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ウエダアオイさん「空」の歌詞について語りたい

シンガーソングライター、ウエダアオイさんの「空」の歌詞について、どハマリしてしまったので僕個人的の主観で語ります。
今年になって存在を知って、最近になって深くハマりつつあります。

この「空」はSpotifyにて2020年のアルバムに収録されていますので、元々のファンの方からしたら今更過ぎるでしょうけど

https://open.spotify.com/track/3CxhHLt6InwKfaW5XUhSwB?si=Dzqdo7VvQnixVEZ1mhuXGQ

Spotifyは月間リスナー6人で辛いです。Spotifyだけで追ってると活動休止かな?と思われてるかもしれませんが、2020年にミニアルバム出されて、コロナ禍突入で本格的なアーティスト停滞…という様子が伺えます。この頃にメジャーデビューした某バンドも解散してますしね…。
You Tubeで見ていると、ウォーアイニー、くちびる、知らんぷり、しんじゅく、等とアルバム後のPV(リリックビデオ)が有って活動頑張られてます!
上記新曲のうち、うぉーあいにーは報われない片思いの曲、くちびる、知らんぷりは失恋歌、しんじゅくは人生の歌?で、こんな若い女子の思いに重ねる人生経験も無いのに何故かと振り返って自問してみたら、僕自身が思春期の頃に10年程の拗らせた片思いしてたので惹かれるんじゃないかと思いました。
高校の頃から30年継続してファンとして血肉…宗教とも言える存在の遊佐さんも、最初にハマったのはリシウス、暮れてゆく空は、雪溶けの前に、夏草の線路…等の曲からでした。

そして今回主題の「空」は拗らせた報われない片思い曲、ではなくて…人生?世間への鬱屈?なんとも簡潔に言えないからこそ、色々な解釈で永く深く味わえる名曲の予感がします。

長ったらしくまとめると「コンプレックスと世間への鬱屈、歌への渇望と滲み出る優しさ」とでも言いますか…。自己肯定感の低さと世間への不信と鬱屈に共感してしまいますし、歌詞の端々に優しさが滲み出ていて救われます。

https://youtu.be/nrixWPksi5o?si=a6wxiyCDXytJvhVC

特に「空」に引き込まれたのはこちらのYou Tubeのライブ映像になります。独りでのアコギ弾き語りで、絞り出される叫びと剥き出しの感情、最高にカッコイイステージだったと思います。拍手は少なかったみたいですが…。まずアコギの弾き語りでありますが細かく見ると全て一般的なところから外れています。レフティー、ナイロン弦、指弾き、サウンドホールは特殊穴のギター、きれいな高音でもなく若い女子でも可愛さを売りにしていない(じゅうぶんカッコかわいい方ですがアイドル路線じゃないです)。やっぱり最高にカッコイイです。You Tubeタイトルで【毛量おおめ】とあるのは関西人としての面白み追加とも照れ隠しとも言えます。

弾き語りのスタイルを技術的に革新したと言われる山崎まさよし氏や、その後数多現れる弾き語りのシンガーソングライター達。それなりに聴いてきましたが、人生を預ける程僕に深く刺さりはしなかったです。まさよしさんは世間一般的には十分ファンレベルでしょうけど、僕の中ではまだ浅いです。アナム&マキは解散しました。福山市で弾き語りを観て応援していた森恵さんはTVで路線変更して売れてから、元の路線に戻られてるようですが僕の人生にはクロスしませんでした。
この「空」を観て感じたのは故・河島英五さん。バザールで絶叫し、何かいいこと無いかなで弦を切りまくりながら大声で歌い続け、旅的途上で酒と旅情の寂寥を歌ったフォーク歌手です。河島英五さんは著書で「プロの歌手で大事なのは歌詞。メロディーはバッハの頃から有限で、技術はあとからでも上達する。歌詞こそオリジナリティーの根幹」みたいな事を言われていました。ずっと心に留めながら色々鑑賞していましたがそこまでドンピシャになることも無く長年過ごしてきましたが、ウエダアオイさんを観てまさに生々しく実感しています。

長ったらしくて誰も読んでない前置きから、ようやく主題の歌詞について語っていきます。
※歌詞は公式に公開されていません。耳で聞いて書きました。著作者から申し出がありましたら下記歌詞は速やかに削除します。

