ラストパイ ー踊るように生きる君ー
織山尚大という人間に逢うたびに私は命の尊さを実感し、生きる力をもらうのだと思う。そしてきっと私はラストパイという舞台で抱いた感情を忘れることはないと思う。ずっとずっと覚えているし、思い出すたびにまたきっと言葉にできない感情に包まれる…
上手く言葉にできそうにないけれど、人生の大切な1ページとして思いのままに綴ります!(なので細かいレポだったり考察を期待されている方は、ごめんなさい😿)
3月26日、東京大千秋楽。東京公演中の5日間は記憶の限りず~っと雨!止みそうにない雨とこのラストパイ期間で彼が流したであろうたくさんの汗や涙を想いながら休館を前にしたBunkamuraへと向かった。ちなみにこの日だけは、一人で向かうのが心細くて前々から私の止まらないおりちゃんがね~!話を温かい眼差しで優しく聞いてくれていた親友に同行を依頼👧🏻ジャニオタとは無縁な子なのだけど、グッズを持ってきてくれて、彼女なりにHPやパンフレットを読み込んでくれて嬉しかった~(涙)「いつも見てもらってるかわいいおりちゃんは見れないけど、時間との付き合い方とか人生観とかきっと何かが変わると思うから、付いてきて!!!」で快諾してくれた親友 is 女神🗽♡(この場を借りてもう一度、ありがとう!)
開演が間近なことを知らせるアナウンスの後、緊張と静寂に包まれた劇場からほぼ全ての光が消える。そして暗闇の中、松本じろさんの紡ぐ音楽が響き渡る。まるで鼓動のようにゆっくりと一定のリズムで刻まれる音色の中、姿を確認することはできないけれど、確かに感じる人の気配や床を蹴り上げる音、強く自身の身体を叩く音…暗闇にまだ目が慣れない中、スポットライトの灯りとともに下手に現れるのがソリスト織山尚大。私はいつも彼をおりちゃんと呼んでいるのだけれど、このとき目にしたのは、織山尚大でもおりちゃんでもなかったと今振り返っても思う。コーンロウというヘアスタイルに上半身裸、下半身はオレンジと黒の装飾が施された黒のショートパンツ、そして両膝に黒のサポーター、裸足。ステージ上に佇む彼は、今までに見たことの無い目で感じたことのないオーラを醸し出し何かに取り憑かれたように止まることなく踊っていた。
姿が見えて衝撃的だったことの一つは、翼のように見えた両手。初めて目にしたとき、何か翼のようなものを身に着けていると錯覚したくらいだった。その姿はパンフレットに描かれている少年そのまま。腰部分に施されている装飾は動くたびに靡いていて、汗をかいた身体や口元にくっついたり離れたり、肩にかかったりしていたのだけれどその絵さえも息を呑むほどに美しかった。
・うつ伏せに倒れこみ
両足を上へピンと伸ばしては素早く起き上がる
・両手を横に真っすぐ伸ばしては
自分を軸にゆっくりと回る
・リズムに合わせて身体を揺らし
両手で搔きむしるような動作
・両手と身体を波のように動かしながら回転
・波のように動く片手とその動きを追う視線
・両手で円をつくりパワーを込めるようにして回転
・両手を左右に広げ、足を交互に上げながら回転
・両手を同じ方向に振り、足を蹴り上げながら回転
・全身を使って頭を激しく前後に振りかぶる
・両手両足に力を込めて大きく素早く一回転
・伸ばした両手の指先を上へ向けて素早く回転
・空手の型を取り入れたような動き
知識と語彙力がないあまり同じような表現且つなんとも幼稚な表現になってしまって大変申し訳ないです…言うまでもなくもっと繊細で複雑な動きで1秒たりとも止まることなく、40分間ただひたすらに踊り続けるソリスト。時間の経過によって表情に険しさが増していたけれど、動きが鈍くなることも、振りが遅れることもなく使命であり本望であるかのように踊り続けていた。両手両足に力を込めて大きく素早く一回転する振りが何度かあるのだけれど、後半になるに連れ飛ぶ高さが高くなっているように感じた。
・倒れこむときに床に身体を打ち付ける音
・左胸や腕・太ももを強く叩く音
・力強く踏み込んだり、蹴り上げた時の音
・凛とした背筋と背中
・鍛え上げられた腹筋、背筋
・噴き上げるように飛び散る大量の汗
・手足を床の上で動かすと残る汗の跡
・離れていく意識を呼び起こすように出す唸り声
・力を込めて起き上がろうとするときの
苦し気で気迫のある表情
・何かを宿したような鋭い眼光
・時折見えた儚げで艶やかな瞳
・水分量の増えた両目
生命が削られているのを確かに感じたのと同時に、生命力の権化というものを人生で初めて目にした。何度も何度も何度も倒れては、何度も何度も何度も何度も生まれ変わり起き上がっては踊っていた。パフォーマンス中、彼にストップをかける際にステージ上に投げられるという白い布が「どうか出てきませんように」と祈りながら時を忘れて見入っていた。無事に踊り果てることを一番に祈っているはずなのに、まだまだ見ていたいと思っている自分もどこかにいた。それくらい目の前で踊る彼が命懸けで魅せてくれた生命力に魅了された。
最後、暗転する直前に全身を使って大きく飛ぶのだけど、間違いなくこのときのジャンプが一番高くて美しかった。そして同時に聞こえた心から湧き上がるような叫びとも思えた声が今でも特に強く記憶に刻まれている。40分間もの間踊り続けた彼の一体どこにそんなパワーがあったのだろう…指先、足先まで綺麗に揃えられていてまるで暗転した後も踊り続けているのではないと思うような最後だった。
カーテンコールの途中舞台裏から咳き込むような声が聞こえ不安になったけれど、どうか無事でありますようにと強く祈りながら群舞の方々の挨拶を目に焼き付けた。そして緊張の瞬間。毎公演小出さんと牧村さんのお二人が下手の舞台袖まで彼を迎えに行ってくださり、両サイドで支えられながらおぼつかない足取りで現れるのだけらど、お二人がアイコンタクトを取り下手に視線を向け、歩き出そうとした瞬間………
一人で出てきた!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
え!?!?!シアターコクーンごとどよめいてた。もちろんお二人もびっくり。他の群舞の方もびっくり、客席の皆さんもびっくり。私なんて変な声が漏れ出してしまったよ、フェッ!?!?!?って。いつも辛うじて意識を保っているような状態で、どうにか足に力が入っていて、焦点も定まっているか定かではなくて…ソリストとして毎公演お辞儀は一人でしていたけれど、やっぱり支えがないと辛そうで。大きな拍手が温かい眼差しが少しでも感じ取れていますようにと今までは願っていたのに、
スタスタと歩いてる
!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そして幻覚でなければね?
