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万能!ワセリンの使い方
みなさん、こんにちは!
薬剤師のめいベジです🌿
今回は、ワセリンの使い方についてお話します!
ワセリンの使い方まとめ
まず、今回の記事の結論から。
✔︎ワセリンは万能!
✔︎皮膚の保湿や保護に使える
✔︎ワセリン自体に保湿効果はない
✔︎傷口の保護に使う場合は傷口を清潔にしてから
✔︎毛穴や汗腺を塞ぐため、ニキビや汗疹の悪化に注意
では、詳しくみていきましょう!
ワセリンといえば保湿
ワセリンと聞くと、保湿剤のイメージが強いかもしれません。
では、ワセリンはどのようなメカニズムで保湿効果を示すのでしょうか。
ワセリンの保湿メカニズム
ワセリンは皮膚に薄い膜を張ることによって、皮膚からの水分の蒸発を防ぎ、皮膚の水分を保持することによって保湿効果を示します。
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つまり、ワセリンによる保湿効果は肌に水分がある状態で発揮され、乾燥している状態では保湿効果は十分に得られないということ。
ワセリン=皮膚に蓋をする
ですので、もしすでに皮膚が乾燥してカサカサの場合は、お風呂上がりの皮膚が水分を含んでいる状態にワセリンを塗るか、化粧水や乳液などで皮膚に水分や保湿成分を入れてからワセリンを塗るといいと思います。
全身の保湿に使える
ワセリンは精製度が高くなるほど不純物が少なく、皮膚への刺激も少なくなります。
そのため、赤ちゃんや敏感肌の方まで安心して使用できます。
体はもちろん顔や首、目の周りといった皮膚が薄くデリケートな部分にも。
防腐剤や添加物が含まれていないワセリンもあり、ワセリン自体は無臭のため、一般的な保湿剤の添加物や香料が気になる方にも使いやすいと思います。
ただ、ワセリンは油っぽいのでベタつきが気になる方がいらっしゃるかもしれません。
そんなときは、ワセリンの種類を精製度の高いものや、メーカーの異なるものに変更してみるといいでしょう。
(ワセリンは精製度が高くなるほど軟らかく伸びやすい印象があります。)
外部刺激から肌を守る
ワセリンは皮膚の保湿だけでなく、外部刺激から皮膚を守ってくれる効果もあります。
例えば、
✔︎赤ちゃんのおむつ・よだれかぶれの予防
✔︎傷口の保護
などとして、皮膚を保護する目的でも使用することができます。
おむつかぶれの場合、おむつだけでなく尿や便といった排泄物が接触することでかぶれが悪化しやすくなるため、ワセリンを塗ることで排泄物からの刺激を防ぎ、症状の悪化を防いでくれます。
これからどんどん寒くなり空気が乾燥すると、手にあかぎれができたり、唇が切れて痛い思いをする方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、お子さんがいらっしゃると、擦り傷を作ってくることが日常茶飯事だったりしますよね。
そんなときにも、ワセリンを使うことができます。
皮膚に傷ができると、その部分の皮膚バリア機能は低下してしまうため、外部からの刺激を受けやすくなります。
また、傷口を適切な湿潤環境にしておかないと、そこから細菌感染を引き起こしたり、傷の治りが遅くなってしまうことも。
傷口にワセリンを塗ることで外部刺激から皮膚を守ってくれる他、傷にとってちょうどいい湿潤環境になることで、傷の治りを早めてくれる効果も期待できます。
万能ワセリンの注意点
ここまでのお話で、ワセリンは何にでも使える万能なやつ!という印象を受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
何にでも使えるワセリンですが、使い方を間違えると逆に皮膚症状を悪化させてしまう可能性があります。
ワセリンを使用するときの注意点としては、
✔︎ニキビや汗疹には使用しない
✔︎すでに感染の可能性のある傷や清潔でない傷には使用しない
✔︎初めて使用するときは狭い範囲で試してみる
が挙げられます。
ワセリンは毛穴や汗腺を塞いでしまう
ワセリンは皮膚に薄い膜を張ることで保湿・保護効果を示しますが、裏を返せば皮膚に存在する穴を塞いでしまうということ。
ニキビは原因や種類にもよりますが、例えばアクネ菌などの細菌が毛穴の内部で繁殖している状態でワセリンを塗ると、ワセリンが毛穴を塞いでしまい、ニキビが悪化してしまう可能性があります。
また、傷口が清潔でない場合もワセリンによって菌の増殖を促してしまう可能性があるため、汚れを落としたり水で洗浄するなど、傷口を清潔にした上で使用することが大切です。
そして、赤ちゃんにも安全に使用できるワセリンですが、漫然と使用することで汗疹の原因になる可能性があります。
赤ちゃんは汗を大量にかくことで体温を調節していますが、ワセリンによって汗腺が塞がれてしまうと汗が蒸発せず、それが汗疹につながってしまうのです。
ですので、夏はワセリンよりもテクスチャーの軽いミルクタイプの保湿剤を使用したり、冬は部位によって保湿剤を変更してみるなど、赤ちゃんの皮膚の状態を観察しながら使用することが大切です。
初めて使用するときの注意点
ワセリンは精製度が高く、どなたにも安全に使用していただけます。
しかし、皮膚の弱い方やアトピー等によって外部刺激を受けやすい方の中には、ワセリンに含まれる可能性のある微量の不純物に反応してかゆみ等を引き起こす可能性があります。
そのため、初めてワセリンを使用する際には、腕など皮膚の薄くない部分に少し塗ってみたり、顔などに使用する場合は精製度の高いプロペトやサンホワイトを選択してみることをおすすめします。
まずは体の土台を整えよう
今回のお話でワセリンは万能であることがわかりました。
だからといって、何でもかんでもワセリンに頼ることはおすすめしていません。
なぜなら、ワセリンに頼りすぎるとワセリンなしでは不調を改善することができなくなってしまうから。
「傷ができて痛い」
「手が乾燥しすぎて仕事ができない」
そんなときに一時的に頼ることで、生活に支障が出ずストレスなく過ごせるなら、頼ることも必要だと思います。
ですが、ワセリンに頼らなくてもいいように、同時に体の土台を整えることも意識して生活することが大切です。
ワセリンに限らずお薬に依存するのではなく、必要なときには頼って、お薬と上手に付き合っていけるといいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
めいベジ🍀