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あけましておめでとう


私には「生きる理由」のひとつになる2日間がある。
それが年末年始、帰省期間だ。


毎年、大晦日は
高校の友人達と集まって昔話に花を咲かせ、
元日は家族と過ごす。
夜は必ず家で寝たいタイプなので、
年越しは実家でごろんとして迎える。

今年もごろんとしている間に、
友達からのあけましておめでとうラインで
2025年を迎えたことに気づいた。


「あけおめことよろ〜!いや、やりなおし。
あけましておめでとうことしもよろしくね。」
と1番仲の良い友達に送ったところ、
3分後に
「昨日まで超ナイーブだったけど、その文で
元気が出たわ(笑)」
と年明けから意味不明なやり取りをした。
さっき会った時は笑顔だったのに、
悩んでる内容を聞いても全く理解不能で
年明けからする話じゃない!
だからこそ今すぐ取り戻せ!と
すぐ電話をして解決した。
年明け早々、自分の一言で人に元気を与えられた
みたいで、悩んでいた友人には悪いが
おみくじを引いてないのに大吉気分だ。


元日は朝から家族みんなが集まる。
午前中は母手作りのボロボロの凧を持って、
歩いて5分の小さな神社でお参りし、
隣の小学校で本気の凧揚げをする。
驚くことに、本気の凧揚げは
保育園児の姪と甥だけじゃない。
32歳〜27歳の兄妹に加え、
60歳の父母が上手すぎる。それに爆笑。

夜はこたつを2つくっつけパーティー。
姉の司会からはじまり、父の挨拶と乾杯の音頭。
一発芸大会がはじまり、1人ずつ今年の目標発表。
おせち料理にお雑煮、ピザにお寿司、
ドーナツやバウムクーヘン。
今日は何を食べで0カロリー。

毎年、家族みんなの分、
父が年末ジャンボを買うのでみんなで願うも
当たるのは全員で300円。
父からするとマイナスすぎる。



今年もたくさんの話をした。
私の家族はみんな性格がバラバラで、
MBTIも全く違う。
それぞれの美学や信念があるが、家族ではやっぱり
価値観を共有したがるので言い合いにもなる。
姉の旦那だから、兄の嫁だから、なんて関係ない。

「まあそういうこともあるよね」という
当たり障りのない、ぬるま湯のやさしい相槌が
流行る世の中で、
「それはおかしいよ」
「それは言ったほうがいいよ」
「それはなんとかすべきだよ」と
真剣な怒りを含んだ追い風を吹かしてくれる人達。

そして、実家の自営業を潰して
新しい事業をするとしたら何をするか、
全員で起業案を考える。
商売人の父の案はやっぱり驚異的だ。
ここに、子供達若者で
広告力なんてつけたらすごいことになる!
そんな盛り上がりを横目に、
母の「誰が来てくれるねん!」と嘲笑うまでが
毎年恒例、お決まりの流れ。

甥っ子と姪っ子を寝かしつけてからは、
本気の熱い話をして、
2日の1時頃にみんなに寝床につく。


どのくらい話をしても物足りない。
手土産に、と大量の自家野菜を。そして、
27歳にもなるのに父から5000円のお年玉をもらう。
「いらないって」
「定年退職したら無くなるから今だけやぞ!」
私のこと、まだ23歳ぐらいだと思っている。
母の「もう一泊しなよ〜」
寂しげな表情を見て、
何とかして明日休めないかな、なんて考えてしまう。


日付が変わっただけなのに、全てがリセットされた
ように感じるから、お正月は不思議だ。
みんなが笑顔で、元気に迎えた1月1日。
もうどこの神社より強い大吉。必ず良い1年になる。
健康で、それだけで充分。それが難しいから。
『情緒安定、見返りを求めず自分に正直に』
2025年がはじまる。