白馬買付 写真撮影の謎
日本ベッドの創業者、宇佐見竹治は、創業前年の1925(大正14)年、英国で秩父宮殿下の白馬買付に随行しました。
こちらはそのとき撮影された写真です。
白馬買付随行者の集合写真は、幅120cm近い大きなもの。
貴重な写真なのですが、当時、どこで、どのように撮影されたのか、はっきりしたことはわかっていません。
撮影方法の謎
写真右下には、日本の方らしき撮影者名が記されています。
Photo by K. Imai, 83, Ebury Street, London, S.W 1
写真の発見当初は、大きく撮影したものを焼きつけてから横長に切ったのでは、などとも解釈されました。
ところが背景をよく見ると、一度で撮影したにしては光の加減や建物の具合に、どこかしら不自然に思われるところがあるようです。
いろいろな方に伺って、いくつか方法があったと教えていただきました。
当時はこうした写真用に決まった撮影場所があって、カメラは回転出来る装置に固定。撮影者を中心に、右、左、中央と、何回かに分けて撮ってつないだのだ、という説。
あるいは、その頃大人数の集合写真はよく撮られたので、こうした撮影に特化した機能のカメラがちゃんとあった。そのカメラならば人数が多くてもいっぺんに撮影出来たのだ、という説。
結局、確かな答は得られませんでした。
撮影場所の謎
撮影方法に加えて、撮影場所も不明。
写真中央下には
THE GARDEN PARTY IN HONOUR OF H.I.H. THE PRINCE CHICHIBU,
ROYAL BOTANICAL GARDENS, LONDON, AUGUST 8th, 1925.
とあって、イギリスの王立植物園で撮影されたことがわかります。
撮影場所についても当初は、ロンドンのキューガーデン(Royal Botanic Gardens, Kew)と伝えられていましたが、辿っていくとどうやらこれも怪しい。
温室と四阿らしきものの配置が、キューガーデンに残る資料では確認出来なかったそうです。
その後、英国の主立った植物園を候補にいろいろと調べましたが、定かなことはわかっていません。
貴重な写真ですが、まさに「謎多き一枚」。
もしどなたか、見当のつかれる方がいらっしゃいましたら、コメントなどお寄せいただけたら嬉しいです。