吉備国一之宮 吉備津神社を楽しく紹介
今回紹介する神社は、岡山県岡山市北区にある吉備津神社です
当記事を読んでいただくと吉備津神社の見どころがよくわかりますよ
吉備津神社は備中国一宮、または吉備国一宮とも言われています
備中だけじゃなくて、吉備国と旧国に詳しい方ならピン!とくるでしょう。
岡山県はもともと、備前、備中、備後という3つの国がありました。
この3つの国はさらに時代を遡ると1つの国でした
それが吉備国です。
吉備津神社は元々、吉備国の一宮でした。
しかし、国が3つに分かれる時に神社も一緒にわかれました。
分家って感じですね
なので、本家は今回紹介する吉備津神社なんですよ。
そのため吉備国の一宮と言われています
神社の成り立ちがわかったところで、
吉備津神社を語るに絶対に忘れてはならないのが、昔話【桃太郎】
とっても有名な昔話ですね
桃から生まれた桃太郎が家来になった犬、雉、サルとともに鬼退治にいくというお話です。
この昔話である桃太郎の起源になったというのは全国各地に存在しています。その数あるなか中で最も有名なのが岡山県です。
岡山県のお土産としてもきび団子有名です。
そんな昔話に吉備津神社が関係してきます
岡山に伝わる桃太郎の起源となった物語がこちらです
吉備津神社に伝わる桃太郎伝説
むかしむかし、異国の地より来た温羅(うら、おんら)という者がいました
温羅はめちゃくちゃマッチョで、身長も高くて髪は赤くて当時の日本にはいないタイプでした
おまけに、空も飛べたそうです
その温羅はとっても不良で、吉備国に来る船やそこに住む人を襲っていました。
豪族『温羅めっちゃ強いやん、さすが鬼やん、あんなマッチョずるいて』
そこに住む、豪族も温羅を止められず、参っていました。
豪族や農民などが、『朝廷、ヘルプ!ほんま、まじ助けて!』って助けを求めました
そこで、朝廷のえらいはんが、『キミ、キビ行ってたもう』
『あいよ!まかしとき!やったろやないかい!うらぁぁうらぁぁ!!』
と答える吉備津彦さん そう、彼が桃太郎さんです
地元の豪族である、犬、サル、雉にたとえられた仲間を引き連れ、温羅退治!
京都から吉備国へ行き、温羅と戦います
激しい戦いが繰り広げられ、温羅はついに吉備津彦にとらえられます
さぁ、鬼退治完了です!桃太郎の昔話だとここで終わりますが、この温羅と吉備津彦さんの戦いには続きがあります
とらえられた温羅は吉備津彦に首を切られます
温羅『くっそ、つかまった、俺のほうがマッチョやし、空飛べるのにくっそ』(めちゃくちゃ負けず嫌いですね)
吉備津彦『ふはははは、桃太郎のモデルになるんだ、俺は!!温羅、覚悟ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉ』
ぶしゅっっっっつ
吉備津彦『やったぞ!ついにやったぞ!!!』
温羅『うぉぉぉうぁぇあおぁええおおぉぉぉ(唸り声)……』
吉備津彦『うわ、なんやこいつ、首切っても、唸ってる…こっわ…こっわ』
『ちょ、犬きて!犬!温羅のこと噛みちぎって!!』
ばく…(犬がかみつく)
温羅『どぅわあぁぁおぁぁあぁおぁおぁおぁぁえええ…』(唸り声)
吉備津彦『ぎゃぴーーーーーー!!!こっわ!!まじこっわ!!!まだ声するやんこっわ!!!埋めよ!!もう地中に埋めよ!!お釜殿のとこがええんちゃう?釜あれば出てこられへんやろ』
以上が、吉備津彦神社に伝わる桃太郎伝説のもとになったお話です
では、首を切られ、さらに犬に噛まれ、ダメ押しでお釜の下2.7mの地中に埋められた温羅の首。うめき声はおさまったのかというと…
おさまりませんでした。唸り声が地中から響き渡るのです。
さすがに困りはてた吉備津彦
そんな吉備津彦の夢枕に温羅の霊があらわれます
『おれの大好きで愛する嫁はんにお釜でご飯炊かせて
