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男を支配し続けてきたこの人生、最期に山田一郎を支配して有終の美を飾りたい。

私は診断書付きのヤバメンヘラなので、メンヘラお得意パーフェクト支配力を発揮しまくって歴代彼氏全員に「殺して」「一緒に死のうね」と言わしめてきた実績がある。
もうちょっとしたマキマである。

同じ学科のキモオタが、よく「マキマさんの犬になりたい」とかキッショいことを言いまくってるんだけど、そんな発言を聞くたびにあ〜こいつ恋愛したことねぇんだなwwとなる。
なんの魅力も無い/磨く気すらないくせに受け身で愛されを待ってる全ての男と女は死んだ方がいい。
あとろしょ先の合鍵持ってるぬるさらに夢見てる馬鹿女どももね。普通にキモいだろ。

思い返せば一番最初に言わしめたのは18歳の夏、二つ上のASD男と数ヶ月付きあった後、私はもう救いようがないくらい徹底的に障害者が嫌いなんだと思い知って(そもそも私自身障害者である)、あとあまりの気の使えなさに嫌気がさしてゴリゴリに浮気(というか、乗り換えのための二股。完全に気は冷めていた)してブン振ったとき、「じゃあもう殺してよ」と、突然自宅に押しかけられて泣かれた。

私は悪くないし、あいつはキモかった。
ただ、終電を逃しまくって多摩地方の山奥で野宿したときには一睡もせずに私の肩を抱いて、トントンし続けてくれる程度の献身と優しさはあった。
まぁ、そいつは留年してたからそれくらいの器がないと困る。私の品位に関わる(どの口が言うか)。

最も強い感情と共に思い出されるのは19の夏、当時付き合ってた男と布団の中で些細な思い出話をしてたとき、なぜだかお互い笑いが止まらなくなって、目尻に涙を浮かべながら大笑いしたときのことかもしれない。
お互い腹筋を引き攣らせながらぜぇぜぇ息をして、ふとその笑い声の波間で、不意に「このまま死にたいね」って元彼が笑った。
私はやだ、と言ったんだと思う。
あの時は、まだ人生は平等で、いつか報われるだなんて馬鹿みたいな夢を見ていたから、こんなクソな国抜け出して、二人でヨーロッパ(西洋中心主義ではなく、彼はヨーロッパの言語をいくつかやっていた)のどこかで働いて楽しく仲良く暮らそうよと、幸せな気分で男の腕の中にくるまった記憶がある。

私のワンルームの窓のすぐ前には街灯があって、カーテンを閉めても光が漏れてしょうがなかったんだけど、清潔な布団の中、青白い光が満ちてた夏の若いあの思い出は、たぶん一生忘れられないんだと思う。

あいつは私の話す陽気な恋物語が好きだったし、私も、陽気な恋物語を話せるくらい心を許していた。
他の元彼たちのことは思い出すだけで反吐が出る、なかったことにしたくてたまらない思い出だし、彼らの携帯の中から一切の私の面影が消えろと願ってやまないけど、あいつだけは一生私のことを忘れたら許さない。
別れ際、「俺の人生マジで返せ」とメロドラマばりに泣かれたけど、あいつはその台詞が私を喜ばせることになるとはわかんなかったのかな。TOEIC満点のくせに。まぁ私の方が英語話せるしそんなもんか。

マジでクソな男だったし、泣いてばかりだった。
モラハラも酷かったし、二人で幸せになれる未来なんてぜったい来ないし、自分の選択は間違ってるとは思ってない。
ぜったい別れて正解だった。
でも、やっぱ、なんだかんだ私は本気であいつのことが好きだったんだと思う。
あいつに対する私の回想、その色彩と書き口は、他の男と比べると断然嫋やかになる。
本気で他人を愛せるくらい19の私が若かったんだと思う。
そして、そんな季節はもう二度と来ないんだと思う。

