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ディグ・モードvol.73「クリスチャン ワイナンツ(CHRISTIAN WIJNANTS)」

クリスチャン ワイナンツ(CHRISTIAN WIJNANTS)は、2003年にクリスチャン・ワイナンツ(Christian Wijnants)が設立したアントワープ拠点のファッションブランド。周りにあるさまざまなものを着想源としてコレクションを制作し、これまで数々の賞を獲得してきたデザイナーは、世界中の女性に服を着せて幸せにすることで、自身の夢を追い続けたいと考えている。


身の回りのすべてが着想源

2021年リゾートコレクション(Courtesy of CHRISTIAN WIJNANTS)

1977年にブリュッセルで生まれ、アントワープ王立美術アカデミーのファッション科を卒業したクリスチャンは、自身のレーベルを立ち上げる前、ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)で経験を積んだ。

彼のデザイン プロセスは、いつもリサーチから始まる。色やテーマを選んでスケッチに取り掛かり、生地を使ったダミーのドレープや、フィッティングの際にモデルに直接成形していく作業が頻繁におこなわれる。コレクションはアーカイブ作品がカスタマイズされることで継続性を帯びている。

クリスチャンはデザイナーとしてトレンドは追っておらず、個人的な探求を好む。建築、本、映画、以前のコレクションなど、周りにあるさまざまなものが彼の着想源だ。「最近私に大きな影響を与えたのは、メキシコシティで開催されたアーティスト、ウルス・フィッシャー(Urs Fischer)の展覧会です」と彼は『FASHIONUNITED』で語っている。

数々の賞を獲得

2021年春夏コレクション(Courtesy of CHRISTIAN WIJNANTS)

これまでデザイナーは多くの賞を獲得してきた。たとえば、2005年にデザイナーの登竜門であるスイス・テキスタイル・アワード(Swiss Textiles Award)、2006年にフランスの権威あるデザイナー賞として知られる、フランス国立モード芸術開発協会主催のANDAM賞、2013年にインターナショナル・ウールマーク賞を獲得した。

クリスチャンはコレクションでニッティングを使用したり、ジャカード デザインやインターシャ ニットを作ったり、新しいステッチを開発したりすることを好んでいる。彼は天然素材を用いることが多く、作品はオーセンティシティとラグジュアリーのミックスだ。

世界中の女性に服を着せて幸せにしたい

2020年春夏コレクション(Courtesy of Robin Joris Dullers)

デザイナーは身の回りから得たインスピレーションとあらゆる抽象的な感情によって、まだ存在しない女性とそのシルエットを想像しようとしている。「私は彼女が何を着るか、彼女が人生で何をするか、彼女が誰であるかを想像し始めます。この想像上の女性のためにデザインするのはとてもエキサイティングです」と彼は『Delood』のインタビューで語っている。

クリスチャンはデザインに関して民主的な精神を持っており、それが彼の名を冠したブランドの夢を形作ってきた。「世界のさまざまな地域のさまざまな世代のクライアントに服を着せるというアイデアが大好きです。世界中の女性に服を着せて幸せにすることで、夢を追い続けたいと思っています」と彼は英国版『VOGUE』で語っている。

設立20周年、ブティックを増やすことが目標

クリスチャン・ワイナンツ(Courtesy of Marzena Skubatz)

2023年1月、クリスチャンはベルギーのファッションブランドであるメゾン ウレンス(MAISON ULLENS)のクリエイティブディレクターに任命された。彼にとってメゾン ウレンスは品質が非常に高く美しいニットを製造し、多くの素晴らしい工場と協力しているブランドであり、このコラボレーションを歓迎していると説明している。

設立20周年を迎えた自身のレーベルについては、ベルリンに2番目となるブティックをオープンさせた。ブティックに行って買い物をし、製品を見るという購買体験を好むデザイナーにとって、ネットビジネスも成功しても、あと2〜3年で3号店、4号店、5号店を出店することが目標だ。クリスチャンは今後パリにも店舗をオープンさせたいと意気込んでいる。

この記事は、フリーランスで翻訳や海外アパレルブランドの日本向けPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、自身のファッション業界に対する見識を広める目的で書いたものです。

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