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ディグ・モードvol.103「シューティン チウ(SHUTING QIU)」

シューティン チウ(SHUTING QIU)は、2017年に中国出身デザイナーのシューティン・チウ(Shuting Qiu)が設立したファッションブランド。アントワープシックスに憧れてベルギーに留学し、デザイナーの夢を叶えた彼女は、毎シーズンより良い持続可能性基準を新しく設定し、文化の多様性と強くてロマンチックな女性を称賛し続けている。


アントワープシックスに憧れて

2019年スプリング コレクション(Courtesy of SHUTING QIU)

シューティンは中国の杭州で生まれ育ち、物心ついた頃からファッションに情熱を持っていた。母はいつもファッション雑誌を買い、ショッピングやドレスアップを好んでいた。シューティンはファッションデザイナーになりたいと考え、ベルギーで最も有名な6名のファッションデザイナーであるアントワープシックスに真の憧れを抱いていた。

彼女はアントワープにある王立芸術アカデミーに進学し、ファッション学科でベルギー人デザイナー、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンクのもと、ものづくりを学んだ。ファッションデザイナーにならなければ後悔すると思っていた彼女は、2017年に学士号を取得し、その目標を達成した。

VFILES RUNWAY 10 SS19 NYFW バックステージ(Courtesy of SHUTING QIU)

彼女の学士号コレクション「She Lives In A Wonderland」は、映画『The Desert Flower』と、マラケシュからサハラ砂漠へのロードトリップが着想源だ。シューティンは、ワンダーランドに住んでおり優しくロマンチックな側面を持つ、自信に満ちた強い女性を描いた。

このショーは注目を集め、卒業後に自身の名を冠したブランドを設立して以来、彼女は数々の賞を受賞した。2018年にはニューヨークファッションウィークでVFiles Runway 10賞を受賞し、2019年と2020年のH&Mデザイン賞のファイナリストに選ばれ、2021年にはLVMHプライズのファイナリストにも選出された。

コントラストを服に融合させる

2023年スプリング コレクション(Courtesy of SHUTING QIU)

シューティン チウのコレクションは、明るい色、生き生きとした質感、カラフルなパターンを取り入れた生地が特徴だ。「これが私のアイデンティティだと思います」とシューティンは『Interview Magazine』で語っている。彼女の趣味のひとつは絵画で、デザイナーにとって絵を描くことは毎日食事することと同じだ。

デザイナーの着想源は、彼女が好きなビジョンを持つ女性アーティストや作家であることが多く、個人的な経験や文化的背景からもヒントが得られている。シューティンのクリエイティブなビジョンは、大胆でありながら優しく、力強くてロマンティック、強くて陽気など、明らかなコントラストをシームレスに服と融合させることだ。

持続可能性のより良い基準を確立していく

2022年フォール コレクション(Courtesy of SHUTING QIU)

服づくりにおいて、シューティンは世界中から集めた再生生地やイタリアとフランスのサステナブルな生地を使用している。ハンドメイドの刺繍はインドで作られており、杭州と蘇州の職人たちとも協力している。

デザイナーは、環境を保護するための持続可能なビジネスを構築する責任があると同時に、社会やコミュニティをサポートし、工芸品、職人、伝統を保護する責任もあると考えている。そこで彼女は毎シーズン、新しくより良い持続可能性基準を設定し、それを中国でさらに推進しようと努めている。

シューティン・チウ(Courtesy of SHUTING QIU)

今後のコレクションに取り組むシューティンの目標は、持続可能性のより良い基準を確立し、価値観を共有する人々のチームとコミュニティを作ることだ。「私は文化の多様性と、強くてロマンチックな女性を称賛し続けたいと思っています」とデザイナーは『WU Magazine』のインタビューで語っている。

この記事は、フリーランスで翻訳や海外アパレルブランドの日本向けPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、自身のファッション業界に対する見識を広める目的で書いたものです。

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