永遠の夏休み
「大丈夫、きっとまだ大丈夫」だなんて確証のない未来を信じるのが嫌だった。どこからともなく湧く自信に恐怖を覚える。信じないと前に進めないのに、その為の原動力さえあの人に貰った言葉の足枷が永遠に邪魔をし続けていた。
はじめて、雨の教習所内を運転した。忙しなく動き続けるワイパーはなんだか滑稽で、拭っても拭いきれない滴を振り払い続ける動作は、私が彼に尽くしても尽くしても何の意味もない事と少し似ていた。
最近は答えの無い、仕方の無い事ばかりを考えている。私が一緒にいる為の努力をすると彼は一人になりたがる、その逆も然りだ。これを「すれ違い」と定義するなら早く左様ならをしてしまう方が幸せなのかなとも感じる。だけれど彼が頑張っているのを見ると愛おしくて苦しくなるし私の全てで彼を肯定したいなと思える。大丈夫、きっとまだ大丈夫。