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自動車メーカー

業界規模

「業界動向サーチ」によると、自動車業界の市場規模は69.6兆円となっており、金融(65.6兆円)や総合商社(53.7兆円)を凌いで業界全体で3位です。(2020/12/18)

ビジネスモデル

自動車業界の特色として
・世界的競争力がある
・この先も需要が続くと見込まれている
ことが挙げられます。自動車業界は市場が大きく、国内外問わず常に激しい争いをしています。ですが自動車業界、鉄鋼業界は、日本のこれまでを支えてきた製造業の実績と技術力が集結された業界群といえ、模倣することは容易ではなく、競争優位性があり、高い利益率を確保できる特長があります。世界シェアを数社で独占していることも多く(特許を持っている企業はそれだけで安定する)、参入障壁が高いため、安定かつ今後の成長も期待できると言えます。

現在の課題・現状

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2050年に実現予定の脱炭素化社会に対応することが課題となる。現在、国内メーカー各社はまだ試行段階で、水素の活用や、高性能の電気自動車の開発を続けている。

将来性・成長性(トレンド)

自動車業界は50年に1度の変革期と言われていて、どの企業も大きく変わろうと必死になっています。主にIT・通信業界の参入が大きな要因と言われています。
それは自動車業界が掲げるCASEに基づいています。
メルセデス・ベンツ社が公表したCASEとは、これからの自動車業界が実現を目指す取り組みを4つに分けたものと言えます。
「C」はモビリティのConnected(ネットワーク化)の頭文字で、スマートフォンと車両が通信し、鍵なしでドアの開閉とエンジンの始動を可能にするパーフェクトリーキーレスも代表的な技術です。
「A」はモビリティのAutonomous(自動運転化)の頭文字で、文字通りに自動車が自動で走行・駐車する技術です。運転手の不用な完全なる自動運転を理想としますが、それだけではなく、理想に至る道程となる運転支援システムなども、この「A」に含まれます。現在のところ普及が進む衝突被害軽減自動ブレーキや全車速追従機能、車線キープのステアリングアシストなどの機能も「自動運転」の入り口と言えます。日本では2017年頃から車載レーダーを使用した自車位置推定技術「Road Signature」の開発を進め、さらに2019年10月から、自動運転用高精度3Dマップに統合可能なマップ用データ作成のため、関東近郊の高速道路でのデータ取得に取り組んでいます。
「S」はモビリティのShared & Services(シェアリング、サービス)の頭文字で、これまでの所有して使うのではなく、必要なときだけ借りる、必要のないときは貸す、という共有するという考え方が主流になってくると思われます。そうすることでコストダウンし、多くの人に利用してもらうことを想定しています。
「E」はモビリティのElectric(電動化)の頭文字で、ハイブリッドや電気自動車の普及を目標としています。これは環境問題対策で、自動車から排出されるCO2を削減する効果も期待されています。

またトヨタが目標としているMaaS(Mobility as a Service)は自動車を生産する会社から移動に関するサービスに特化した企業に変わろうとしていることを意味しています。そのため、AIによる画像認識を用いた自動運転技術や、ビッグデータを利用した交通情報の取得など、大手通信企業のNTTと資本提携したのも、そのためだと考えられています。他の企業でもヤマハ発動機ではモビリティに新たな付加価値として顔認証機能や、ロボットに自走させ目的地に案内してもらう開発にも挑戦しています。

就活生が感じたリアルなメリットデメリット

主観になるのですが、技術系総合職の目線で自動車業界を評価するとメリットは転職がしやすいことにあると思います。部品製造の中小企業から大手自動車メーカーに転職した話をよく聞きます。やはり自動車に関連する企業それぞれに個性があり、その技術を身に付けたエンジニアを採用できるというのはメリットが大きいからだと思っています。ですが反対に悪い例でいうと、「良い技術は買えばよい」となってしまっていて、創設者のものづくりに対する熱意が無い場合もあるようです。(←人と部署によりけり)
また個人差があると思いますが、大企業ほど中部地方や土地が広い場所に集中しています。勤務地にこだわりがある人は妥協する必要があるかもしれません。(IT部門だけ東京、神奈川に設立されている企業もチラホラ)
最後に座談会でお聞きしたエンジニアの方のお話ですが「バイクが好きだったけど、4輪メーカーに就職した。理由はバイクを嫌いになりたくなかったから」
たしかに一理あると思いました。未来のことなので不確定要素を含みますが、揺るがない熱意や自動車に対する想いが強い人でないと、怖くなる気持ちもわかります。ですが完成車メーカーでなくてもサプライヤーなど他の道はたくさんあるので、まずは自分のやりたいことについて企業研究してほしいなと思います。

