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人を愛するということがわからなかった30代前半

一般大学からデザイナーになるのが一般的ではなかった時代に、デザインの専門学校に通ってIT企業でデザイナーになった私は、それだけでだいぶ自分の人生が前に進んだように思えていたし、それなりに自信もあった。
けど、なぜかIT大企業の生活に染まれなくて、アイデンティティクライシスに陥っていた20代を過ごしていた話を前回書きました。

そんな私も、29歳同僚と結婚することに。
29歳という年齢が当時の自分にとってはとても重くのしかかっていたし、出産のことも考えると結婚適齢期と思っていました。会社の先輩だった元夫は人間的にもとてもユニークで愛らしい人だった。4年くらい同じ仕事をして安心していたのもあり、付き合ってすぐ結婚をすることを決めました。

ですが結婚生活は予想以上に自分を苦しめました。
人を愛するということがどういうことか、自分の中で整理がついていなかったんですね。好きなら好き、それだけでいいと思っていたけど、結婚生活はそれだけではない大きな課題を私に突きつけました。

相手の家族と生活すること、お金の問題や、子供のこと(性生活)、病気の家族の看護、自分のキャリア、相手のキャリア、健康問題、全てが常に降りかかってきました。
お互いにまだ精神的に若すぎて、言葉でうまくコミュニケーションが取れなくて、すれ違いばかりで、いよいよ一緒にいることが難しくなり、3年後離婚を決めました。

これ以降、人を愛するということに迷子になった私は、誰かと付き合うことが怖くなったり、一緒にいることを避けるようになりました。
パートナーシップを築いてもまた悪くなるに違いないという思い込みにとらわれるようになったんですね。
時には、人に一方的に深く依存する時もあり、それはそれで自分と相手を苦しめる結果になったこともありました。

とにかく人を愛するということがわからなかった。どうしたら愛していることになるのか、大切にできているということになるのか。

でも事実は常に目の前にありました。私は私自身を愛することができていないと気づいたことが、この長く暗いトンネルから出るための糸口になりました。

誰かと深く分かりあいたかったのに、そうできなかった幼少期。そんな寂しい自分をずっと抱えていたことにあるとき気づきました。一生懸命相手に好かれる自分でいるために、頑張っていたことさえ、いつの間にか忘れていました。

私は私をずっと見守って、関心を持って大事にすると決めたその日から、愛することが少しずつわかるようになりました。

愛することは理解することから
なので今のパートナーがバツ2でも、驚きさえあれど嫌な気持ちを抱くことはありませんでした。むしろ伝えてくれたことが嬉しかったし、お互いの今までのヒストリーや思いを話し合えて、理解しあえたことが、今の大事なパートナーシップにつながっていると思います。

とはいえまだ揺れ動く時はあるし、万事問題なしとはならない。それでもそのことに気づけたのは大きな一歩です。

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