ノラと友達になりたい
6年間女子校で育ったせいか、なんとなくぱっと見で、仲良くなれそうな女性がわかる術を身に着けた。
最近見た映画で私が最も仲良くなりたいと思った女性は、『痴人の愛』のノラ(ケイジョンソン)である。
主人公ケリー(レスリーハワード)を取り巻く3人の女性が登場するのだが、ノラの出番が一番少ない。
ヒロインのミルドレッド(ベティデイビス)はすんごい悪女でして、ケリーのことを傷つけてまくり、何かあったらケリーの優しさに付け込んで戻ってくる、いわゆるファムファタールな女です。
最終的にケリーと結婚するのがサリー(フランシスディー)で、ミルドレッドから解放されて辿り着いた先の安息の地のような女性。
ノラは、この2人の間にケリーと付き合った女性。
ケリーが絶賛ミルドレッドに苦しめられてる中に、一瞬付き合った女性になるのだが、この人、、、いじらしいんだ、、、
ノラは、ケリーのことをずっと片思いしており、ミルドレッドという悪い女と付き合っていたことも知っている。
ミルドレッドがケリーの恋敵と結婚し、失恋したケリーを支えたかっこいい女だ。
ケリーは医学生であるため勉強第一なことを理解し、自分と出かけなくていいから貴方のために勉強なさい、と優しく促す。
(ミルドレッドは自分の思い通りにならないと意味わからんくらいキレていた)
さらに気もつかえて、パイプを吸おうとケリーが手を伸ばせば、いいタイミングでマッチに火をつけてやる。(ミルドレッドの野郎は、勝手にパイプに草詰めて無理やり吸わしていた)
一方で健気な一面もある。仕事をしているケリーの横顔を後ろから盗み見て、ほう、、、と思わずため息をついたかと思ったら、ばれないようにすぐ目をそらす。ほとんどaikoと言っていい。
捨てられたミルドレッドがケリーのもとに戻り、ケリーはミルドレッドへの気持ちが再燃してしまう。
ケリーは堂々とミルドレッドの写真を飾ったデスクでノラに別れを告げる。別れを告げられてもノラは未練がましくしたり、泣きついたりせず下のセリフを言う。
ノラ「私の気持ちの方が大きいのは知ってたわ、、、」
完全にaikoであった。
ちなみに次のケリーのセリフ
ケリー「恋というのは愛する者と愛される者で成り立つ」
うるせえよ。
というところでノラの出番は終了。
私はこの短い場面で、ノラの器量の大きさとかっこいい去り際にぐっときてしまった。
私がノラの友達だったら、傷心のノラをカラオケに連れ出して、aikoを歌って慰めたいと思う。
『痴人の愛』(英語名:Of Human Bontage) 1934年公開
監督:ジョンクロムウェル
出演:レスリーハワード、ベティデイビス
<あらすじ>
医学生のケリーは友人からウエイトレスのミルドレッドとの仲立ちを頼まれる。友人はミルドレッドの性格の悪さに彼女から手を引くが、ケリーは彼女に一目惚れしてしまう。ミルドレッドはケリーをじらした後、他の男と結婚する。失恋したケリーをずっと彼に片思いしていたノラが慰める。しばらくして夫に捨てられたミルドレッドが赤ん坊を連れてケリーのもとに現れる。2人のために部屋を借りてやるケリーだったが、ミルドレッドはケリーの友人と駆け落ちする。自分の患者の娘であるサラと家族ぐるみで良い付き合いをしていたころ、再度ミルドレッドが現れ、ケリーはまたしても心を乱される、、、