もし、願い事や困りごとがあれば、ここに参るとええわ。ええことならおおらかに鳴く。悪いことなら、荒々しく鳴く。これから、わしのことは神と扱うんや』
吉備津彦がお告げの通りにすると、唸り声もおさまり、平和が訪れました
そして この、お告げの神事は現在も続いています。それが、鳴釜神事(なるかましんじ)なのです。
この神事は祈願したことが叶えられるかどうかを釜の鳴る音で占う神事です。
釜に水をはり、湯を沸かし釜の上にはセイロがのせてあります。そこのセイロの中で器にいれた玄米を振ります。
そうすると鬼の唸るような音が鳴り響き、祝詞を言い終わる頃には音が止みます。。
この釜からでる音の大小長短により吉凶を判断しますが、その答えについては神職からは何のコメントもありません。
自分の心でその音を感じて良し悪しを判断します
鳴釜神事は温羅の首が埋まっている御竈殿(おかまでん)で行われますが、建物の内部は真っ黒です
御竈殿もともとは木目もしっかりとわかる茶色の建造物でした。
しかし、長く長く神事が続いてきて、ススが建物に着いて真っ黒になったというわけです。
元々は、黒でもなんでもなく、白木が使われていました。
この御竈殿は、江戸時代に建てられたもので重要文化財に指定されています
重要文化財の建物でお釜で玄米を炊くという神事、火を使っています
重要文化財で火を使うことを許されているのは、全国的にみても御竈殿のみです。そもそも敵の呻き声が神事になるってなかなかありませんよね。
特徴的な本殿のかたち
吉備津神社の本殿の作りは吉備津造と言い、吉備津神社だけのつくりで非常に珍しい造りとなっています。
拝殿より本殿のほうが大きくなっています。
色んな神社を参拝していて感じますが、拝殿の方が大きいことが多いです。
外から見たら大きい本殿です。写真撮影するときも思ったよりも後ろに下がらないと全体が入りません。そんな本殿ですが内部がおもしろい
本殿内部はいくつかの部屋に分かれていますが、内部は真ん中に近づくにつれて床の高さ、天井の高さがかわります
真ん中に近づくにつれて、床がだんだんと高くなり、それにあわせて天井も高くなってくるのです
日本全国を見ても唯一の建造建築となっており、国宝に指定されています
吉備津神社と言えば、この回廊がよく知られています
こんな立派な回廊なんだから、さぞかし立派な理由があると思いますよね。 実は特に意味はありません
ずばり雨風除けです笑
その途中にあるものをぜひ、見てほしいです。
それが南髄神門
この門は国の重要文化財に指定されおり、さらには吉備津神社の中で1番古い建造物です
そして、南隋神門の外側に立つと回廊がきれいに撮影できるスポットです。
そんな、写真映えスポットの南随神門…実は
桃太郎伝説の犬と雉が祀られています
その犬を下からじーっと見ている人が…
それは日本の首相であった犬養毅です
実は犬養毅は桃太郎伝説の時に吉備津彦と一緒に戦った、『犬』である人物の末裔だと言われており、犬養毅自身もそのように言っていました
ご先祖さまを下からじーっと静かに見ています
お供していたサルはどこにいるの?
サルは南隋神門にはいないです
実は猿は本殿の中にいます
本殿内部の乾御崎宮(いぬいおんざきぐう)というところで祀られています
御祭神である吉備津彦と距離が近かったのかもしれませんね
そして、この本殿にはなんと温羅も祀られています
それは艮鴛崎宮(うしとらおんざきぐう)です
吉備津神社の本殿を守護する役割として本殿四隅にそれぞれお宮があります
その一つにかつての敵である温羅もいるんですよ
かつては敵だった存在と共存している日本人の柔らかさをあらわしているようですね
今回は岡山県の吉備国一宮である吉備津神社をご紹介しました
最後まで読んでいただきありがとうございました
動画でも公開しています
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