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古来からの伊勢神宮の回りかた

今回のテーマは神社のトップオブトップ
ご紹介するのは 神宮 です!神宮と聞いてどこかわかる人はなかなかの神社ツウです。

日本全国、◯◯神宮とつく神社は複数ありますが神宮と呼ばれるのは実は伊勢神宮だけなんです。神宮と言われると想像するのは内宮と外宮だと思うんですが、実はそれだけではないんです。

内宮、外宮はもちろん、14か所ある別宮や、43か所の摂社、24か所の末社、42か所ある所管社をまるっと含めた計125社の集合体を神宮と言います。
めっちゃ神宮ですね…規模感がまるで違います。

今では行こうと思えば誰でも参拝出来ますが、庶民が広く伊勢神宮にお参りするようになったのは鎌倉時代からです。

徐々に参拝者が増える中、江戸時代には一生に一度はお伊勢参り!!という伊勢参りの大ブームが起こりました。

健康上の理由で伊勢まで行くのが難しい人は、自分の身代わりとして犬にお参りを頼んだほどです。

犬の首には注連縄。お伊勢参りと書かれた札とお金が入っており、そのお金でエサをもらったり、人に助けてもらいながら伊勢まで行ったそうです。

というわけで今回は日本人なら誰もが参拝に訪れてほしい!伊勢神宮の参拝順について詳しく紹介します!

外宮

伊勢神宮は全国的に見ても珍しく、決められた回り方があるんです。

これは古来から伝わり、とても理にかなっています。

二見浦

伊勢神宮に参拝するとき、一番に行くのは二見浦です。海です!

二見興玉神社があります。夫婦岩はとても有名ですね。

ここで何をするのかというと禊です。古来より神宮参拝の前に二見浦の浜辺で塩水を浴び心身を清め、禊をおこなってきました。

そのためどこよりも清浄な浜辺として、一帯を禊浜といいます。

より丁寧に参拝されるのであれば、二見興玉神社にて無垢塩祓というお祓いを兼ねるご祈祷をしてもらうこともできます。

また夫婦岩のさらに奥には興玉神石という石がありここから採取した神聖な無垢塩草にてお祓いをすることも可能です。

無垢塩草は浴槽の湯水に浸し、体を清めることもできますよ。ここで祓い、清めてから神宮へ向かいましょう!

外宮

二見浦で心も身体も清められたら、次に向かうのは外宮です。

正式名称は豊受大神宮とも言います。天照大神の食事を司る神様を みけつかみ と呼び衣食住をはじめ、全ての産業の守り神として豊受大御神をお祀りしているのが外宮です。

1500年以上の歴史があります。

伝承によると21代雄略天皇の夢枕に天照大神が現れ、自分一人では食事が安らかにできないので丹波国(現在の京都)から豊受大御神を連れてきてほしいということから外宮が創建されました。

つまり天照大神の身の回りのお世話をしている神様です。

今の土地に来たのは天照大神が伊勢に鎮座されてから500年後のことです。天照大神にこんなこというのもアレですが500年もよく頑張ったな!!
もう限界だったのでしょうね。

そんなこんなで天照大神へのお世話は現代も欠かさずに続いており、一般参拝客の立ち入りは禁止されていますが

御垣内にある御饌殿では朝と夕の二度、天照大御神を始め別宮の神々に食事を供える日別朝夕大御饌祭が執り行われています。

ごはん、鰹節、魚、海草、野菜、果物、御塩、御水、御酒三献と品目が定められそれに御箸が添えられます。

欠かさずに続けられているということですが、回数で言うと何と累計100万回以上!すごい回数…。

通常、神社参拝をするときは社格が高いところから参拝するのが基本ですが

皇祖神である天照大神が祀られている内宮から参拝しない理由は神宮の祭典にあります。

神宮の祭典は、「外宮先祭」といって、まず外宮で祭儀が行われるならわしがあります。

豊受大御神は天照大御神の御饌都神なので内宮の祭儀に先だって御饌都神に食事を祀るのです。

ここから参拝も外宮から内宮の順にお参りするのがならわしとなっています。御正宮の参拝が終わったら、別宮もお参りしましょう。

それと外宮には三ツ石という三個の石を重ねた場所があります。ここで手をかざしている人もいますが、この前では神様の衣装や調度品奉仕員を祓い、清める儀式がおこなわれます。

手をかざしてはいけない場所ですので注意してください。

おかげ横丁 名物赤福

内宮

そして次に訪れるのが内宮ですね!

