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無欲オタク、TDC3バルににっこり

ファンサとか、最前とか言っているオタクたちを見ると、21歳成人女性はふふっ☺️とほっこりしてしまう。

もうそこまで若くないというか、「推し」と自分の間に何か特別なつながりを持とうという発想が根本からマジでないから、可愛いなぁと思う。(お前夢女子じゃん‼️とツッコミが聞こえてくるけど、それはキャラのストーリーあっての話で……畢竟、私が1番好きな小説の話をしているに過ぎず、その人の生い立ちすら真に知り得ないアイドルとか演者にはマジで興味がない。応援してる人はいてもね)

あ、普通に成人してファンサとか言ってる奴らのことは馬鹿にしてます。
なにがファンサやねん。推しの歌聞けて姿見れるのが目的やろが。
ビジネスなんだから「サービス」とか抜かしてんじゃねぇよ(笑)

私はもう思い出せないほど昔からオタクだから、それなりにライブやらイベントやらに顔を出しているけど、大人になって、その観覧スタイルが大きく変わったと思う。

前は昼夜公演ぶっ続けは当然、開場の何時間も前からグッズにならんでは開場時間前に入り待ちして、推しカラーのグッズ身につけて、タオルマフラーのエディションで古参アピして……。
目が合えば喜ぶし、手紙も出すし、接触イベントには欠かさず行っていた。

けど、だんだん大人になって、表舞台に立つ人々のそういった場での苦痛が見えるようになってきたり、私も別の場所では「見られる人」になったりして、そういうことの本当の価値や功罪に目が向けられるようになってきた。
見知らぬ男女に、パフォーマンスとは関係のないところで黄色い悲鳴を上げられることがどれだけ気持ち悪いか。
演技ではなくて、その顔や肉体へ向けられた興味や好意に晒されることがどれだけしんどいか……。

それも仕事だろと言い切ってしまうファンも、本人もいるかもしれないけれど、一度そこに何の圧力も働いていないか、立ち止まって考えてみよう。
ファンの人と接したり、パーソナルな自分自身に興味を持ってもらえて嬉しいタイプの人もいるだろうから、全員とは言ってないよ。
ただそう言う人にも、どこかで限界はあるはずで、そこをオタクたちは遠慮がちに伺いながら応援しなきゃいけないと思う。
例えば、自宅のゴミを漁られることと、私物プレゼントの間にはどういうグラデーションとへだたりがあるのか。

こういうことを考えるようになった私はもうパフォーマンスやコンテンツ以上のことを求める気にはなれなくて、だからこちらも何か気負うこともなくなって、めちゃくちゃ開演時間ギリギリに行くし(それはそれでダメ)、二階席選べるなら二回席選ぶし、快適な普段着で、自分のペースでまったりと物語や音楽そのものを純粋に楽しんでいる。

お祭り女だから、おしゃれをするのは好きだし、イベントごとに何着よ🎶とはなるけど、自分の好き以上の、例えば周りのファンとか推し本人とかの目を意識した格好はしなくなったし、それが私も心地いい。
し、普通にそこまで暇じゃない(これがなんだかんだ一番デカいとも思う)。

あと、できれば演者さんやアイドル本人に見られたくない。存在を知られたくない。
ファンサなんて論外。
他の人にすればいいと思うけど、何かの間違いで私にそれは降り注いで欲しくない。強がりじゃなくてマジで嫌だ。

推してることが恥ずかしいって訳じゃないけど、演者がファンに対して、言ってしまえば色恋のような、匿名性のない親密な語り掛けをするというアンバランスな行為のシステムに加担したくない。

そのステージは推し側が作って私たちを呼んだものではあれど、好きな仕事をして、努力をして完成度を高めて、そして好きなように輝いているという一点で彼らは仕事は完結しているはず。
それに、チケット代は「見る」という不躾な行為を正当化するための免罪符であり、パフォーマンスやストーリーで得られる学びや楽しみの代金だと思うから、私たちのチケット代金には、ファンサ代など一銭も含まれていない。

代金以上のことを求めること、それすなわち搾取であるから、私はこの禍々しく気持ち悪い搾取システムに参画したくないのだ。

だから、毎回チケット発券するたびに(アリーナは嫌だ……アリーナは嫌だ……)となるし、最前とか通路とかさけたいなぁと思っている。
これを無欲オタクと言うのかは分からないけど、ずっと他の強欲オタクよりは卑しくないはず。

あと、普通に二階席って後方彼女面に丁度いいから、夢女子的にも大歓喜(台無し)!

私は大きな被害者であると同時に、また加害者でもあることを自覚している。
加害なしではやってこられなかったとしても、いかに簡単に人は加害者になりうるのかを私は知っているし、私が犯してきたことの功罪も身に染みてわかっているし、同時に被害者の屈辱や苦しみも痛いほどわかる。
だから、常に私は誰かに対する加害・被害のポジションが異様に気になってしまって、こういう面倒なオタクになっている。
普通に生きづらいからこのスタンスはお勧めしないけど、でも、やはりエンタメ業界は一度何かを考え直すべきだし、オタクも自分の功罪を検討してもいい、その時期が来ていると思う。

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