適切なインフラコスト難しいなと思って、上場企業約30社分のサーバー費用を調査した💻
ごぶさたしてます。浅香 (@__asachi__) です。
ひさびさにnoteを書きました。
最近、会社・事業のインフラコストをどう評価するかという話に社内でなって、実際各企業どんなもんなんだろうなと気になり、IR資料から頑張って漁ってきました。
インフラ代金考えたくて各社IR見てたら、公開している企業一部あった。
— Naoki Asaka (@__asachi__) March 10, 2023
▼ネットサービス
ギフティ：1.7億
Retty：1.4億
▼動画/配信
ツイキャス：4.4億
※3/4半期
▼ゲーム
Aiming：3.7億
ビジネスモデルに対して、売上or売上原価比率とかみんなどう決めてる/見てるのかな。SaaS40%ルール的な。
せっかく色々と見たので、記事化して公開&気になった事例等含めて書いていこうかなと思います。(調査したときに、まとめたSpreadsheetが下部にあります)
(追記)そもそも詳細な可視化&どう最適化していくかは難しいなと思ったので、そのあたりを支援するFinOpsツールをさっと作ってみました。
https://clacos.dev/
TL;DR
上場企業のインフラコストを調べた
規模・業態問わずで30社くらいのデータを発掘できた
集計対象のうち最も費用が高かったのはゲーム会社アカツキで約11-12億/年
次点はツイキャス運営のモイで約5.8億/年
気になったニュースとしては、「メメントモリ」が流行ったため、BANK OF INNOVATINが直近四半期でサーバー費用が3億円/四半期(前年同期比1,153%)になっていた
各種会計項目に対してサーバー費の比率が安定しているのは、GunosyとGameWith
売上原価に占めるサーバー費用割合が高いのは、AI Insideとギフティ
※売上原価に何を含めているかは個社に依るのであくまで参考
各社なるべく事業と連動して費用が上昇するようには設計・運用しているとは思うが、適切な予算設定・項目に対する割合設定と管理は難しそうだ…
もうちょっと踏み込んだ分析をしたかったが、いったんまとめだけ…
はじめに
データソースはこんな感じです。
決済説明会資料
有価証券報告書/届出書
決算短信
上場時の決算情報お知らせ等の適時開示
調査項目はいったん下記の通りです。
サーバー費(四半期もしくは通期)
売上、売上対比
営業費用(販管費＋売上原価)、営業費用対比、売上原価対比
評価軸としては悩み中だけど、下記あたりを見れると本当は良いのではと思っています。一部は情報が開示されていないから難しい…
ソフトウェア系事業部門のみの売上対比
売上原価対比
ビジネスモデルとインフラの関連性
ビジネスKPIあたりのインフラコスト (*)
(*) FinOpsでは「ユニットエコノミクスを見ろ」と言われています。
refs : https://enterprisezine.jp/article/detail/14813
本編
さて、本編です。
認知している企業さんの方がイメージも付きやすいと思うので、認知度を考慮して抜粋して書いていきます。
注：表中の金額単位は百万
表にしたくてgistで埋め込んでるんですが、ちょっと表示遅いかも…
カオナビ
タレントマネジメントツール「カオナビ」を提供している企業。
集計期間：2022年3月期(2021/4 - 2022/3)
年間で約1.1億円でした。
ちなみに2023年3月期は3/4Q経過時点で約1.16億円で微増傾向でした。
IR情報はこちら
AI Inside
「DX Suite」などを提供するAI×OCRで知られる企業。
集計期間：2022年3月期(2021/4 - 2022/3)
年間で約1.67億円でした。
Q2だけ上がっているのが気になるところですね。(有価証券報告書に書いてませんでした。)
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rakumo
Google WorkspaceやSalesforce等のグループウェアを機能拡張するツール「rakumo」を提供。
集計期間：2022年1月期(2022/1 - 2022/12)
年間で約6,100万円でした。
段階的に徐々に費用が上がっていっていますね。
ちなみにrakumoは決済説明会資料に
原価部門におけるSaaSサービスの変動費率（「Google向けのサーバー費用+プラットフォーム利用料（セールスフォース社）÷SaaSサービス売上高）は、2022年期末時点で10.6%となり、SaaSサービスにおいて高い限界利益率（約90%）を実現
という記載をしています。
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モイ(ツイキャス)
ライブ配信サービス「ツイキャス」の運営企業。
集計期間：2023年1月期(2022/2 - 2023/1)
年間で約5.81億円でした。
サービス柄大きいですね…。
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ギフティ
eギフトプラットフォーム「giftee」の運営企業。
集計期間：2022年1月期(2022/1 - 2022/12)
年間で約1.72億円でした。
徐々に増加傾向。
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Retty
グルメ情報サービス「Retty」の運営企業。
集計期間：2022年9月期(2021/10 - 2022/9)
年間で約1.38億円でした。
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Gunosy
キュレーションサービス「Gunory」等の運営企業。
集計期間：2022年5月期(2021/6 - 2022/5)
年間で約4.55億円でした。
大量トラフィック・情報ソースだし、アドネットワークもやっているので割と良い金額ですね。
ちなみに結構前の資料から、サーバー費用を開示しています。
調査の中で各種比率がブレが少ない企業でした。
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GameWith
ゲーム攻略情報サイト「Gamewith」等の運営企業。
集計期間：2022年5月期(2021/6 - 2022/5)
年間で約1億円でした。
かなり安定していますね。
こちらもGunosy同様、各種比率のブレが少ない企業でした。
ちなみに2023年4月期は2/4Q経過時点で約5,700万円で、売上成長に伴い微増しています。
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アカツキ
スマホゲームの開発やコミック事業等を行うエンタメ企業。
集計期間1：2020年3月期(2019/4 - 2020/3)
集計期間2：2021年3月期(2020/4 - 2021/3)
集計期間3：2022年3月期(2021/4 - 2022/3)
※通期の有価証券報告書でのみ開示されていたため年間での費用
年間で約12億円くらいでした。規模がデケェ…
比較的安定していますね。
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BANK OF INNOVATION
「恋庭」「メメントモリ」等のスマホゲームの開発を行うゲーム会社。
集計期間：2022年9月期(2021/10 - 2022/9)
年間で約1.41億円でした。
おそらく恋庭の成長・メメントモリの開発に伴い、サーバー費用が増加していそうです。
メメントモリが爆当たりしており(売上で前年同期比17倍ｗ)、2023年9月期の1/4四半経過時点で約3億円(前年同期比約12倍)になっています。ブリッツスケール🚀
売上成長率が凄まじいからか対売上比率で見ると 3.59%で減少傾向にあるのですが、対売上原価については9.13%まで上昇しています。
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さいごに
みなさんの企業では、予算策定・管理時のロジックや妥当性をどうしていますか？
ぜひ、そのあたりコメントで教えて/議論/ヒアリングさせてください！
Spreadsheetにまとめた&今回やりきれなかった情報部類や項目での分析・評価もやっていきたいので、需要があれば権限申請リクエストしてください！
こんな感じに個社ごとにまとめています。
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