動くマリリンと概念
マリリンモンローといえば、アンディーウォーホールの絵の人。という印象しかなかった。セクシーな女性のアイコン、それはもう概念に近いかもしれない。私世代(私よりも若い世代も)は、マリリンモンローは金髪セクシー美女というイメージの原型でしかなく、これまで動くマリリンを見る機会は全くなかった。
動いてるマリリンは、脳天やられるくらいのキュートさだった。
「お熱いのがお好き」のシュガーという役は女性バンドのボーカルで、最初から最後までこれマリリンじゃなかったらやべえ女だぞって感じなんですが、全て違和感なく見れるのはマリリンマジックに他ならない。彼女は、時を超えてブルーレイディスクから尚画面の向こうの観客にフェロモンをふりまけちゃうのです。そのフェロモンのおかげで、よく考えたらこの女どんだけ馬鹿やねん、っていうことも、マリリンったら♡っで終わってしまう。セリフの言い方とその動作がいちいちキュート。
セクシーな風貌と同居する純粋さ。めっちゃ色気のある天使って感じ。嫌味にならないのは、一貫して老若男女全方向にその天使っぷりを振りまいているというところ。
こりゃ大天使マリリンから目が離せねえ映画だぜ、、、って思っていたら、いい勝負を繰り広げてる人物がおりました、、、
ジャックレモン!(の女装)
なんやかんやあって、女装したトニーカーティスとジャックレモンはマリリンと“女”友達になるのですが、女装バージョンのジャックレモンの可愛いこと、、、、!!!!!
走り方とか、笑い方とか全力。なんとまあ喜怒哀楽の素直なこと。日めくりカレンダーのように変化する表情。しかもきもくないのがすごい。
いや、見る人によってはきもいのかもしれないが、モノクロだからか?
私の目には、お調子者のディスニーキャラクターにしか見えない、、、ムーランのムーシューみたいなやつ。
(同じく女装してるトニーカーティスもごついけどきれいだよ)
ジャックレモン(女装)は大金持ちのおじいさんから猛アタックされます。
絶対気づくだろ!とツッコみたいんですが、ジャックレモンのチャーミングさには、そりゃ求婚もするよな。と納得してしまう。
映画序盤では、男の姿でスマートにウッドベース弾いてたりして二度おいしい感じ。ギャップです。
モテ指南本がたくさん出ている世の中ですが、マリリン(とジャックレモン)を見れば人類モテできるんじゃないか?言い過ぎ?
動くマリリンは時代を超えます。
ジャックレモンもアンディーウォーホールの絵になっていればチャーミングの概念になれたと真剣に思う。
『お熱いのがお好き』(英語名:Some Like IT HOT) 1959年
監督・脚本:ビリーワイルダー
共同脚本:I・A・L・ダイヤモンド
出演:マリリンモンロー、トニーカーティス、ジャックレモン
<あらすじ>
禁酒法時代のシカゴ。バンドマンのジョー(トニーカーティス)とジュリー(ジュリー)は、聖バレンタインデーの虐殺を目撃してしまう。マフィア逃れるためシカゴを出たい2人は、女性だけのバンドに女装してもぐりこみフロリダへ逃げる。そのバンドのボーカル兼ウクレレ奏者のシュガー(マリリンモンロー)に2人は恋してしまう。