誇らしげに微笑んでる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
本当に!!!本当に!!!かっこよかった!!!!!!0番に立ってしっかりと両サイドの方と手を繋いで大きく上に伸ばして深く深くお辞儀していて、じろさんの方へ振り向いてはじろさんのグッドポーズかな?にも笑顔で応えていて衝撃と感動と愛おしさで胸が苦しかった😿それからも鳴りやまない拍手に何回も何回も応えてくれたおりちゃん、本当に!!!本当に!!!かっこよかった!!!Wピースだったり、ゆるい両手お手振りだったり、むってしたお口も見れて少年忍者の織山尚大くんだった(号泣)黒田さんが涙を流しながら、ステージ上に上がり一人ひとり順番にハグをされていたのだけれど、順番が来るまでの間もハグされているときも無邪気に笑っていて、少年のようなあどけなさと同時に逞しさを感じて、また言葉にできない感情で溢れてしまった。何より最後の最後、上手の舞台袖で立ち止まり深く深くお辞儀をしたおりちゃん、ステージ裏へと戻るその後ろ姿が、前よりも少し逞しく見えるその背中が笑顔と同じくらいとても印象的だった。呼吸と震える手足を落ち着かせながら、ステージ裏で鳴り響くカンパニーの方達の温かい拍手を噛み締めながら会場を後にした。
あらためて、
ラストパイ全公演お疲れさまでした✨✨
40分という時の流れがこんなにも早く感じたのも、生きてほしいとこんなにも強く願った舞台も人生で初めての経験でした。おりちゃんでも織山尚大でもなかったと綴ったけれど、ステージ上で踊るソリストはどこか少年忍者 織山尚大と少し重なる部分もありました。
それは「孤独」に見えた瞬間があったこと。もちろんこれは、おりちゃんに限ったことではなくて、人間みんな生きていれば孤独を感じる瞬間があると思う。一人では生きていけないけれど、最期は一人。
ステージ上には群舞の方々もじろさんもいて、客席には見守っている観客がいて…決して一人ではないはずだけれど、下手にぽつんと、でも確かな存在感を放って踊るソリスト織山尚大は最後までどこか孤独だったと思う。そしてあの空間にいる誰よりも強い生命力を放っていたのにふと消えてしまいそうに儚かった。それが最近はあまり感じなくなったけれど、おりちゃんからふと感じる一匹狼な部分とちょっぴり重なって見えた部分があったように思う🐺船員21人で空高く飛ぶことを目標に掲げて振付や構成を担当しているおりちゃんも決して一人では無いけれど、きっとどこか孤独な部分もあると思うから。時に背負いすぎだと言われることもあるおりちゃんは、今も想像もできないくらいのものを背負っているのだと思う。私は未だラストパイの余韻から抜けきれずにいるけれど、きっともうおりちゃんはもうとっくに先を見据えて動いているんだろうな。
きっと彼は“選んで”今を生きているのだと思う。呪いでも罰でも使命でもなく本望で。ラストパイという作品で踊り果てた彼がこれからどうその経験や学びを少年忍者に生かすのか、想像を遥かに超えるものを魅せてくれるのだと思うと、わくわくが止まらない。どうか21人の乗った船が空高く羽ばたく日まで、見守らせてね。
おりちゃんへ
“あなたの目の前で輝く その一瞬の為に生まれてきた そう思ってます” 1年くらい前にブログで綴られた言葉がずっとずっと心の片隅にあります。輝きを目にできる時間は数えられるほどかもしれないけど、その輝きをまた目にできる機会こそ私が日々頑張れる一つの理由です。死ぬ気で死ぬまで記憶に残るステージを届けてくれてありがとう。またおりちゃんの織り成すパフォーマンスを目にするその日までせいいっっっぱい生きられそうです。生きます。休めるときには、どうかゆっくり休んでね。頑張りすぎないでね。無理しないでね。そう伝えてもきっとおりちゃんは今日も少年忍者のために、悩んで苦しんで歌って踊っていると思うから。だから今日もおりちゃんが、悔いなく思いっきり生きられますように!そう心から願っています。おりちゃんに出逢えたことが私の人生の誇りです。表現者として、少年忍者として、今日も踊るように生きてくれてありがとう。大好きです。
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