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知っているようで知らないロスカットレート計算の世界
![](https://assets.st-note.com/img/1712280845893-lpxcjuqmp6.png?width=1200)
上に示すAUD/NZDのリピート売買戦略(ハーフ&ハーフ)を見て、以下の問に答えよ
但し、リピート売買益およびスワップは考慮しないこととする
問
上値のロスカットレートを1.150としたい。入金はいくらとすべきか
(ロスカットレート到達時のNZD/JPYは95円とする)
もし、あなたが今この問いに対して答えの導き方が分からない状態であれば、この記事が役に立つかもしれません!
これを知っておくことによるメリットとして、ぱっと思いつく限り以下があげられます
自分でロスカット計算ができる
ロスカットレートを引き上げたい場合の追加資金計算ができる
入金、ロスカットレート、年利の関係がトレードオフであることが深く理解できる
"年利18%!!"のように高い年利だけを見て安易に飛びつかなくなる
投資情報発信者の戦略をアレンジする際、その効果を計ることができる
一見難しそうに見えるかもしれませんが、実はそんなに難しくないです!
今回頑張って覚えちゃいましょう♪
ロスカットとは
本題に入る前に"ロスカット"について基本中の基本だけは押さえましょう
証拠金維持率の計算式
証拠金維持率が一定の水準に達したときにロスカットが実行されます
(LIGHT FX、みんなのFXの場合は維持率100%以下になるとロスカット)
![](https://assets.st-note.com/img/1713154697516-RfvTiQAzLw.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1713154423420-pMtS7e0GvT.png?width=1200)
純資産が必要証拠金より大きい状態が通常ですが、これがイコールになるとロスカット発生ということですね(維持率100%でロスカットと定義しているFX会社の場合)
つまり、純資産と必要証拠金が計算できれば自分でロスカット計算ができてしまうということです
今回はこの純資産、必要証拠金について実際に一緒に問題を解きながら理解を深めていきましょう♪
途中で止めながら頭で考えて手を動かして計算することが大事なので焦らずゆっくり進めていきましょう!
問 上値のロスカットレート計算
改めて問の内容を確認していきましょう
===========
![](https://assets.st-note.com/img/1712280845893-lpxcjuqmp6.png?width=1200)
上に示すAUD/NZDのリピート売買戦略(ハーフ&ハーフ)を見て、以下の問に答えよ
但し、リピート売買益およびスワップは考慮しないこととする
問
上値のロスカットレートを1.150としたい。入金はいくらとすべきか
(ロスカットレート到達時のNZD/JPYは95円とする)
===========
まず表の内容をじっくり見てみましょう
表には、売/買の新規約定レートと決済約定レート、保有するポジションの数量(万)、1決済あたりの利益額などいろんな情報が書かれてますね
では、ここであなたに質問です
この問いを解くために必要な情報は表の中のどれでしょうか?
正解はこちら↓
![](https://assets.st-note.com/img/1712535279507-KXiB6xxM7N.png?width=1200)
数量と新規レートだけ!正解できました?
上値のロスカットレートを求める問題のためSellのポジションだけを見ればOK
その他必要な情報としては問に記載されていた
ロスカットレート:1.150
ロスカットレート到達時のNZD/JPY :95
があれば計算できるんです♪
具体的に計算をするものは以下の2つです
ロスカットレート到達時の各ポジションの含み損
各ポジションの必要証拠金
解説しながら進めていきますので、この2つの意味や計算方法が分からなくても気にせず読み進めてください
ロスカットレート到達時の含み損を計算する
それでは早速、ロスカットレート(1.150)到達時の各ポジション(Sell1~Sell11)の含み損を計算してみましょう
計算結果を先に示しておきますね
![](https://assets.st-note.com/img/1712539068868-cuaks2im5z.png?width=1200)
売のポジションは全部で11
ロスカットレート(1.150)到達時のNZD/JPYを95円とした場合、各ポジションのロスカットレート到達時の含み損は上の図の赤枠の通りになります
それでは具体的な計算式の中身を見ていきましょう!
ロスカットレート1.150到達時の含み損の計算式
(①ロスカットレートとの価格差)
✖
(②数量(通貨))
✖
(③NZD/JPY:95)
この3つの掛け算でOKです!簡単!
例として、表の注文ID Sell11のポジションを使って一つずつ解説していきますね
![](https://assets.st-note.com/img/1712539024683-X1gMmE0REd.png)
◆①ロスカットレートとの価格差
(各ポジションの新規レート) ー(ロスカットレート:1.150)
をするだけです
よって、Sell11の場合は
(1.077 - 1.150) = -0.073
◆(②数量(通貨))
もやは説明不要ですね。
LIGHT FXでは数量が万通貨単位になっているので、通貨単位にするために10,000をかけます!
Sell11の場合は
0.4(万通貨) × 10,000 = 4000(通貨)
◆③NZD/JPY:95
私も最初は不思議だったのですが、①と②を掛けた値になぜさらにNZDJPYを掛ける必要があるんだろう?と思っている方いますか?
そんなあなたに1つ質問!
①では新規レート1.077 ロスカットレート1.150を使い、その差として-0.073を求めましたが、このそれぞれの値はそもそも何の値でしたか?