同じ男には、もう100回くらい同じようなこと……死にたいねとか、殺してとか、そういうことを言わせてた記憶がある。
なんだか幻想的な雰囲気になってきてしまったから、ここで私のバイオレンスさをリマインドしておきたいんだけど、ぴったりのエピソードがある。

当時飲んでた薬の影響か悪夢がひどい時期があって、とある春学期の放課後、幸せな気分で二人でお昼寝をしていたとき、前触れもなくクソみたいな夢を見た。
確か……とカッコつけようとしたけど、忘れもしない、父親に首を絞められてる夢だった。
父親がいるってことだから、多分夢の素になる記憶では私は小学校低学年くらい?
夢の中でときどき視界をよぎる私の手も小さく柔らかかった。
夢の中の私はただ死に物狂いで、父親の胸板とか股間を蹴りに蹴った後、倒れ込んだ180センチ声の巨漢目掛け、鬼の形相であいつの首を絞め返した。
私はそこで目が覚めた。

どくどくと脈打つ視界がふんわりと明るくなっていく中で、ふと、夢じゃなく二十歳の私の耳にうめくような声が聞こえて、はっと飛び起きた。
まさかとは思ったけど、そのとき私の手はしっかりと隣でお昼寝してたはずの元彼の首根っこを押さえていて、その瞬間色々と私は絶望した。

なぜ私はこいつの首を絞めてる???

最悪なことに元彼はうっすら目を開けていて、なにしてるのお嬢ちゃん、とかすれた声で呟いた。
私は立つ瀬がなくって、私首絞めてた?と絶望に暮れて問いかけたら、寝ぼけたあいつはなぜだかむにゃむにゃととろけた声で、「いいよお嬢ちゃんになら殺されて」と微笑んでた。
その瞬間、私は暗い喜びと、自己嫌悪とで、もうぐちゃぐちゃになってしまって、元彼の頭を掻き抱いて泥のように眠った。

彼のお母様に申し訳がたたないなと思った。
人間としての種が違うんだと思い知らされた。
異常者の、怪物の私は、さっさと人間界から身を隠すべきだと思い知った。
私との関係において、あいつが何も悪くなかったとは言わない。人間同士相性もあるから、私たちの道のりと破局は私だけのせいではないけど、少なくとも、それは私が人間だと仮定したらの話。
私は怪物で、化け物で、悪魔だから、人間を惑わしちゃならないんだよ。

この男と別れた後はしばらくふらふらとしてたんだけど、今年の春のある日、ひょんなことで国家総合職持ちの男と知り合ってしまった。
お察しの通り私は自他共に認めるハイスペ好きだった(過去形重要)から、なーんも考えずただ✨未来の官僚✨の肩書だけを見て付き合った。
ハイスペっていっても、相手も学生だから求めるのはGPA3.7以上とか、私大なら早慶以上とか、国家一種とか、TOEIC900点台後半とか(900切る人間私含めて全員恥ずかしいでしょ)、そんなもんです。

ふらふらしていた間、家にあげたまた別の男の首を興味本位で締めたら「あ〜♡すき♡いい♡」などとビンビンにしてよがり出した辺りから、私はだいぶ男という種を下に見ている。歩く突起物だと思ってる。
それにどこかで、人ならざる私は、相手を人扱いすることを諦めていたんだと思う。あのときのあいつ(総合職持ってる方の男)は、私にとって単なる記号とドル箱だった。

結局この男とはすぐ別れたんだけど(揉めに揉めた)私はこのコンプラに浸された社会で人権がないレベルに障害者が嫌いだから、霞ヶ関とアカデミアにいる男なんて全員ADHDの凸凹発達だと気がついていなくちゃいけなかった。
けど無理だった。
だって、さすがに国家一種はかっこいいよー💦
でも誇張でもなんでもなく、マジでそこしかいいところはなかった。
し、メンヘラだった。
男のメンヘラって、純粋な腕力じゃ敵わないから末恐ろしい。メンヘラの自覚ある男性諸君は筋トレ全て放棄してもろて……。

