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ウエダアオイさんの「おーべいべ」について語りたい

今一番好きな曲(2024年2月16日現在)、ウエダアオイさんの「おーべいべ」について語りたいと思います。「面倒くさいわ、ごちゃごちゃ言うてくんなよ!」という気持ちを代弁してれるような曲だと思っています。

この「おーべいべ」は音源化されてませんし、ミュージックビデオもリリックビデオも単独の弾き語り動画も、全編の切り抜き動画もありません(部分切り抜きはTikTokにあります)。ウエダアオイさんのYou Tubeライブで最近よく歌われている人気曲でリクエストも「RPG」と並んで多い気がします。実際のライブのセットリストにも入っていて、御本人も2023年の代表曲と仰っていました。
歌詞、演奏、メロディーどれも良くて、ギター奏法は新しく習得された技法が取り込まれているので進化の途上なんだと思います。音源化すると一旦区切りになるので、レコーディング本番まで何処まで高まるのか楽しみでもあります。

タイトルについて
まずタイトルの意味を考えると、誰かに自分の気持ちを呼びかけている歌になります。そしてフィクションの物語じゃなくて自分の気持ちを歌にしたタイプの方の曲だと思います。
曲名は「Oh babyじゃなくて平仮名でおーべいべ」と御本人の念押しもありますか、平仮名なのはカッコつけたり考えたりもせず、等身大の素の自分を歌っているから英語じゃなくて平仮名なんだと思います。

演奏について
ストロークにスラム奏法?叩く奴が取り入れらてるのが基本でずっと流れつつ、細かいリフや要所でめちゃ長いスライド、ハーモニクスが入ったりと、「ギターで自由に遊びたい」という年始の抱負が思い起こされるノリの良いフレーズ満載の曲ですね!初心者教則本を復習中の僕には天界の奏法満載とも言えます。

歌詞について語りたい(本題)
特に歌詞にどっぷりハマったのは2023年末の大晦日ライブ配信で、↓こちらの動画1時間22分から

【大反省会】1年間何やらかしたか振り返ろうぜ
https://www.youtube.com/live/coQbBzN7OmQ?si=RksVQqxg7TmsIP0A

「最後 私が音楽で最強に悩んだ夏に 大人ってめんどくさいな 私は好き勝手に音楽をしたいだけなのにな って気持ちを込めた歌を歌おうと思います」
という前口上を聞いてから歌詞がズバッと刺さってしっくり来たのが大きいです。

「おーべいべ」作詞作曲ウエダアオイさん
歌詞を聴き書きしてみました。たぶん間違ってる所が有りますが御容赦下さい。

おーべいべ 変わらない毎日 心臓も跳ねない晴れの日
マイルールの賞味の期限に 焦って揺らぐ情けない日々に
9%の強めの慰めと 咳込んで吸い込む煙の
狭いキッチンに溜息を吐く
おーべいべ 二人三脚は苦手だった
おーべいべ 下衆な心と夜を歌いたかった
おーべいべ お気に入りの首輪も捨てたくなかった
好きなステージで歌いたかった
(間奏)
おーべいべ 燻ぶる日曜日 心臓も晴れないアイロニー
慣れない活字にらめっこして 大袈裟にビクビク震えて
スーツよりスウェットが良かった キマった夜も過ごしてみたかった
これ以上は言うのをやめておこう
(間奏)
綺麗な言葉嫌いだ ヘドロみたいな歌が好きだ
綺麗な言葉嫌いだ 太陽より曇った雲が好きだ
綺麗な言葉嫌いだ 欲望に溺れた夜が大好きだ
こんな僕は嫌われちゃうかな
おーべいべ 二人三脚は苦手だった
おーべいべ 下衆な心と夜を歌いたかった
おーべいべ お気に入りの首輪も捨てたくなかった
おーべいべ 二人三脚は苦手だった
おーべいべ 下衆な心と夜を歌いたかった
おーべいべ お気に入りの首輪も捨てたくなかった
好きなステージで歌いたかった