空っぽの僕しか書けないや たいして面白くもないからさ
お腹いっぱいあったよな 風呂で汗と一緒に流れたか

脳みそは何で出来てんだろう
君と僕と私と 明日食べたいご飯と
ちょっと恥ずかしいけど えっちな事が詰まってる
歌は僕の日記なんだ
雲の上の歌を聴いて 刺さる文を書きたい
書けない 書かない いい加減わかれよ
なんだかドロドロしたこの世界で
誰かが笑っちゃうような歌を歌いたい
僕以外皆敵のようなこの世界で
あなただけは忘れない歌を歌いたい

承認欲求満たされて ハートと矢印だけが僕のグラフだ
成長努力成果も何にも目に見えない 満たされない
わかりたくない
三分の一は画面の中 コンタクトが貼り付いた
布団の上で歌を書いた 黒くなった手のひら
汚い 聞けない 誰か聴いてよ
周りなんて何にも見えないこの世界で
あなただけは忘れない歌を歌いたい

あぁ 空になりたいな あぁ 広くなりたいよ
あぁ 何も無くなった 空っぽだ

なんだかドロドロしたこの世界は
誰かが泣いていようと見向きもしない
周りなんて何も見えないこの世界は………

なんだかドロドロしたこの世界で
誰かが笑っちゃうよな歌を歌いたい
僕以外皆敵のようなこの世界で
あなただけは忘れない歌を歌いたいな

まず、空についてではなく空っぽの「空」から始まります。ウエダアオイさんの歌詞は基本的に僕の一人称で展開されますが、聞き手に対して一般化されることもなく、赤裸々で心配になるぐらい生々しくゴミ清掃員とライブハウスアルバイトのシンガーソングライターとしての心情しか無くて、それなのに心に迫ってくるのは、やっぱり心臓を取り出したような剥き出しの歌詞の世界に引き込まれるからでしょうか。
自分の無価値さを述べるのに「面白くもない」というのは、賢さや美男美女より面白さが最高のパラメーターである関西人らしさが出ていると思います。
脳みそパラメーターの話の後に「君と僕と私と」とあるのがまさに一般的ではなくて、作詞の時に自分の中に存在する僕と本来の私と、君で構成されています。君はファン達とも想い人とも解釈が自由だと思います。その後の、明日食べたいご飯というのが歌の世界が深夜というのが顕れていますね。昼間に聴いてると夜ご飯は?と思いますが、他にも布団の上で歌を書いたりしてるので、やっぱり舞台は深夜の布団です。
歌詞が当たり前の事しか無いと引っかからない平凡な歌になるので最大のフックとなるのが、えっちな事が詰まってる、の所ですね。赤裸々感とちょっと雰囲気の軟化の効果もあると思います。シリアス一辺倒に成りかねないところでした。
その後の 刺さる文を書きたい、書けない、書かない、の所ですが、普通だったら書かない⇒書けないの順で原因究明的な流れになりそうな所を逆に最後に書かないを持ってきてる所に優しさを感じます。結論が書けないだと、才能終わっててどう仕様もないですけど、書かないが最後に来ると、サボりというか日常に忙殺されて動き出せない自分自身であるということになり、まだ救いがあります。
そしてサビ「ドロドロしたこの世界」「僕以外皆敵」という世間の認識は50歳近くなっても共感出来る駄目人間には刺さりますね…。若い頃は全然有りですよ!純粋さも感じます。そしてこれだけネガディブコンプレックスに満ちていても、貴方に歌をとどけたいというのがシンガーソングライターとしての溢れる想いが感じられて良いですね!
Dメロで空について語っています。空になりたい広くなりたいと願うも、結局自分は空っぽだというのはしんどいですけど、若さゆえどころか歳を重ねても同じというのが人の業ですね…。
歌詞の構成であと絶対語りたいのが、Dメロあとの「この世界は」で世間そのものに対して絶望、批判を述べかけるところです。この箇所の最後は「この世界は……」で言葉を止めてギターだけになっています。ここが世間への絶望と結論付けずに希望を見出したい優しさを感じるポイントになりますね!

今のところ「空」「ココアシガレット」とコード譜を作ってみましたが、シンプルなコード進行の繰り返しなのにメロディーが激情激重で、天才だな!と思いました。

遠隔地且つド貧民なので、サブスク回すぐらいしか出来ていませんが、いつまでも応援して追っていきたいシンガーソングライター、ウエダアオイさんについての語ってみました。
駄文失礼しました。

※訂正
新曲が全部片思いの曲みたいに勢いで書いてしまいましたが、失恋歌だったので修正しています。

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