歴代元彼の中で元彼とも言いたくないレベルの男ナンバーワンすぎるから、あまり思い出したくはないんだけど、あのゴミから学んだことはいくつかある。

一、周りがやめとけという男はマジでやめとけ。
二、九州はマジでゴミ。
三、男子校はマジでゴミ。
四、言語化できない違和感は一番のサインだからやめとけ。
五、ゴムしない男は何がなんでもやめろ。
六、体臭が合わない異性はマジで合わないからやめろ。
七、家に鍵はかけろ。
八、二十歳超えても取っ替え引っ替えで長く付き合ったことある女がいない男はマジで何も知らないし何も分かろうともしないからやめろ。
九、交際期間中に上に立とうとする男ほど別れる時メンヘラになるから、今の彼氏が「〇〇ちゃんの方が俺のこと好きだよねw」とかいう愛の大きさで謎マウント取ろうとする男の女はマジで覚悟しろ。

霞ヶ関への淡い憧れを打ち砕いてくれたことと、ハイスペに"一途に""重く"「愛され」ることのリアルを知って全てのメンヘラ彼氏系乙女ゲームに対して反射的に反吐が出るようになったことにだけは感謝してる。
後者はオタクとしてだいぶ生き辛くなるので諸刃の剣です。地球市民としては上位存在へ昇格できますが。

「苦しめないで」
「耐えられないです」
「勝手に死にます」
「嫌いなら嫌いと言って」
「死ぬほど好き」


よーく見たら別れ際のLINEしかない(スクショして各地で晒し上げていたため)ので殺してと言ってるかは定かではないものの、しっかり彼の支配され具合がお伝わりなったことでしょう。
これが見目麗しい佳人であれば嗜虐心を煽られることでしょうが、お目覚めなすって。
これを送ってきたのは170cmないくせに身長盛りたがる器が小さくて汗臭い23歳です。きしょいね。

彼には別れ際に複数回家に侵入され寝込みを襲われました。
このメンヘラ男のエピソードまだ掘れるから、あと少し倫理観が死ねば名前と所属(◯應大学◯学部留年繰り返して永遠の二年生の◯野くん!笑)ぼやかしながら嬉々として語り出します。

お分かりでしょうが私はリベンジポルノをするのが好きです。バラされて困ることするのが悪いんよ。人間信じすぎ。
メンヘラの皆さんは一度しっかりヘラられてみてください、メンヘラって普通にキモいし怖い‼️と思い知って、流石に治ります。

そんなこんな、やっちまってきた人生、どう締めくくろうか?

もう一郎しかないでしょ。ヒプノシスマイクの王、山田一郎ですよ。
私はもう長いこと女王様でやらせていただいてますが、ここまで本心から嗜虐心を煽られるキャラクターは初めてかもしれない。
ほら、男ってバカで甘ったれでクソだからさ、セックスのとき尽くしてくれる女が好きじゃん。
あわよくば自分は汗かかず汚いものも舐めず射精だけしたいとか思ってるじゃん。
きったねぇよなマジでその根性が。

そんなクソでもひたすら男に愛されたくって、ずっとニセモノの女王様、つまりは「エロくて」「積極的で」「動いてくれる」女をやってたけど、山田一郎には心から女王様をしたくてしたくてたまらない。
別に性欲がある訳じゃない。ただ人としての暗い喜びのために山田一郎を支配したい。

私は、山田一郎にとってのGuilty Kissになりたい(突然のラブライブだけど、山田一郎のタイプは強い女なので、プランタン好きとかシャロン好きとか抜かさないと思ってる)。

具体的には、19歳の山田一郎に優しく優しく関わって、何でもわかるよムーブ(私はかつての山田一郎なので本当になんでもわかる)をして、心底山田一郎が私にすっかり陶酔した頃、二十歳になった山田一郎へ、世界に救いなどないという現実を見せつけてドン底へ突き落としたい。

