FlingPosse大好きお気持ち表明
FlingPosseがすきだ。気がついたらめちゃくちゃすきになっていた。なぜだ。こんなはずじゃなかった。でも2020/2/26のシブヤから心が帰ってこないというか、あれからずっと彼らのことばかり考えている。
せっかくなのでここらで一度、大好きのお気持ち表明をしてみようと思う。
FlingPosseとの出会い
「いやシブヤディビジョンは無いと思う」
いまはポ女であるオタクの中で、過去にそう言ったことのある者は少なくないらしい(Twitterで見たことがある)そして私もその一人だった。
私が初めて触れたヒプマイは確か「ヒプノシスマイク-Division Battle Anthem-」だったと思う。
キャラ濃!ってかジャイ○ンめちゃくちゃラップ上手いじゃん!とかそんなことを思った。この時点でどのディビジョンが好きだとかそういうのは無くて、ただ勢いがあって楽しそうだなって感じだった。
勧めてくれた大学時代の友人は「お前はこの和服の人(夢野幻太郎)かギャンブラー(有栖川帝統)が好きだと思う」と言っていたが、この時点ではふ〜ん程度にしか思ってなかった。むしろ(ま〜た斉藤壮馬さんか……私はあんまり……)とさえ思っていた。だってほら、見た目からして設定がてんこ盛りすぎなのに、CVは話題の斉藤壮馬さんですよ?濃すぎる。
今まで傾向的に私が落ちるのは、自分のことを凡人だと思い込んでいる努力の天才が多かった。だから全然ピンと来なかった。和服の小説家もギャンブラーも、そしてピンク頭のデザイナーも明らかに凡人には見えなかった。多分、個性的、曲者枠だ。強そうだった。共感も憧れも持てる気がしなかった。見た目も若い子向けにデザインされてそうだし、私向けではないと思っていた。
落ちたキッカケはたったの一言
コンテンツとして楽しそうな匂いがプンプンしたから、まずは各ディビジョンのCDを聞くことにした。CDの発売順をググって、まずはそれぞれのソロ曲とドラマパートから摂取していく。
「Buster Bros!!! Generation」「BAYSIDE M.T.C」「麻天狼-音韻臨床-」「Fling Posse-F.P.S.M-」と、どんどん聞き進めていった。でもこの人が好きかも!という気持ちまでは到達しなかった。みんな曲はかっこいい。しかし好きだと言い切れるほど、キャラクターやチームの特性を読み取ることができないで居たのだ。
「Fling Posse VS 麻天狼」
爆弾はここに潜んでいた。ハマブクロCDを聞いて、チーム曲がバトル内容に直接関係していないことを察した私は、バトル曲の後にドラマパートを先に聞いた。
Drama Track [Just A Friend]を聞き終えて、私はようやくポ女になった。
服装を指摘されて精神がグラついた夢野幻太郎を聞いたときは(いやまぁ、そんな格好してたら突っ込む人間はいるだろうよ)と思っていた。私をシブヤに惹き込んだのはその後の有栖川帝統のセリフだった。
「善意があったら何言ってもいいのかよ? ちげぇだろ!! 人には触れちゃなんねぇモンがあんだよ! 幻太郎のソレがなんなのかわかんねぇけど、ダチを踏みにじられて黙ってられるほど俺は人間ができてねぇぞ!」
たった一言で落ちた。衝撃的なセリフだった。
「善意で言っているのだからきっと相手も喜ぶだろう」そういう思考を感じることは生きていて、まぁある。内容がどうであれ「ありがとう」と受け取るのが大人の対応なのかもしれない。それをこの男は否定した。しかも、それを押し付けられたのは自分じゃない。ついこの前知り合ったチームメイトだ。
それに加えて自分はその事情を知らないときた。触れちゃなんねぇモンと表現するあたり、後から俺には教えてくれという意図さえ感じない。ダチだけど、わからないままでいいと思っているのだ。
そして最後は「俺は人間ができてねぇ」だ。"あなたのため"じゃない、友達が侮辱されて"俺が"イラッときたということだ。あくまで彼は自分のために怒っている。
なんて素敵な人間関係なんだ、と思った。相手も自分も無理のない距離感のまま、秘密を許容しながら、お互いを信用しようとしている。自由でおちゃらけて見える三人組は、見た目からは想像できないくらい丁寧に人間関係を築いているのではないか?と思った。
あなたのために、という考えを向けられることが私は苦手だ。私にとって不快な言葉だとしても有難く受け取らないといけない感じがするから。そんなことは望んでいない余計なお世話だ、と返せば、悪者になるのは私だ。
それから初対面で、出身は?仕事は?彼氏は?と聞いてくる人も好きじゃない。その人に自分のどこまでを見せるかはこれから私が決めたいからだ。あなたに見せたい私の範囲を勝手に踏み越えて来ないでほしい。
だから私はシブヤの人間関係が羨ましかった。憧れた。全てを晒し合わなくても友達にはなれるのだと示された気がした。こうして私はシブヤに落ちた。"好き"と"憧れ"と"希望"をFlingPosseに向けて抱いていた。
Shibuya Marble Texture -PCCS-
ドラマパートでポ女を確信した後に「Shibuya Marble Texture -PCCS-」を聞いた。大好きのおもちゃ箱かと思った。曲調も三人の声のバランスも最高だ。でもやっぱりあのワンフレーズがどこまでも刺さる。
世界はもっと面白いはずじゃない?