業界内の分類

完成車メーカーを先頭にメガサプライヤー、サプライヤーとトップダウンの構造になっている。サプライヤーは完成品メーカーの受注内容に応じて必要となる部品のワイヤーハーネス、エンジン、トランスミッションなどを専門的に開発、設計、生産している。

職種と働き方

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営業職、事務職(←僕は疎いです。すみません。)
技術系総合職(開発職、設計職)
技術系総合職採用ということで希望職種に配属されるかどうか不安な学生も多いと思いますが、多くの自動車メーカーがインターンシップでの業務体験で職種別に学生を選考しており、入社後にミスマッチになる新入社員は少ないと思います。また大手企業ほど学校推薦から採用するケースも多く、ジョブマッチング制度を利用して可能な限り配属部署に就くことが可能。学校推薦じゃないにしてもボッシュなどは職種別採用に力を入れていた。

働き方は企業によって異なると思います。特に外資系の日産やボッシュはワークライフバランスを重視した働き方を推進していて、フレックスタイム制度や有給取得率の高さが際立ちます。
またトヨタ系列で働くならばトヨタカレンダーの存在も無視できません。生産効率を一定に保つために、祝日の休暇分をまとめて大型連休に充てるというものです。

キャリアステップ

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大手ほど年功序列の企業が多く、役職が上がりづらい印象があります。しかし、就活系アプリやWeb検索で調べられる平均年収は、工業高校卒の技能職の方も含まれているため、大卒だけに絞った場合、平均年収はもっと高いと思っていいと思います。

代表的な企業

トヨタ自動車(株)、本田技研(株)、マツダ(株)、日産株式会社(株)、ヤマハ発動機(株)
(※ヤマハはトヨタ車のエンジンを作ってたり関係性は結構複雑です。)

(株)アイシン、(株)デンソー、ボッシュ(株)、日立Astemo(株)、ジヤトコ(株)

アイシン・ソフトウェア(株)、デンソーテクノ(株)、(株)トヨタシステムズ

(株)モビテック等々

各社のポジション(業績やシェア率など)

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“自動車産業は広範な関連産業を持ち、日本経済や雇用確保に大きく貢献する根幹産業である”
この言葉通り、日本経済の発展は自動車業界の進歩無くしてあり得ないと考えています。
(引用:理系採用理系学生のための就活情報誌 発行:株式会社サイシード 中村陽二https://sciseed.jp)


その業界を見る後輩へのメッセージ

大手メーカーほどインターン生からも採用が多いです。インターン生として選考に勝ち抜くことも大変ですし、倍率の高い争いを勝ち抜いた学生には他の学生にはない、光る何かを持っていると思います。ですがインターンに参加することが決まって気が緩んではいけません。インターン中にも積極性や協調性、専門的な知識をアピールしましょう。そうすれば所属したい部署のエンジニアや人事部の方に好印象を与えれると思いますし、特別にメンターが付いてくださることもあると思います。
また自動車メーカーの企業の説明会それぞれに会社の色が出ます。完成車メーカーに勤める方は自社製品に誇りや愛着を持っています。通勤手段に自動車を用いる場合は自社製品に限る企業さんもたくさんいました。対してサプライヤーは自分の技術が幅広いモビリティに搭載されてほしいという考えや、自動車自体は好きだけどメーカーにこだわりが無い方も多い印象です。
いろいろな企業があるので、これから自動車業界を見ようと思ってる方は視野を広くして企業研究してほしいと思っています。(特に面接でライバル企業との違いも聞かれやすい)


参考文献、おすすめの引用サイト

理系採用理系学生のための就活情報誌 発行:株式会社サイシード 中村陽二

CASE: https://gazoo.com/column/daily/19/11/18/
トヨタカレンダー: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC

脱炭素: https://newswitch.jp/p/27500


HONDA様、YAMAHA様、モビテック様よりスライドを挿入させていただいております

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