それでは、歌詞について見ていきたいと思います。
変化のない日常に苛立つ所から始まります。マイルールの賞味期限に焦るのは、人生計画だとこの年齢だったらこれぐらいになってるという心づもりとのギャップですね。Z世代とかコロナ禍での世間の凍結が有りましたし、ウエダアオイさんもプロのシンガーソングライターとして思ったような活動の伸びが無かったんだと思います。解散や引退よりは全然活躍されてますし、動画で観たところ格段に上手くなってるしライブ活動も関西と東京と、精力的で2023年はいい年だったと客観的には思えるのですが、新譜CDどころか動画配信でのMVすら出てない状況が御本人には物足りないのでしょう。この焦りとギャップ感は氷河期世代のオッサンにも実感されます。
9%の慰めは皆大好きストゼロですね。年始のライブ配信見返してたらお正月らしいことで昼間からストゼロ決めてたと語られてて親近感増し増しです。既婚者故に僕は出来てないですけど、出来るもんならやりたい過ごし方です。
サビの「二人三脚は苦手だった」は、前口上から推測するに、音楽活動をする上で事務所の社長かマネージャーに「二人三脚でやっていこう」と言われながら小言を言われたか企画案をストップされたかじゃないかと思います。「下衆な心と夜を歌いたかった」「お気に入りの首輪も捨てたくなかった」も、歌の内容を綺麗にとか、首輪のようなビジュアルの方向性についても売れるようにウケるようにというアドバイスが有ったんじゃないかと思います。
Dメロ部分の「綺麗な言葉嫌いだ」からのドロドロ描写とか最高ですね。好きなもの歌いたいものを曲げたくない意思全開で、「こんな僕は嫌われちゃうかな」。万人受けしなくても刺さる人には刺さるので貫いて行って欲しいです。歌詞も曲も綺麗で明るい歌が好きなうちの奥様には勧められませんが、好きな人は絶対に一定数居るはずなので。
言う事を聞かない歌手が事務所批判っぽい歌を作って…って心配になる状況ですが、ライブはいっぱい組まれてるし東京の往復も新幹線になったということで問題無いと思います。音源出てないので「ライブしたいんやったら組んだるけど後はもう好きにせいや!」とか言われてる気もしますが…。
仕事してると上司の指示や会社の方針が現場の状況や自分のやりたい方向と違う事なんてしょっちゅうなので、色々ごちゃごちゃ口出されるのを跳ね除けるような、この「おーべいべ」が今まさに好きなんだと思います。
自分の境遇や過去を嘆くような歌はよくありますが、他人の口出しを「うるせぇな!」って曲は案外少ない?いやロックの王道かも。ポップスでは無いですね。

個人競技と団体競技、シンガーソングライターとバンド
僕はバンドもシンガーソングライターの曲も意識せずに聴いて来ましたが、どっちかというとシンガーソングライターの方が多くてバンドには詳しく無い方です。
個人競技の気質と団体競技の気質っていうのが有る気がして、中学高校大学とずっと柔道部だったから気にしてるのかも知れませんが、本当に団体競技の部活はやれる気がしなかったですね。団体戦は有るし仲間意識もチームへの想いも有りますけど、試合中は自分だけの物で、個人競技でもブラジリアン柔術の試合での五月蝿いコーチングとかたぶん耐えられないです。趣味の弾き語りも周りに同じ趣味の人が居なかったからですけど、周りでバンドやっててもたぶん一人で弾き語りしてたと思います。
バンドの素晴らしさは、アジカンのDVDのコメンタリー好きだったとか、toybeeの関係性やラジオも好きなので、客観的には好きなんですけど自分自身は無理なものは無理。時々よく結婚してるなと自分でも思いますし奥様から叱責される事も有りますけど、心根が個人主義なんだと思います。
バンドは補い合いやメンバーの演奏それぞれ素晴らしい聴きどころが多いんですが、シンガーソングライターはやっぱり歌や演奏もですけど、滲み出るエゴとか芯の強さが魅力だと思います。バンドのフロントマン(主にボーカル)も魅力的ですけど、バンドだとメンバーへの介入と受容があり、シンガーソングライターだったらそこまで言わないし言われたら解散脱退だと思います。
河島英五さんから遊佐未森さんというシンガーソングライターのファンとして、昔は単なる運とか事務所の売り方とかと思っていたんですけど、たぶん根本的に気性が違う人がシンガーソングライターに混ざってる気がします。新しく見つけたウエダアオイさんは正にそれ!だったと思い至りました。

苦境と名曲
それにしても「空」の時も音楽って難しいなもう出来ないなってぐらい悩んでたという話があったりと思いますので、深く悩めば悩むほど名曲が出来るんだったら、ウエダアオイさんにはずっと深く悩んで欲しいという気持ち(アオ虐)と、推しに幸せになってほしいという相反する気持ちの板挟みに…いやいや。
この歳まで生きた経験から、何歳になっても境遇が良くても悪くてもめっちゃ悩む人は悩む、という事が分かってしまっているので、いつまでも名曲が生み出されると思って心配もしなくて見守って応援出来ます。
シンガーソングライターやバンドの心配は引退や解散と、方向性が変わり過ぎてついていけなくなる事ですが、ウエダアオイさんはバンドじゃないので解散だけは心配しなくて大丈夫で、あとは売れればついていくだけですね!
方向性の変化は長く続くと色々ありますが、プロデュースの方針で不本意な音楽活動だったり、結婚を期にめっちゃ変わったり引退や活動休止したりも過去に聴いてた歌手の方々では確かに有りました。ウエダアオイさんの場合は好きな曲を作って歌って、好きなステージで歌って…という意思が特に強いという様子が発言の端々に表れてますので、変節の心配もたぶん無いはずです。
地方民かつ小遣い激少貧民なのでライブも有料配信も追えなくて非常に申し訳ないですけど、気持ちだけは昂ぶって応援し続けたいです。

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