元絵の外側に絵を作る。
この4つを組み合わせることでいろいろなことができます。何ができるかと言うとできることが多過ぎてここで解説しているとキリがありません。
たとえば、image to imageを工夫すれば動画なども作れるわけです。本当になんでもできます。
AIにできないこと
言語化できない絵
独特の技法を使っていたり数学的に表現すべき幾何学模様だったりです。
ただし画風をパクることはできます。
また、どうしてもこの色が使いたい!みたいなときの指定ができません。ただし、いずれclip studioのプラグインみたいなのが出てくるはずなので、手動で直せばいいだけです。
指定が細かい絵
「2030年のある雨の日、渋谷駅におじさんが座っていてタバコを吸っている。周りにはたくさんの人がいる。電車が写り込んでいる。草むらがあって緑色のカエルが隣で座っている」
これだけの指定でも結構厳しいです。文章解析部分で文字数に上限があるという話を聞いています(要検証)
データにないモチーフ
ファミレスにあるレシートを入れる筒の絵を書いてほしい!みたいなことも無理です。検索にかからないからです。
立体物
彫刻作って欲しい!みたいなのも無理です。今はね。いずれ三次元版のやつも出てきて3Dプリンタですべてが作れるようになります。もちろん木彫や金属はAIに負けるのはだいぶ先になると思います。
また、「ル・コルビュジエの建築」みたいな文章で作れば外観だけは作れるので参考にできます。
さらに言えば現状でもすでにテクスチャ作成部分をAIに任せて3DCG作ってる人はいます。
論理的整合性のある動画
もちろん絵を繋げれば動画は作れるのですが、論理的整合性はありません。例えば、物体が現れたり消えたりします。
https://twitter.com/Callimiya/status/1570037982316605440?s=20&t=_CshfzRZgQjp7inLAjXlEw
文脈のある現代アート
お絵かきAIはあくまで絵を作るだけなので、「アンチインスタ映えアートをつくって!」みたいな思想をAIに外部委託するのは無理です。
何よりも今あなたの頭の中にある作品
これがすべてです。頭の中にある作品を完璧に作ってもらうことはできません。構図指定して自分で手直しするというのが限界です。
締め
いかがですか?結構できないことまだあるんですよ。
今はまだね。