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私が私で在るために

2024年8月30日、
ノロノロと進む台風10号が予想コースを大きく外して九州付近に近づき日本に混乱を与えているさなか、
私は12年間勤めた会社の最終出勤日を迎えた。

退職の意向を伝えたのは6月。
私は人生で三回目の退職届を提出した。
(一つは未遂に終わりましたん。)



辞めることについては1年ほど前から考えていて、
だけど、辞めたら生活が困るかもとか、この年齢で転職するのは無謀かもしれないとか、同じ環境で働いて仲良くなった人、助けてくれた人たちと離れるのは寂しいとか、こんなふうに思考が働くたびに、やっぱり辞めないほうがいいか、と先延ばしにしていたけれど、ある日、私ははっきりと心の声を聞いた。

“一体いつまで心の声を無視し続けるの?”

その時、ハッと目が覚めた。まるで開眼したかのように、ぱっちりと醒めて自分の気持ちをしっかりと汲み取った。


退職届を出してからは、時間の流れがさらに加速した。
今の部署は4年所属していたけれど、その間に任された仕事量がそこそこ多く、引き継ぎ書を作るように言われて業務を一つひとつ個別にwordにまとめていたら、wordのファイルが50個近く出来上がった。
引き継ぎの方法はそれで終わり(口頭での引き継ぎは無し)と聞いていたけれど、急に方向性が変わり、後任の後輩に口頭でも引き継ぎを行うようにと上司から指示をもらい、人生で一番濃密な引き継ぎをしたと思う。

気づけば最終日を迎えていて、
それまで毎日ひたむきに引き継ぎに集中していたので、
最後の最後にデスク周りを掃除していたら、やっと辞めることを実感して寂しくなった。

退社のご挨拶のメールを全社員へ一斉送信すると、
お返事やお電話を立て続けにいただいて、一人ひとりに心を込めて返信をした。
あまりお顔を知らない、メールだけのやり取りしかしていない方からも何人かご連絡をいただけて嬉しかった。


好きな人たちがたくさんいる環境を離れるのは寂しい。私はやっぱり、目の前にいる相手が笑顔になってくれることが嬉しくて幸せで、いつも楽しく前向きな気持ちで接していたから年齢問わず仲良くなれた人たちの存在は私にとって大切な繋がり。
11月にスイートルームを予約して仲の良いメンバーで泊まろう、というお話もいただけて、これからもこんなふうにご縁が続いてほしいと切に願う。

さよならだけが人生だ、という言葉があるように、
別れの時ほど人を強く想う瞬間などないのかもしれない。


私はこれからの人生を、
私が私で在るための人生にしたい。


ひとまず、この環境で干支一周分
切磋琢磨した私へ、お疲れさまでした!

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