特定原付の6km/hモードとは
特定原付オーナーのKayです。この記事では6km/hモードについて説明しますが、私はほとんど使っていません…その理由は記事の最後に。
こちらの記事でも紹介した通り、特定原付の中には最高速度を6km/hに制限するモードに切り替えられるものがあります。ただし最高速度が20km/hである通常のモードの時とは異なるルールが適用されるため、それぞれのルールを正しく理解しておく必要があります。
最高速度が6km/hに制限された状態の正式名称は「特例特定小型原動機付自転車」ですが、略して「特例モード」や「6キロモード」と呼ばれていることが多いです。この記事では「6km/hモード」や「特定原付の6km/hモード」と表記します。また6km/hモードでない状態を区別する場合は「20km/hモード」と表記します。
緑色の最高速度表示ランプが点灯している状態が20km/hモードで、点滅している状態が6km/hモードです。
6km/hモードでかわること
20km/hモードではできなかったことができるようになったり、ルールが変わったりします。
自転車歩行者道を走行できるようになる
自転車歩行者道、通称「自歩道」を走行できるようになります。「歩道を走行できる」は誤りです!すべての歩道が自歩道ではないためです。
自歩道には「普通自転車等及び歩行者等専用」の標識があります。この標識がある歩道であれば、その歩道の車道寄りの部分か自転車通行指定部分を走行することができます。この標識がない歩道は6km/hモードでも走行できません。
路側帯を走行できるようになる
路側帯とは、歩道がない道路において人が歩くための場所を白線で区切って示した部分です。原付と特定原付の20km/hモードでは路側帯を走行できませんが、6km/hモードなら走行できます。ただし、向かって左側の路側帯しか走れません。右側の路側帯を走ると逆走で交通違反となります。
また、滅多に見ないですが、二重線で区切られた「歩行者用路側帯」は6km/hモードでも走行できません。これは原付や特定原付だけでなく自転車も同じです。
なお、車道の外側に引かれている白線は「車道外側線」といいますが、歩道が設けられている道路においては、この線は路側帯を示すものではありません。このときの車道外側線の外側は「路肩」と言います。原付や特定原付が路肩を走行すること自体は問題ありませんが、路肩を使って前方の車を追い越してはいけません。そもそも路肩は路面が悪いので、後続車に追い越させる必要がないときは車道を走りましょう。
歩行者用信号に従わなければならなくなる
6km/hモードで従うべき信号は、自転車用や車用ではなく歩行者用の信号です。特に車歩分離の交差点では20km/hモードと従うべき信号が変わるので注意しましょう。
6km/hモードで自歩道を走る際の注意
自転車と同様に、自歩道を通行するときは車道寄りの部分か自転車通行指定部分を徐行する必要があります。また、歩道は歩行者優先のため、歩行者の通行を妨げるようなときは停止しなければなりません。
平地や上り坂であれば最高速度が6km/hに制限されているため歩道の徐行義務は満たせますが、下り坂においては6km/h以上出てしまって徐行義務を満たせなくなる可能性があるため、注意が必要です。
押し歩きに比べてメリットがない
20km/hモードよりもできることが少し増えるけど、それらは全て歩行者でもできるし、歩行者扱いになる押し歩きしたほうが6km/hより速く移動できることを考えると、歩行が不自由などの事情がある場合を除いては6km/hで走行するメリットはほとんどありません。
自転車のほうが良いとも限らない
なら最初から自歩道を走れる自転車の方がマシだという意見もありますが、前述したとおり自転車にも歩道の徐行義務があるため、それに違反しない限り特定原付の6km/hモードとほとんど同じです。徐行義務に違反した場合、特定原付の6km/hモードなら反則金制度対象で5,000円ですが、自転車の場合は現状反則金制度がないため刑事罰となり3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金です。
特定原付も自転車も、原付と同じように歩道は押して歩くのをおすすめします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?