その通りだと思った。
私がこの曲を聞いたとき、社会人になって数年が経っていた。世の中の素敵なところも嫌なところもたくさん見えてきたところだった。「もっと○○な世界ならいいのに」と思いつつも(現状を受け入れて対応していく方がスムーズで現実的なんだろう)ということも感じていた。そろそろ諦めるべきなのか?諦めたくはないけれど薄々そんな雰囲気を感じていた。
そこに飴村乱数の声が降ってきた。認められたような気がした。怒っているわけでもない。悲しんでいるわけでもない。ただ当たり前のように飴村乱数は今の世界に満足していないのだと感じた。
このワードに辿り着くまでも大好きだ。『夢色に染めちゃうから近くに来なよ』ということは世界の全てを夢色に染めるつもりは無さそうなのだ。飴村乱数の周りは飴村乱数にとって面白い世界になっていて、そこに遊びにおいでと言われているような気がした。
FlingPosseは"みんな"にとって面白い世界を作る気はないんだろうなと思った。『面白いはずじゃない?』と呼びかけている。面白いの定義が人それぞれ違うことを理解していて、自分の面白い世界は自分で考えてみなよ、と投げられたような感じがした。だって彼らにとって"みんな"は関係ないのだ。冷たいような気もするが、自由な感じがして、私は好きだ。
私のなかでFlingPosseのイメージは『自由を求める者のリーダー』になった。FlingPosseが彼らの周りの世界を彼らにとって面白いように変化させることで、自由の前例が出来る。前例が出来たことで自由への難易度は少し下がるだろうし、自分にもできるかもと勇気がわいてくる。団体を束ねるわけでも、代わりにやってあげるわけでも、誰かのためにやるわけでもない。ただ一つの例として先頭を歩いている、そんな存在に思えた。
我らFling Posseがご招待
まずお手を拝借!ほら 1,2,3
同じPOSSEなら言えよYeah!
手と目線上げて3,2,1
音上げず声上げてアーイ!
once again次はCantare! 叫べHo!
リズムの合間で また逢う日まで
着いてきたければ着いてくればいい。会える機会があったらまた会おうね。強制力のないその姿勢が私にとってはちょうどよくて、優しい感じがした。
マリオネットの孤独と涙と希望と
すごく緊張しながら聞いたドラマパートだった。視聴の時点で不穏の匂わせしかなかったから、どうなってしまうのかとハラハラしっぱなしだった。
結果として非常によかった。FlingPosseの関係性は変わったのかもしれないが、私は相変わらず彼らが好きだ。
今までのFlingPosseは「お互い秘密を持ったまま」「戦わなきゃいけない何か」に備えて、それぞれが動いていた。三人が一緒の時は、秘密にも目的にもあまり触れずに居たのではないだろうか。
今回のドラマパートでその関係にヒビが入る。飴村乱数の秘密の一部を二人は目撃してしまう。病院にも行かないと言い張る乱数に、幻太郎は「話してくれませんか?」と切り出した。こんな時でも相手の了承なしには踏み込まないのが"らしい"と思った。「何を聞かずに帰ってくれないか」という乱数の意思もその場は受け止める。その後、戻ってくる幻太郎と帝統がすごく染みる。これも乱数のためというより、二人とも自分が納得いかないから行動した、という感じがした。最高だった。
「仲間じゃない!」と手を振り払っても二人は勝手についてくる。それが本心でないことに気が付いているからだろうか?「自分は乱数のことを仲間だと思っている」と手を伸ばすことをやめない。相手が求めていないなら彼らはきっと押し付けない。ここで引き下がらないところにFlingPosseの信頼関係を感じた。
33:33。ここから何回も繰り返して聞いている。本当に好き。帝統と幻太郎は先頭を切るけど、乱数も戦う。守るんじゃなくて一緒に戦う。これだからこの三人が好きなんだ。
