ウエダアオイさんの「おーべいべ【acoustic ver.】」PVについて語りたい
YouTubeにウエダアオイさんの「おーべいべ」の弾き語りVer.がアップされました。「何者」に続いての2曲目になりますが、本格的な編曲アレンジ楽器編成ではないアコギ弾き語りスタイルの音源の作品になっています。正式な音源の発表がされてませんが、YouTubeの配信やライブでは歌われていました。僕も毎週のYouTube配信「ウエダアオイのリビアナイト」のアーカイブで聴いていました。
そして、以前にも語っている記事はこちらになります。
今回、整えられた部分と進化した部分がありましたので観ていきたいと思います。
YouTube「おーべいべ【acoustic ver.】」
興味深い自作のイラスト
動画で音声の方はギターも歌もきっちり作られて曲は流れ、画面は一枚絵と歌詞が出ています。料理配信でお馴染みの(?)ウエダアオイさんの自宅のキッチンの写真を元に自筆でイラスト化されています。ウイスキーの角瓶のラベルや、他の書き文字なんかにネタが仕込まれてます。絵をよく見る楽しみも有り、狭いキッチンに親近感や懐かしさを覚える人も居るのではないでしょうか。あと歌詞の「狭いキッチンにため息を吐く」のが、よりリアリティーが増して迫ってきます。
この角瓶のアオイデザインラベルをグッズで売り出したら買う人居そうなんですが…。ウイスキー入りで売るのは無理でしょうけど空瓶でどうなんでしょう。
そもそも「おーべいべ」が深い意味のないというか色んな意味になる感嘆詞で、狭いキッチンに吐き出す溜息のような感情の漏れなので、料理配信動画でキャベツに包丁をぶっ刺して「シンクが、馬鹿みたいに、狭いんですよ!」と言っていたシーンも思い出されてカオス感が増してきます。
歌詞の真相解明
前回僕が書いていたイカレた感想文では、歌詞を聴いて書き出していましたが、どうにも判らなかった部分が
「慣れない活字にらめっこして 大袈裟にビクビク震えて」
だと思っていた箇所がようやく公式に歌詞が出て
「慣れない活字にらめっこして お上様にビクビク震えて」
だった事が分かりました!
お上様にビクビク震えるとは、一体どういう状況なのか、そもそも「お上様」は日常で使ったことが無い単語だったので、辞書的には奥様奥方の「カミさん」みたいな意味も有るようですが、時代劇で御殿様や将軍様に「上様」って言っているように社長とか偉い人だと思います。
今回の聴き所
演奏面ではやっぱりスラップのリズムが全体を貫いて曲のノリが良いですね。過去の演奏動画を観ていたときより確実に速くなっていると感じて聴き直してみました。
耳で聞いて体で覚えてメトロノームアプリで合わせるという原始的な方法ですが、聴いていた速さは体感でBPM105ぐらいだったのが、今回の動画ではBPM120ぐらいでした。これによって印象がけっこう変わってきて、普段聴かなかったような早口詰め込みの疾走感が出たと思います。
この春観ていた「ガールズバンドクライ」っていうアニメの企画インタビューを読んで
ボカロ曲に触れてきた世代の子が作るであろう曲になるように作曲して…みたいに語られていて、確かに目茶苦茶早口で詰め込んだ高速の曲なので特徴全面に押し出しているなと感じたのでした。
なんでこの話が出るかというと、ウエダアオイさんの配信で時々ボカロ曲すごい聴いていたとか好きだとか言われていたのですが、僕が全く聴いてこなかったので知識もなくどんなものかも解らなかったのと、ウエダアオイさんの自作曲には影響無いと思っていたからでした。今回の高速化した「おーべいべ」はギターの演奏が新たなテクニックを盛り込んだ曲だったので、本来やりたかったスピードでやれていなかったのが、腕前が上がってやりたかったスピード感のあるノリが増し増しの曲になっているんじゃないかと感じました。そして、これがボカロを通ってきた世代の音楽感覚なんだなと実例を見たのでした。
他に前回の感想文以降にわかった事で、「おーべいべ」で多用されるスライドの音が気持ちいいのですが、それまで僕が知っているアコギのスライド音とだいぶ違う音が出ていて、従来の巻き弦の音はキュッとした高い音なのに、アオイさんのスライドは低く滑らかに響いてくる理由が分かったので記しておきます。
だいぶ前になるので記憶が曖昧になってきましたが配信の時にどんな弦を張られているか質問した時にエリクサーという高級かつ長寿命なコーティング弦を使われているという事だったと思います。スライド音が高い擦れ音じゃなくて低い滑らかな音なのは、たぶんコーティング弦の成せる技なんだと思います。
他に聴き所として発表直後の配信で語られていたのは「9% の慰めと」の最後の「と」の所の発音が情けなさと面白さが出ているから、お気に入りポイントだったと思います。
再生数と登録者数が増えてきたかも
「おーべいべ」も前回の「何者」も、ウエダアオイさんのYouTubeの動画の中でも再生数の伸びが良いんじゃないかと思います。YouTubeの登録者数もなかなか増えないと心配していたのがジワジワ増えてきて、やっぱり今のウエダアオイさんの曲の力と、歌とギターの力が増していると思います。プロの音楽制作陣の大勢の力と資金を投じてきっちり整えられた世に出回っている曲達と比べて、自作で録音して身内で整えられただけの謂わば生身の音源のクオリティが、全く見劣りしないレベルと言うことです。これは互いに下駄を脱いだ状態なら圧倒的実力なのではないでしょうか?
あと海外の方からも英語で感想書き込まれていたり、歌詞込みではまり込んでいる僕よりも純粋に曲と歌とギターだけで魅了されている人の姿を見ると、今後に益々期待が高まります。
それと同時にこんな良い曲がなかなか評価されないこんな世の中にホロびろク◯が氏ねとか言いたくなりますが、下品になるので目立たないこんな所だけで抑えておきますね…。そんな時こそこの曲を聴いて「おーべいべ!」と声を上げていきたいものです。