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ディグ・モードvol.66「レジーナ ピョウ(REJINA PYO)」

レジーナ ピョウ(REJINA PYO)は、2014年にロンドンを拠点とするソウル出身のデザイナー、レジーナ・ピョウ(Rejina Pyo)が設立したブランド。エフォートレスで、知的で、穏やかに自信を持っていることがブランドの美学。ピョウは着る人のことを考えてデザインし、ブランドの設立当初からアクセシビリティを信条のひとつに掲げている。


アパレル会社で働き、CSM留学

2021年プレフォールコレクション(Courtesy of REJINA PYO)

ソウルの江南地区で生まれたピョウは、ファッション デザイナーとして働いていた母のアトリエで、布地やスケッチに囲まれて育った。幼い頃から裁縫を学び、自分の作品をデザインし、14歳のときに初めてドレスを製作。彼女はいつもファッションデザイナーになりたいと思っていた。

弘益大学で芸術を学んだ後、ピョウは韓国の大手アパレル会社に就職した。雑誌やファッションショーを見て、当時の大物デザイナーはほとんどがロンドンのセントラル セント マーチンズ(Central Saint Martins以下、CSM)出身であることに気づいた彼女は、その数年後、CSMに留学し1年間のコースを受けることに決めた。

2022年フォール コレクション(Courtesy of REJINA PYO)

ピョウは裕福な家庭で育ったわけではなく、海外に留学する余裕はなかった。しかし、彼女は自分で働きながら貯金し、ロンドンでは友人と同居することによって、留学を実現させた。CSM入学後、ピョウは有名なルイーズ・ウィルソン(Louise Wilson)教授のもとで学んだ。

「CSMで過ごした時間は決して楽なものではありませんでした。熾烈で競争が激しいですが、学校はそれを変えるつもりはありません。私は今そこで授業を教えていますが、自分の経験を新入生と共有できるので素晴らしいです」と彼女は『METAL Magazine』のインタビューで語っている。

卒業後、ロクサンダで経験を積む

2023年スプリングコレクション(Photography by Daniele Oberrauch / Gorunway.com)

2011年にピョウが発表した卒業コレクションは、H&Mが所有するブランドWeekdayの注目を集め、カプセル コレクションでのコラボレーションに招待された。その後すぐ、ファッションとアート分野の最先端で働くデザイナーの優れた作品を表彰する、ハンス・ネフケンス・ファッション・アワード(Hans Nefkens Fashion Award)を受賞した。

CSMを卒業後、彼女はロクサンダ(ROKSANDA)でウィメンズ ウェアのデザイナーとして働いた。当時は小さなブランドだったため、大きな高級メゾンよりもはるかに多くの部署の様子を目の当たりにでき、自身の会社を立ち上げるにあたってかけがえのない経験となったとピョウは説明している。

服を着る女性のことを考えてデザイン

2022年スプリングコレクション(Courtesy of REJINA PYO)

デザイナーはロンドンに住み、そこをいつも我が家のように感じている。ピョウにとって、ロンドンは毎日新しいことが起こる素晴らしい街で、たくさんのインスピレーションを得られる場所だ。

彼女はデザインをするとき、服を買って着る女性のことを考えている。エフォートレスで、知的で、穏やかに自信を持っていることがレジーナ ピョウの美学だ。彼女が魅了されている抽象芸術もまた、作品に常にインスピレーションを与えてきたとデザイナーは説明している。

アクセシビリティはブランドの信条のひとつ

レジーナ・ピョウ(Photography by Danny Kasirye)

ブランドの設立以来、アクセシビリティは中心的な信条のひとつであり、それはピョウの実体験に基づいている。彼女が欲しかった服は友人たちも買う余裕のないほど高額で、1着で1か月分の給料がかかり、着用してそれを台無しにするのが怖いと感じていた。

「ブランドを立ち上げたい場合は、高価なラグジュアリー、またはアクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIO) のデニムやセオリー(THEORY)のスーツなど、より手頃なプレミアムスタイルであるコンテンポラリーとして、自分自身をポジショニングするのが最善の策でした」とピョウは英国版『ELLE』で語っている。

デザイナーは自分のレーベルを生涯にわたるプロジェクトと考えており、そのすべてを楽しんでいる。

この記事は、フリーランスで翻訳や海外アパレルブランドの日本向けPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、自身のファッション業界に対する見識を広める目的で書いたものです。

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