思わぬタイミングで乱数の秘密を知ってしまったわけだが、その後、幻太郎は秘密の共有をしようかと言った。真面目だ。乱数の秘密だけ知っているのはフェアじゃないということなんだろうか?いちいち前置きを入れるところが三人らしいと思う。いきなり話を始めない。聞く意志があるか確認する。結局、先延ばしになるところも面白い。こうやって本人たちのコミュニケーションによって、どこまで踏み込むかのルールが決まる。FlingPosseはこれからも変化していくんだろうと感じた。でもこの考え方で進んでいくなら、きっと私は彼らを好きなままでいられる気がした。
FlingPosseの「秘密を持ったままでも仲間でいられるところ」が好きだと思っていた。でもこのドラマパートを聞いて「相手が見せたい姿を尊重し距離感のすり合わせをしながら仲間でいられるところ」が好きだったのかもしれないと思った。本人が話してもいいと思ったなら、それでいい。思わぬ形でその時が来ることになってしまっても、出来るだけ相手の自分たちに見せたい姿を尊重する。そういう距離感がかっこよくて、好きだと思う。
飴村乱数が自由なように見えて全然自由でなかったことは、少しショックだった。カリスマだと勝手に思い込んでいたところもあったから。でも面白くない世界で足掻く姿も魅力的だった。自由をまだ手にできていなくても飴村乱数は、FlingPosseはかっこいい。最終的にヤケクソになっても理想を諦めないからかっこいい。彼らが戦うなら私だって戦ってみたくなる。
現実を理解していても理想を忘れない、諦めない。大人だからこそ夢を見る。これは結構難しいことだと思う。それが出来ることを私は強さだと感じた。人生は意味じゃなくて願望。そういうところが大好きだ。
君たちの考えるハッピーエンドが見てみたい
私はFlingPosseが大好きなんだけど「ポッセ幸せになって!」とか「次のバトルは勝たす!」とかを考えるたび思考がバグる。私には彼らにとって何が幸せなのか、現時点ではわからないからだ。
「幸せになって」という言葉が頭に浮かぶたび(それはつまりどういうこと?乱数の身体がよくなって三人で笑っていたらいいってこと?彼らはそれを望んでいるのか?もしかしたら命を落としてでもやり遂げたい何かがあったりするのか?幸せとは……何だ?)と哲学のようなことを言い出すことになる。
「次のバトルは勝たす!」とやる気になるたび(三人の力で勝たないと意味がないのでは?オタクが金を積んでもFlingPosseの皆さんは用意された王座に何を感じるんだろうか?ファンたちから希望、のようなものを押し付けられたと感じないだろうか?重くないだろうか?FlingPosseさんはそんなこと考えないか……考えすぎか……でも彼らも人間だし……一方的に押し付けるのは……)と何ともまぁ面倒なことを考えてしまうのだ。
最近ようやく気がついたのだが、私はどうやらFlingPosseとコミュニケーションを取ろうとしているらしい。FlingPosseがファンに求めているものだけ贈りたい。推されたいように推したい。そこに過不足はない方がいい。求められても無いものを押し付けたくないし、求めているなら贈りたい。……怖い。彼らはたかがキャラクター。FlingPosseは三次元に向かって語りかけてこないし、私はH歴に存在しない。コミュニケーションなんて取れるわけない。彼らの求めるものなんて教えてもらえないに決まってる。まじで怖いなと思う。
だから今はFlingPosseの考えるハッピーエンドがみたいなあと思っている。三人が『面白い』と感じる世界を見てみたい。私にとって面白いかどうかはわからない。でも、大好きな人たちが面白いと感じた世界だ。気になる。彼らが考慮したい要素だけ考慮して進んでいってほしい。たとえどんな世界だろうと、三人が満足していたら、私は嬉しい。そんな展開が見たい。
問題はまだまだ山積みだ。秘密を明らかになったのは一人だけ。残り二人も多分すごいことを抱えている。
それでも私はあまり不安に思っていない。世の中のスタンダードに当て嵌めるのではなく、相手にとってベストな行動は何か?を考えて、時には言葉で確認しながら人間関係を築ける彼らなら、きっと彼らなりの答えを見つけるだろう。
彼らなりの答えによってはオタクはうっかり死ぬかもしれないが、それもまた一興。三人が納得しているのであればそれでいい。
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