奈良美智 the biginning place



奈良さんの絵は昔から絵本でよく見ていた。
その奈良さんの展覧会に今回これて嬉しかった。
作品としても素晴らしいがやはり、デザイン的な良さを感じでしまった。
そして、奈良さんが技術ではなく、心動かされる作品を作りたいと、20の頃のヨーロッパ旅で思ったというのはとても印象的だった。どちらかというと、イラストのような軽やかさの魅力を感じでいたから。
私の好きなドローイングは見ていて楽しい。軽くてさらっと見れるから。でも、キャンバスに描かれた作品の方が気持ちは動かされる。もしかしたら、作家のキャンバスに向かった時間と熱量を感じ取れるからかもしれない。

やはり、ずっと見ていたくなる引き込まれた作品は『Midnight Tears 』2023年のキャンバスにアクリル絵具で描かれた作品。
そして、今回初めて奈良さんの作品を実際に見て思ったのは、『目!』
目が本当に印象的で美しくてずっと見ていたくなるそんな表現だった。
兎に角、目が良い!に尽きる作品。また、奈良さんのデザイン性やバランスの良さ、うねうねした線の与える印象。やはり作家さんはすごいなと思う。
どうやったらそうなるの?と聞きたくなるような作品、頭の中を覗きたくなる作品には只々見つめることしかできない。
勿論、いろいろなキャプションや言葉が作品を取り囲んでいるが、キャプションに左右されすぎるのも良くないので、作品は作品としてキャプションはキャプションとして心に留めておこう。

ついでに、今回の展覧会で心に残ったキャプションをまとめておこうと思う。

「個室の中の自由に、まるで人のいない大自然の中にいるような開放感を感じている」(隔離中の台南のホテルの中から)


「こんなに遠くにきて
それでももっと遠くへ
遠いとこよりもっと遠くへ
こんな見飽きた景色のないところへ
そこはとてもいいところ?
いやきっといちばん近いところ」



「スライド上映してる小屋の中には入れないで窓越しに見るという、地元の人とそうじゃない人との距離感。小屋の中にはアフガニスタンのじゅうたんが敷かれているんだけど、アフガニスタンの人に招待されないかぎり入っちゃいけないというような距離感を残さないといけないと思った」


「I don’t mind, if you forget me.君が僕を忘れても、構わないよ。 」

@青森県立美術館

今回青森県立美術館にも初めて来た。最初のびっくりは"地下なんだ!"だった。企画展の規模感としては大きくもなく小さくもなくと思うが、展覧会後の感覚として、軽くて見やすいと感じた。作品自体も箱に対して詰め込まれた感はなく、しっかりと空間を楽しみつつ、作品も一つ一つ楽しめる丁度良い塩梅だった。所々に立体作品があり、青森県立美術館の天井の高さを有効的に活かした展示だった。

2024 2/19

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