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事実に触れた

夜だ。僕は買い物をしていた。

ふと電話が鳴る。友人からだ。いつも通り暇しているのだなと思い、買い物を終わらせてから連絡を折り返した。

それが突然の知らせだった。
身近であって少し遠かった。それでもお世話になったのは確かだった。

そしてその事実に触れてしまったのだと、認識したのは少し後だった。

心に表しようのない感情がぐるぐると停滞して
かなしくて、こわくて、くるしくて

その事実と対面してしまうとこんなにも恐れてしまうのか。どうしたらいいかわからなくなってしまうのだと。

何をどうこう言ったところでどうにかなるわけではない。

僕自身がこの不明な感情を知りたいからこうして書いているのか。恐らくそうであろう。

綺麗だった。美しい顔をしていたよ。暖かな顔だった。

引きずるのはどちらかというと違うかもしれないが、やはり、普段から安易にその思考と向き合っている僕からすれば引きずってしまうのだ。

そして、自分は案外幸せの中で生きているのだと、見つめ直す機会でもあった。

本当に、本当に身近でこの事実に触れることがあるとは思えなかった、思わなかった。



ありがとう。

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