数十年ぶりにふーことユーレイシリーズを読んだらとんでもなかった

誇張抜きで約20-30年は触れていなかった児童書。
大人になればそもそも読み返す機会なんて、まずない。図書館に行って児童書コーナーへ行くとか、産んだ子が読んでるとかそういう切っ掛けがないと、そもそも思い出しすらしない。
思い出すとしたら、X(元:Twitter)で児童書まとめがバズったときじゃないかな。それだってそんなにバズりやすいネタじゃない。つまり思い出すきっかけはそもそもそんなにない。
私が思い出したきっかけは、本当にたまたま何となくだった。
「ふーこ」って名前の女の子がいて、その子が格好いい男の子と結婚する話。単に結婚するんじゃなくて、「ふーこ」は小学生の女の子。相手は「ユーレイ」でものすごく格好良くて守ってくれる小学生の男の子。
何故思い出したのか、全然全く定かじゃない。切っ掛けは本当に「なんとなく」だった。

こういうとき、わたしはX(元:Twitter)でパブサをする。
「ふーことユーレイ」で検索すると出るわ出るわ「懐かしい」「読んでた」「和夫くんかっこいい」の呟き。その次に出てきたのが「最終話が……」という呟き。っていうか完結してたんだね。完結するまで5年ほど空白期間があって、ファンの熱量だか何だかで発行されたらしい。すごいな。
そしてその内容が不穏だという。検索中にわたしは、とあるまとめサイトに到着した。


まとめタイトルを見てハッとした。
確かに冥婚だわ……!
※冥婚・・・生者と死者に分かれた者同士が行う結婚のこと

だって一巻目で結婚してるもん。
左手の薬指に指輪が嵌められて、それが外せない。外そうとすると指に痛みが走る。この結婚を終わらせるには「相手を本当に好きにならなくてはいけない」
誰やねんこんな訳の分からんこと考えて実行に移すのシステム化したの。
なーんて思うのはわたしが大人になったから。
これを読んでいた小学生当時は「へーそうなんだー」で終了したもんよ。「まあ物語だし、不思議なことはいくらでもあるよね」って思ってたんだろうね。ある意味昔の自分の方が大人だったわ。いちいち現実と比較するなんてつまらない大人みたいで嫌になっちゃう。
さて、そんなつまらない大人となった私は、まずAmazonで書籍を調べてみた。万が一にでも電子書籍になってやいないだろうかと思ったのだ。
そしたら電子書籍化してて思わず声が出たね。そして価格を調べて×14(巻数分)をしたね。ざっと一万円で全巻読める。それなら買うしかないわ。
こういうときは大人になって良かったとしみじみ思う。

とはいえ、いきなり全巻買う勇気はなかった。
少女というか女児向けの本に、今の年齢の私が読んで読み切れるかなと思ったせいだ。楽しんで読めなかったらどうしよう。そんなの困る。
大好きな本っていう記憶が吹き飛んでいってしまうんじゃないか。
好きだった記憶をそのままにしたい気持ちと、久しぶりに読みたい気持ちが心の中をぐるぐるぐるぐる回っていく。なまじっか、本が買えてしまう財力はあるんだからタチが悪い。お金がなければそれが理由で読まなくて済むのにね。
小学生のころのわたしも、クラスの女子みんなもこのシリーズが大好きで図書室ではいつもふーことユーレイシリーズの棚には代本板(※本のあった場所に入れる縦長の台形の板。本で言う背表紙に当たる場所に、借りた人の記入されている。で、どの場所に返却すればいいかすぐに分かるように設置するもの)がしっかりと挟まっていたもの。
ちなみに、いまは「誰が何を借りたか分かってしまうため」という理由で使用されてないんだって!まあ確かに何を読んでるか知られるの、まあまあ恥ずかしいもんねぇ……って話が随分それちゃったな。

まあ、昔の私が楽しんで読んでいたんだし、記念として一巻読んでみよう。
たまには懐かしさに浸るのも悪くないはず。と思って、やっと読んだの。

ふーことユーレイ(1)ユーレイと結婚したってナイショだよ(Amazon)

結果:面白いわ
普通に一冊スイスイ行けたし、起承転結めちゃくちゃしっかりしてる。
小学生向けの文章も懐かしいなぁ。会話がちょっと多めでテンポが良くてすごくおもしろかったし切なかった。この一冊でしっかり「ふーことユーレイ」の面白さが伝わってくる。
小学校のゴタゴタに万引き疑いのドラマチックな展開。和夫の人間性もしっかり垣間見えて、それに惹かれるふーこ。和夫は和夫でふーこの一個上の小学六年生だから頼もしいところもしっかりあってときめいたり。
外見も良いけど中身も最高に素敵な和夫を好きにならない訳がなかったし、和夫は和夫でふーこにすごく惹かれていて……。お互いが思う気持ちの矢印がぐんぐん向き合っていく。元々好きな男の子がいたのに、それすら気持ちが薄くなって、和夫を好きになって……そして和夫と指輪は消えてしまった。切なすぎる~~~~!!!

和夫は「とある望み」があり「それを叶えるために呪文を唱えた人と結婚」して「好きになってもらったら望みが叶って離婚成立」という流れなんだけど、望みがしっかり叶って良かったなと思う反面(これがまあガチで叶って良かったな案件なのよ。大人も納得できる)誰がこれをルール化したんだろう?という疑問も残る。「望みが叶うために好きになってもらう」は和夫が出した条件だから、他のユーレイさんは別の条件を出しているのかも?
死んじゃったユーレイが実体のある生きた人間に叶えてもらう、もしくはそこまで見届けるって結構ベリーハードだわ。
ただ、巻き込まれた人間側もまあまあ溜まったもんじゃないな。たまたま和夫とふーこだから良かったけど万が一オッサンとか来たらどうにもならないし、ふーこめちゃくちゃ可哀想じゃん。リアルで結婚もできなくなるしー……って、物語なんだから現実と混ぜちゃダメ!笑

さてさてそんなふーことユーレイシリーズ。案の定、全巻購入に至りましたとさ。最終巻についても語りたいけど、今日はここまで。

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