神宮のメインというところでしょうか。

正式名称は皇大神宮と言います。天照大御神が祀られています。

天照大御神は太陽神とも言われ、皇室のご先祖様の神様であり、我々日本人の総氏神です。

御神体は、三種の神器の一つである八咫鏡です。

天照大御神が内宮の地に鎮まったのは、およそ2000年前のことです。全国約8万社の神社の中で最大の聖域であり、全国の神社の中でも別格ですよね。

建築様式は唯一神明造と呼ばれ、日本古来の建築様式を伝えます。

そう、唯一神名造と言われるくらいなので、外宮とも造りが微妙に違うんです。それがあまりにも美しいことから、世界的建築家のブルーノ‧タウトは

「伊勢は世界建築の王座である」という言葉を遺したほどです。

内宮の入り口、五十鈴川にかかる宇治橋は、日常の世界から神聖な世界を結ぶ架け橋と言われています。

橋の両端には2つの鳥居があります。この鳥居の柱は元は正宮の棟持柱だったものを磨いて一新したものです。

神宮は20年に一度、式年遷宮を行い、内宮・外宮の社殿や鳥居、装束。すべてが造り変えられます。

第1回は飛鳥時代である690年から始まりました。応仁の乱の一時期に中断はあったものの、現在までに1300年続きこれまでに計62回の遷宮が行われました。次回は令和15年、西暦2033年です。

この式年遷宮は何のためにやるのかというと常若の精神だと言われています。

命は常に新しく美しくという日本独特の知恵と美学によって伊勢神宮は保たれています。平成25年の式年遷宮後に内宮を参拝したことがありますが檜のいい香りが御正宮一帯を包んでいました。

式年遷宮後の少しの間の期間限定の楽しみ方ですね。

伊勢神宮の入り口の宇治橋も式年遷宮時、新しくなるのですが、

参拝者が歩く橋の厚さは20年経つと、20センチくらいすり減っているそうです。どれだけの多くの方が参拝に来ているかが分かりますね!

御正宮のお参りがすんだら別宮もお参りしましょう!内宮には踏まぬ石というものがあります。

この石は宇宙からの石とも言われていて踏んだらその後良くないことが起こるなどと言われています。

真ん中に不自然にある石なので、参拝する時は気をつけてくださいね。

また、四至神 神域の四方を意味する場所です。

社殿はなく石畳の上に祀られます。

手をかざす方が多くいますが、神様をお祀りする場所ですので

「二拝、二拍手、一拝」の作法でお参りしてください。

さぁ、禊の二見浦から始まり、外宮、内宮とお参りしてきました。

実はここで参拝を終える人が非常に多いのですが、非常にもったいないです!

【お伊勢参らば朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り】

伊勢音頭でも唄われているように、まだ行くべき場所があるんです!!

その朝熊とは何かというと

朝熊岳金剛證寺


お寺!?となりますが、はい、お寺です。神宮の北東に位置しており、鬼門を護っているお寺です。

神宮の奥之院ともいわれています。

御本尊の「福威智満虚空蔵大菩薩(ふくいちまんこくうぞうだいぼさつ)」は、日本三大虚空蔵菩薩の第一位として君臨する仏様です。

要するに名高い仏様がいらっしゃいます。実はここ天照大御神も祀られている上、お寺では珍しい神鏡があり神仏習合!

最後は伊勢神宮を鬼門から護っている朝熊岳金剛證寺まできて、お伊勢参り終了といったところでしょうか。

では最後に回り方のおさらいをしておきましょう!

禊の二見浦、その後は天照大御神をお世話している豊受大御神をまつる外宮。そして皇祖神、天照大御神を祀る内宮、最後に伊勢神宮の鬼門を護る朝熊岳金剛證寺を巡りました。

お寺にも行くなんて驚いた人もいるのではないでしょうか。

伊勢神宮へ参拝する際の参考にしてみてくださいね。

それでは今回も最後まで見ていただきありがとうございました!

わかりやすい動画はこちら⇓⇓


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