ブルーピリオドの感想と紹介
いまハマっている漫画『ブルーピリオド』の話をします。
ブルーピリオド/山口つばさ
現在7巻(月刊アフタヌーン連載中)
勉強も遊びもそつなくよく熟すがどこか焦燥感を感じている主人公・矢口八虎。
八虎は美術部員の先輩や顧問の先生との出会いを通じ、自身が感じた"早朝の渋谷が青く見える光景"を絵に描き起こします。それに充実感を覚えた八虎が美術部に入部し倍率日本一とも言われる東京藝大絵画科への現役合格を目指す美術系スポ根です。
マンガ大賞2019で3位、2020では1位を受賞しています。
第1話は作者がツイッターで公開しているのでこちらからどうぞ。
早速コマ貼っていきます。まずはこれ。
震えますよね。
空気を読むことに長け、ノルマをクリアするように努力で自分を世間に順応させてきた八虎が、ふと自己を顧みて立ち止まった瞬間です。このシーンは何度読み返しても手が止まります。
初心者からスタートした八虎は部活や予備校で美術の技法を学びます。(そして努力家で器用な八虎は上達がめちゃめちゃ早い)
芯を長く出した鉛筆の使い方、絵を立体的にする遠近法、名画に共通する構図の良さなどがわかりやすく説明されているので素人の私も読み込んでいます。
続いて登場人物
女装男子のユカちゃん。ユカちゃんはその容姿を語るよりも見てもらった方が早いです。
本名は鮎川龍二で八虎とは犬猿の仲。
名前からして虎と龍ですからね。
スポ根なのでもちろんライバルもいます。
高橋世田介
スポ根とはいえ美術ですし目標は藝大合格なので、2人が火花を散らして競い合ったりはしません。向き合うのはあくまで自分の絵と自分自身。
初めての石膏デッサンが講師に「指摘なし」とされ、絵が上手い自覚もある世田介を前に八虎は自分の実力不足を思い知り、その悔しさを作品に昇華していきます。
橋田悠は人の作品を鑑賞するのが趣味。
有名な作品だけど正直何が良いのか解らない、美術館に行くのはなんだか恥ずかしい、といった美術鑑賞そのものに感じるイメージやハードルの高さを緩和してくれる台詞です。
話は変わりますが、私は『バクマン。』という漫画が好きで読むたびに創作意欲を掻き立てられます。
この『ブルーピリオド』も創作意欲を掻き立てられる漫画のひとつだと思います。
思うように文章が出てこない時に手に取るとつい入り込んでしまうのですが、読み終わると八虎の実直さに引っ張られるように自分も何か生み出したくなります。
あとこの漫画では登場人物たちの作品として、各分野で活躍されているアーティストの方々が実際に描いた作品が使われています。作品の掲載ページや巻末のスペシャルサンクスにお名前が載っているので、気になる絵があったら検索してみるのもおすすめです。
最後になりますが、好きなことを見つけた努力家が、喜び、悩み、時には涙しながら美術の翼を思う存分広げていく姿をぜひ読んでみてください!
お気に入りのパン屋に行きます