そうです、AUD/NZDです
AUD/NZDを文章で説明すると、「1オーストラリアドルに対するニュージーランドドルの値」になります
というわけで単位がニュージーランドドルになっているため日本円に換算する必要があるわけなんです
(通貨ペアの後ろの通貨が"JPY"以外の場合は同様のことをする必要があります)
よって、
AUD/NZDの場合は、NZD/JPYをかけて日本円に換算します
EUR/GBPの場合は、GBP/JPYをかけて日本円に換算します
CAD/JPYの時は、単位が既に日本円なので換算は不要となります
理解できましたでしょうか?
Sell11を用いて計算すると、ロスカットレート到達時の含み損は
(1.077 - 1.150) × (0.4×10,000) × 95
=-27740
となります
あとは各ポジションに対してこの計算をすればOK!
Excelやスプレッドシートを使うとコピペで簡単に計算できます♪
(Excel、スプレッドシートの計算式の作り方まで説明すると長くなるので今回は割愛しますm(__)m)
さて、各ポジションに対してロスカットレート到達時の含み損の計算ができました!
次は「各ポジションの必要証拠金」です!これも簡単です!
ポジションの必要証拠金を計算する
早速ですが、まずは計算結果後のイメージから!
こんな感じになります
![](https://assets.st-note.com/img/1718678605512-RXagEiDsmz.png?width=1200)
必要証拠金:ポジションを保有するために必要な証拠金
ポジションを保有するために拘束されているお金、というイメージですね
計算式は以下の通りです。
(④該当通貨ペアのリアルタイムレート)
✖
(⑤数量(通貨))
✖
(⑥NZD/JPY:95)
÷
(⑦レバレッジ:25)
※LIGHT FXでは一部通貨ペア(TRK/JPYなど)を除き⑦レバレッジ(個人)は25倍となります
計算式自体はとても簡単ですね!
こちらもSell11を例に計算してみましょう!
![](https://assets.st-note.com/img/1718678641878-vjKiDjlDFS.png)
(④該当通貨ペアのリアルタイムレート:1.150) → 1.150
✖
(⑤数量(通貨)) → 0.4 × 10,000
✖
(⑥NZD/JPY:95)
÷
(⑦レバレッジ:25)
1.150 × 4000 × 95 ÷ 25 = 17,480
計算式の中の要素を1つ1つ分解して考えればそこまで難しく感じないと思うのですがいかがでしょうか?
ちなみに、レバレッジ1倍の場合は17,480の25倍の証拠金が必要になるということになります
※レバレッジ25倍 = 本来の25分の1の証拠金で取引ができる
さて、こちらも同様にExcelやスプレッドシート等を用いて計算をしてみてください!
各ポジションのロスカットレート到達時の含み損と、必要証拠金が分かりましたね
それぞれの合計値も計算しておきましょう
![](https://assets.st-note.com/img/1718678715129-ZbqoqZdI25.png?width=1200)
ここまでで各ポジションの
ロスカットレート到達時の各ポジションの含み損
各ポジションの必要証拠金
を計算することができました!
問いの答えを求める
問
上値のロスカットレートを1.150としたい。入金はいくらとすべきか
(ロスカットレート到達時のNZD/JPYは95円とする)
この答えまであともう一歩です
証拠金維持率の計算式から入金額を求めていきましょう!!
と言いたいところですが、実はもう答え計算できます
ロスカットレート到達時の各ポジションの含み損
各ポジションの必要証拠金
この2つの合計値の和(=205,727+152,950 = 358,677)が答えです!
なんでそうなるのか?
冒頭に説明した証拠金維持率の計算式から紐解いていきましょう
![](https://assets.st-note.com/img/1713154697516-RfvTiQAzLw.png?width=1200)
ロスカットはFX会社があなたの口座資産を守るために行う強制損切です
ロスカットの条件はFX会社によって異なりますが一般的には証拠金維持率
=100%でロスカットするケースが多いので100%で説明を続けます
ロスカットの条件を証拠金維持率=100%とした場合
100% = 純資産 ÷ 必要証拠金 × 100% となります
これってつまり
純資産 = 必要証拠金 になったらロスカットしますよ
ということなんですよね
さて純資産という用語がでてきたので少し説明します
純資産額
その時点で全ての取引を終了した場合のお客様の資産です。
口座残高+約定評価損益
分解して表現するとこんな感じでしょうか
A.これまでの入金額の合計
+
B.これまでのリピート売買益の合計
+
C.保有しているポジションの含み益/含み損 の合計
+
D.保有しているポジションのスワップポイントの合計
A:求めたい答え
C:先ほど求めた「ロスカットレート到達時の含み損」の合計
となります
Bの「リピート売買益」とDの「スワップポイント」は、今回の問では考慮しないとあるので今回は無視しましょう
となると、純資産額は
A.これまでの入金額の合計 + C.ロスカットレート到達時の含み損の合計
で計算できますね
純資産
=(入金額) + (ロスカットレート到達時の含み損の合計)
=(入金額) + (-205,727)
※含み損なので入金額から引く計算になります
先ほどの「純資産と必要証拠金が同額になったらロスカットされる」を使って入金額を計算してみましょう!
純資産 = 必要証拠金
(入金額) + (ロスカットレート到達時の含み損) = 必要証拠金
(入金額) ー 205,727 = 152,950
(入金額) = 152,950 + 205,727
(入金額) = 358,677
ということで358,677円が問の答えになります!
![](https://assets.st-note.com/img/1718679773351-W6J7ReU6Fu.png?width=1200)
参考までにですが、358,677円の入金の場合、下値のロスカットレートの目安は1.000になります(考え方は同じなので、詳細説明は割愛)
以上、ロスカットレート計算の解説でした!
少しでも参考になれば幸いです♪