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(雑記) 馬鹿な女

愛読書はココシャネルの名言集。プリクラとメイクと甘いものが好き。綴りを覚えるためにwednesday, wednesday, wednesdayとノートに300回書き殴る勉強法をずっと続けていた。ある海外の学校に行きたくて1年間かけて青チャートを10周したけれど、やっぱり数学が最後までできなくて落ちた。「社会課題に興味がないなんて理解できない!」と言いながら、自分が興味があるのは苦しんでいる人のいる現場だけで、それが現実になる司法、立法、行政の仕組みは何度も同じ箇所を読まないと理解できない。倫理は得意だったけれど、権力争いに全く興味がなく世界史の成績は悪かった。慶應法学部のAO入試では、政治についての質問をされても全く分からなくて、持ち前の愛想笑いでなんとか誤魔化し「こんな私に時間を割いていただきありがとうございました。本当に光栄な経験でした」とお辞儀をして面接室を去り、最終的に奨学金付きで合格した(入学はしていない)。レッドオーシャンで勝てる頭がある人間じゃない。そう分かっていたからこそ、自分の持っているもの、共感力とか洞察力とか、を生かそうと必死だった。

ピンク色が好き、それだけで小学生の時一時期産婦人科を目指していたことがある。ふわふわあったかくて柔らかい平和な社会でずっと生きていけたらいいなと思っている。「みんなが笑顔になれる社会を」なんていうスローガンを掲げた私以外の人もまた、そんな柔らかい非競争的な社会で心地よさを感じる人だ。

だけど実際の社会の意思決定の場にそんな人はいない。マクロな視点、リーダーシップ、数学的思考、私たちに無いものを持った、現存の社会で評価される人たち。彼らを前にしたとき、私たちは見下されるか、はたまた「そこにいるだけで華やぐ女の子枠」でそこに入れてもらうかしかない。

絶対に埋まらないこの壁 - 自分みたいな思考を持つ傾向にある人が社会の意思決定にいないということ - を埋めるためには、自分が「向こう側」で戦える人にならなきゃいけない。そう思って経済学専攻を志望したものの、一生このグラフと向き合っていくのかと思いプツッと切れてしまって今こうしてnoteを書き殴っている。(来週は中間試験!勉強しなきゃいけないのにね!!!!)

4月から9月まで在学したお茶の水女子大学には、経済学部も政治学部もなかった。あるのは家政学部を前身に持つ「生活科学部人間生活学科」だけで、家庭に関する法律やジェンダーに関する経済学等を学ぶことができる。お茶大の中で「バリキャリ」と呼ばれる人間生活学科ではあるが、財政政策や金融政策を学ぶ人はいない。 「女の子」として育てられた人にとってあまりにもかけ離れた学問なんだろうと思う。今いるアメリカの女子大は学問に性別役割職が本当に少なく、数学や経済理論の授業を3年間取ってやっと4年目に社会に基づく経済が学べる。3年間のモチベがどうも保てそうにない。

「それって根拠ないじゃん」「それ感情論でしかないよね」「それって経済成長と両立できないじゃない」「理想論ばっかり言ってないでさぁ」何百回も言われた言葉が頭にこびりついていて、いつからかそんな言葉を黙らせるためだけに学問に取り組んでいる気がする。この1年間、サイエンスに近い社会科学(経済学)であろうと、ヒューマニティに近い社会科学(歴史学、社会学など)であろうと、そこに誰もが黙る絶対的な真実はないということを大学で学んだ。それならば自分の肌に合う学問で戦っていけばいいのにというのも正論なのだが、学問的地位の低い文系科目だけで戦っていける自信がない。大学でたら学部なんてどうでも良いことなんて分かってる。だけどもし大学院に行くとした時、ジェンダー学や社会学の院に行った女がどれだけ叩かれるかは想像が容易だ。

つくづく現在の社会の優秀さは俗にいう男らしさのようなものがあるか否かで測られていて、俗にいう女らしさのようなものは優秀さの評価基準じゃないんだなと思う。「男女平等を達成する」といったとき、それは大抵「(男らしさが正とされる)社会で、女の子だって活躍すべき!」ということを指す。それと同時に男子の非筋肉質化ももっと進めていくべきだといつも思っている。

いつか見た政治意識調査のアンケートでは、政治に「関心がある」のは女性のほうが高かったけれど、実際に知識があるのは男性のほうだった。大卒女性の政治知識は中卒男性のそれと同じくらいらしい。だから、向いてなくても、それに向くように育てられなくても、無理やりにでも頭をそっちのほうこうに持って行って、それを面白いと思えるように頑張らなくちゃいけないんだと思う。

政治家になりたいとか最近よく言ってるけれど、向いていないことなんて百も分かっている。向き不向き、楽しいか楽しくないかだけで判断するとすれば、わざわざ生まれた時に敷かれたルートを逸脱することなく看護師か保育士になるべきだったと思う。貧しい人に愛を与えたい、それだけならケアギバーがそれを一番近くで出来る仕事だから。だけどなぜかそれで満足しなかった、その愛をもっと広い範囲の人が当たり前に受け取られる世界を作りたかった、そしたらケアギバーには必要とされないものも無理やり手に入れていかなきゃいけないんだよね。話を聞いてもらうためには力を持たなきゃいけない。

男子だけのLINEグルにいれてもらったとき、女子のことを性器の名前で呼んでたこと、結構前だけどたまに思い出す。諦めて自分の好きなこと専攻出来れば良かったなって思ってもいるよ。ただ、「馬鹿な女」で終わりたくないだけ。

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山邊鈴
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