かつて君が弟たちや、世界のためにしてきた苦労の分世界や社会が君へ恩返しをしてくれるだなんてのは真っ赤な嘘で、ただの幻想で、出来の悪い新興宗教なのだとこき下ろしたい。
君の手で世界が良い方へ変わったとて、変革の途中で心を病んでいる君は、その後の世界で恩恵を受けることなどできない。知らなかったでしょ。
君は確かに誰かの太陽であったし、私の太陽であったかもしれないけど、君は恒星でしかなくって、偉大なる山田一郎という太陽系が確立されてしまっている以上、君は君にとっての太陽には出逢えないんだよ。
私はとにかくあの山田一郎の鮮やかな瞳が翳る様を見届けたい。
もとより、私と同じのくせして、二十歳越してお天道様の下を歩いていけるわけないだろ。
大事な大事な合歓ちゃん(私は山田一郎と碧棺合歓は公式だと思っているけど、うまくはいかないと思っている。どちらも私の手解きと絶望無しでは一人で立てやしないから)の前で失落するよか、私というセンパイの目の前で、センパイの手によって、手解きを受けながら失墜する方が良いに決まってるでしょ?
私は確かに君を愛しているし、君を大切にしているけれど、それは君の心をちっとも救ってくれやしないのだと、あらゆる言葉と行動、理論と実践を通して叩き込みたい。

そうしてこき下ろして、こき下ろして、こき下ろし果てたその地の底で、山田一郎の心にはぼんやりと10代の私との日々の思い出が燻り続けていて、その甘やかさに死ぬまで囚われていて欲しい。

H歴の後の世界で、山田一郎はビロード張りの素敵な王座で、豊かに波打つ真紅のマントを羽織り、その黒くコシのある髪に王冠を戴き、その双眼を静かにギラギラさせながら眼下に広がる、ちょいとはマシになった、しかし今なお醜いHIPHOPPIAを見下ろしているんだけど、その目には一匙の物憂げさがあって、それはどうか私のせいであって欲しい。
私の影があなた(山田一郎)の夢を飲み込みたがる。
光が強くなる分、山田一郎の影はうんと大きく濃くなるけれど、それは私のせいであって欲しい。

山田一郎は強いし、レジリエンスが高くしなやかであるから、絶望してもある程度は歯を食いしばってヒプノシスマイクの王をやっていける。
これくらいで絶望して身を投げていたらもうとっくの昔に山田一郎も私も死んでいる。私たちはそこまでヤワじゃない。
けれど、ふと、私との思い出が青い切なさを伴って鼻先をよぎって、過ぎ去った日々と、奪われ続けてきた人生でようやく取り返したはずの……もとより手に入れられる訳などなかった人生の柔らかさと陽だまりへの切望感に苛まれて仕方なくなった夜、私は山田一郎より「大人」であるという免罪符で、彼の寝室の窓辺に降り立って、彼の変わらず豊かな黒い髪を撫でたい。

青い光が満ちるその寝室でだけ、私たちはあの馬鹿げた青いごっこ遊びに耽ることができる。
10代の頃のように、この恋で俺は泣くことがないのだと、この恋こそが俺の人生の喜びで、すべてまきかえす一発逆転起こすマスターキーなのだと何の疑いも信じられた、最後の社会への明るい気持ち。
それがリフレインするほどに、そうでない現実が欠乏していき……ついに山田一郎に「〇〇さん、殺してください」と言わしめたい。

この世で生きることをやめれば、影などなくなるから。
私たちは影もなく、地に足つかない軽やかさで、都心の監獄を抜け出して、西東京の多摩川のほとりでお互いに見つめ合いたい。
おののきに揺れている山田一郎の瞳がいやに気に障るから、彼の乾いた頬を両手で掴んで、強引に目を合わせる。
そして、ひまわり畑へ駆け出す少女みたいな無垢さで山田一郎の手を引いて、山田一郎も、初恋に胸躍らせる少年みたく顔を真っ赤にして、川面にささやかな笑い声を撒き散らしながら、二人して死にたい。

縁起悪い話になっちゃったので、縁起いい画像を貼っておく。

都内の中央アジア料理屋で飲んだチャイに立った茶柱


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