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[連載短編小説]『ドァーター』

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【連載小説】「ドァーター」をまとめたマガジンとなっております。 あらすじ;妻を守れなかった過去をもち、その罪悪感によって実の娘を愛することができず、守り抜くことができない主人公…
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#サスペンス

「スピリット地雷ワールド」新連載小説始動 あらすじ

新連載予定 「スピリット地雷ワールド」 あらすじ〜 地雷系女子、闇葉のありとあらゆる爆発のせいで高校生の青春が再建不可能にまで破壊されていく愛音。ある日家の前で奇妙な色をした謎のパイナップルとメモを見つける。メモには、「このパイナップルを食べると、食べた後一番初めに見た人の精神世界に入ることができるようになる。副作用で、見られた人は見た人の人生が上書きされます」と書かれていた。信じる、信じない関係なく今は闇葉の精神でもめちゃくちゃにしたい気持ちだった愛音は、パイナップルを一

[連載短編小説]『ドァーター』第十一章

この小説は第十一章です。第一章からご一読されますと、よりこの作品を楽しむことができます。ぜひお読みください!『ドァーター』のマガジンのリンクはこちらです↓((一章ずつが短く、読みやすいのでぜひ! 第十一章 愛してやまない人  少しだけ、水が電気で焼けたような匂いのする路地裏にいた。 「いったいどうしたんだ、急にこんなこと初めてさ。なあ、お前は何者なんだ?」月夜に輝く、金色の髪がなびいた。街灯の下で照らされた僕は闇に潜む一葉を見て言った。 「私はただ、二十二を守りたいだ

[連載短編小説]『ドァーター』第一章

_________本編_________ 第一章 僕の面倒なところ、勤勉なところ  僕には娘が二人いる。しかしそれをついさっき伝えられた。今まで伝えられなかったのは、僕が罪人だからだろう。僕はたくさんの人を殺した。守れなかったんだ。  そんな僕に、今更娘の存在を明かして来たということは、何か困ったことが起きたのだろう。正直面倒ごとはごめんだ。できることならこのまま牢獄の中で一生を終えたい。誰とも会いたくない。何もかも面倒くさかった。 「久しぶりね、暴れん坊さん」突然、