ウエダアオイさんのココアシガレットについて語りたい
ココアシガレットとシガーチョコって紛らわしいですね。子供の頃以来四十年近く食べてませんでしたけど、ウエダアオイさんのココアシガレットという曲を毎日鬼リピしていたら、久しぶりに買いたくなって食べました。固めのラムネにココアの風味とミントの香りで、煙草を吸う大人の真似をする子供の為の駄菓子として、甘いチョコとは違う煙たさをミントでちょっと表現しているのかも知れませんね。最近は禁煙グッズとして人気のようで、「オリオン株式会社はあなたの禁煙を応援します」って蓋に書かれてます。
こちらがウエダアオイさんのココアシガレットのSpotify音源と、You Tubeでの室内弾き語り動画です。You Tubeミュージックにもありますよ!
2020年のミニアルバム「20」に収録されていますので今更過ぎるとは思いますが、最近ガッツリハマって歌いたくて繰り返し聴くうちに
恋愛短編小説か映画のような味わい深い物語
として楽しめたので語らせて下さい。
まずは歌唱について、イントロが無く囁きのような小声の出だしから、魅力的な低音と綺麗な裏声高音の繰り返しで、案外ファルセットが多用されていて、同じように歌うのはかなり難しい曲になっています。流石ですね。
それにしてもtoybeeといいウエダアオイさんといい、ボイトレの方法論が昔より確立されているのか、世の歌手の方々のレベルがめちゃ上がってませんか?元々音大出の遊佐さん聴いて歌ってた頃はレベル違い過ぎて端から歌唱の再現は諦めてましたが、他の歌手やバンドの曲は主にミドルボイスの範囲でちょっと裏声使うぐらいで当時は歌えてたのに、toybeeもウエダアオイさんもサビが高音でまるまる歌えないので1オクターブ下じゃないとついて行けません。高音出るように声帯を狭める練習中ですが先はかなり長いです。急に寒くなって喉も厳しい気候になりましたしね…。
話は戻って次はココアシガレットの歌詞について書き出してみます。耳で聞いて書き出してみたので間違っていたらすみません。著作権的にまずかったら、申し出を受け次第削除します。
ポッと煙草に火を点ける隣で カリッとココアシガレットを噛む
お揃いだねって笑う僕を見て 「何言ってんの」って 呆れる君
(間奏)
いつもの君の特等席 喫煙所右奥から二番目
その隣にいつもお似合いなのは 雪駄がよく似合うあの子
正直嫌煙家って部類です でも犬猿の仲にはなりたくない
それに何故か君の香りは心地が良い
煙草の煙を呑んでみた 咳き込んで涙が出てきちゃった
一緒に食べたいなって 僕も好きになりたかった
こんな物は止めときなって 君は僕を止めるけど
一緒に食べたいと思っちゃうんだよな
せめてひと目だけでも同じになろうと思ったから
バカバカしいけど三十円の駄菓子で似せてみた
(間奏ギターソロ)
煙草の煙が苦手な僕にフッと息を吹きかける
顔をしかめる僕を見て嬉しそうに君は笑う
顔に吹きかける煙の意味も君は何も知らないんでしょ
バカ バカ バカ バカ!
(間奏)
こんな物は止めときなって君が僕を止めるけど
一緒に食べたいと思っちゃうんだよな
せめてひと目だけでも同じになろうと思ったから
バカバカしいけど三十円の駄菓子で似せてみた
はい名曲です。
最初に聴いた印象で、喫煙所のあの人が気になるけど隣にお似合いのあの子も居て、最初から負け確の負けヒロインの片思い歌として切なく聴いていました。ココアシガレットの大人への憧れコンセプトのままに、喫煙所のあの人と近づきたいけど平行線という関係性、印象的なバカの使い方、報われないけと良い思い出とでも言いますか、新社会人ぐらいの青春感がありますね。
そして聴き込むうちに別解釈も出てきたので、そちらも語らせて下さい。
イントロは寒い時期に喫煙所に二人で座ってる印象、おっちゃんとか大勢居る雰囲気では無い、今現在の風景から始まると感じます。
間奏から出会いの頃に溯って、喫煙所のあの人が気になるけど隣にお似合いのあの子が既に居て、僕もお近づきになりたいとココアシガレットで似せてみます。健気ですね…。
そして凄く長いギターソロ。キラキラした切ない旋律から、途中で低音の効いた流れに変わります。ここで時の流れの長さが現れていて、1年ぐらいは過ぎたのかな?喫煙所で二人で過ごすようになっています。顔に息を吹きかける君に対して、私の気持ちも知らないんでしょバカバカ…と切ない想いを抱えていますが、隣のよく似合うあの子より親密になってますよね。片思いの最中って相手の言動が良くも悪くも両方の解釈が交互に回って正解がわからないので、それ故にストーカーになってしまったりもするんですけど…。この光景はもう脈有りで、気持ちも知らないバカは僕自身でも有るんじゃないでしょうか?!
ココアシガレットは最初のコンセプトは煙草への子供の憧れでしたけど、今は禁煙応援商品になっています。喫煙所のあの人への憧れから、嫌煙家の僕と共に歩むこれからの二人を示唆していると思うと、負けヒロインの片思いじゃなくて、恋の始まりの切なくも輝く季節の歌と今は思っています。
聴くときの境遇によって好きに解釈出来る深いストーリー仕立ての歌詞の歌ですね。「空」はウエダアオイさん自身を赤裸々に剝き出しに叩きつけてきて素晴らしいですが、ココアシガレットは一転して味わい深い創作のちからを見せてくれました。
駄文長文失礼しました。