「嫌い」を忘れないで、「好き」に向かう
自分の感情に敏感になったからか、「あ、私これ嫌なんだ」とか、「苦手なんだ」という自分のゆらぎによく気づくようになった。
自分で完結できる、食べ物や服装なんかのことではなくて、仕事や対人関係において起こる事柄について。
何言ってんだ自分のことだから当たり前だろうという感じだけれど、対人関係や仕事において、嫌いや苦手という気持ちを持つことは悪いことだと思うところがあり、「まぁ我慢して頑張れば良いか〜」を自然と続けてきてしまっていた。
だから、私にとっては嫌いや苦手の気持ちを持たないようにすることが当たり前。
嫌いや苦手は私のわがままで、外に向けてはいけない感情で、自分で克服しないといけないんだと思っていたし、何でも寛容に受け止められることが美徳なんだと思っていた。
嫌いや苦手を感じないようにするようになって、感情が麻痺してしまっていた。
何も嫌いじゃないけど、何も好きじゃないし、何もやりたくない。仕事や人間関係において、自分から「どうしたい」が湧いていなかった。何でも良い。どうせ合わせるから。
あぁ、ここ数年の虚無感の中には、こういう面も含まれていたのかな〜とぼんやり思う。
嫌いや苦手の気持ちって、別に悪いだけではないし、消すために消耗し続けなくても良い。嫌いだし、苦手だから、手放したり、誰かに頼ったり、代わりに「好き」を頑張っても良かった。
何で好きじゃなくて、嫌いや苦手を大事に大事に握り続けてしまったんだろうか……。そのせいで「好き」もわからなくなってしまっていた。
私、何でも良くて、何でも受け止められて、何でもできる、そんな聖人みたいな人間じゃないや。もっと嫌いや苦手に自覚的になって、「好き」に力を使いたい。
気がついたらまたこれまでみたいに、嫌いや苦手はだめだから我慢しよう〜と流されてしまいそうだから、「嫌い」に気づいた私を、私が忘れない。
これからはもっと「好き」に向かいたいなぁ。