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『 リード歴1年半で5.14aを登るためにやったこと 』
こんにちは、のぼるきょじんです。
のぼるきょじんは、ボルダリング・リードクライミング・山歩きなどクライミングをメインとしたアウトドアアクティビティに身を投じているクライマーです。
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普段の活動はYoutubeにて公開していますので、ぜひご覧ください!
さて、完全に存在を忘れていたこちらのnoteですが、久しぶりにログインをしてキーボードを叩いております。
instagramやYoutubeは定期的に更新しているのですが、noteの更新は忘れがち…。
元々、人に何かを伝えたり発信するのは好きなタイプですが、文章を書くという文化からやや離れてました。
mixi(今の若い人は知らないよね)の日記とかべらぼうに書いていた時期を思い出しながら言葉を並べております。
今回の内容はYoutubeで動画にするのも有りかなと思ったんですが、自分自身の考えを一度整理する意味も兼ねてnoteに記すこととしました。
テキストの方が後から見返しやすいかなと。
さて!
今回のトークテーマは『リード歴1年半で5.14aを登るためにやったこと』です!
『5.14a』というグレード。
コンペティターや幼少期からクライミングを嗜んでいるクライマーは別として、社会人クライマーでこのグレードに到達できる人は何%いるんでしょうか。
私の中で、ボルダー四段・リード5.14aは大きな目標であり、憧れでした。
私は『リード歴1年半』で「パチンコゲーム5.14a 」を登りました。
パチンコゲームは御前岩(奥多摩)にあるスポートルートであり、クラシックで大変人気なルートです。
このnoteでは、私がどのようにリードクライミングと出会い、5.14aを登り切るためにどんなことを行なったのかを事実ベースでお伝えしていきます。
この記事に辿り着いてくださったクライマーの皆さんの参考になれば幸いです。
読んでいただくとすぐ分かると思いますが、私は感覚派楽観思考クライマーです。
クライミングに関してはそこまでロジカルに取り組んでいません。
結構適当です。
長期目標を据えてどっしり取り組んでいくタイプではなく、その場その場で目の前の楽しいことに全力投球していくタイプ。
人によっては全く参考にならないかもしれないですが、その辺りは予めご了承ください。
のんびりツラツラと取り止めのない内容になるかと思いますが、ぜひゆるりとお付き合いくださいね。
ゆっくりしていってね!!!
[ のぼるきょじん基本データ ]
はじめましての方も少なくないと思いますので、
まずは私がどんなクライマーなのかを簡単に紹介していきます。
元々は生粋のボルダラーだった私ですが、山梨への移住後にリードクライミングをメインに活動をするようになりました。
本題に入る前に、まずはきょじんがどんなクライマーなのかを知ってもらわねばなりません。
クライミング経歴をざっくりと振り返っていきましょうか。
・ クライミングスタート
時を遡ること11年前、きょじんクライミングを始める。フゥー!
(2013年クライミング開始、当時25歳 )
ここでいうクライミングはほぼほぼボルダリングです。
友人に連れられ東京都にある品川ロッキーさんへ足を運びました。
球体の壁におったまげた思い出。
(昔はクライミングエリアが半分しかなかった)
事の発端は趣味の山登り。
社会人になり友人と一緒に山登りをするようになったのですが、慣れてくると徐々に険しい山々にも足を運んでみたくなるのが人間の性というものです。
目指すは北アルプスの岩稜帯。
アルプス!高所!岩岩岩!ぐわー!
そうです、「いつかは岩っぽい高い山を歩いてみたい!」って思ったんですね。
目指すは槍ヶ岳!ジャンダルム!剱岳!etc…
その頃の私は山岳会等には属していなかったので、友人と素人同士での山行がほとんど。
雑誌やネット記事で齧った知識でなんとなく山を歩いている素人です。
どこにでもいる普通の登山者。
しかし素人なりに「このまま突っ込んだら大変な目に会いそうじゃない?」と危機感知センサーがビンビンに反応。そう、ビンビンに。
いろいろ調べた結果、
『よし、まずはボルダリングジムで練習しよう!』となったのでした。
ナイス、若かりし日の自分。
そんなクライミングとの出会いから物語は始まります。(大袈裟)
・ ボルダリング漬けの日々
そんなこんなで無事(?)クライミングと出会い、その魅力にどっぷりと浸かっていきます。
初めてボルダリングを体験し、その翌日には四ツ谷のデナリさんにシューズ買いに行きました。
ナイスなスピード感。
その当時はクライミングシューズはキツければキツいほどいいという時代だった為、痛みに悶絶するレベルのサイズ感で登ってました。
泣いてた。
よくやめなかったな自分。
(そのシューズは割とすぐに使用を中止して新しいの買いました。ファック)
クライミング、その魅力は底なし沼の如くみるみるのめりこみ、
岩登りにも夢中になるのにそう時間はかかりませんでした。
友人と共に、時には1人で岩に行きまくり、気づいたらクライミングジムで働き出し、海外ツアーなんかも行っちゃってあっという間に生活の中心がクライミングに。
(ここでいうクライミングは、99%ボルダリングです。)
リードは夏のオフシーズンに数回嗜んだことがある程度。
毎回エイトノットのやり方から学び直しのレベル。
休みが不定期でパートナーを見つけにくいこともあり、リードに熱中することはありませんでした。
ボルダリング熱は冷める事なく精力的に活動を続け、
ついには『四段』を完登できるレベルのクライミング能力を身につける事ができました。(2017年12月 『蜥蜴 四段』完登 /御岳渓谷)
とは言っても、打ち込んで打ち込んで打ちのめされてやっとこさ登れるようなレベルです。
今でもタイプの合わない課題は初段以下でも余裕で敗退しますしね。
・ 山梨へ移住
いよいよ人生は次のステージへ。
離職を機に岩資源豊富な山梨への移住を決断。
2022年5月に山梨県甲斐市へと移住しました。
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この先の未来のことは誰にも分かりませんが、
少なくとも現時点で山梨移住は素晴らしい選択だったと自負しています。
・とにかく岩が近い
・あちこちに友人が増えパートナーに困ることは少なくなった
・控えめに言って一年中岩を登れる
岩場が近くなったとこで、岩に行くハードルが下がった事が大きなメリットですね。
金銭的にも、体力的にも、精神的にも。
旧居のある千葉県船橋市から1人で岩に行くと、一撃2万円吹っ飛んでましたし、
渋滞で肉体的にも精神的にも削られるという。
今は小川山往復してもガソリン代1,000円程度です。(ハイブリッド車万歳)
ここら辺の話は、Youtubeで動画がありますのでお暇な方はぜひご覧ください。
さて…、そろそろ「いつになったらリードの話するんだ」って思われていそうなのでリードのお話をしましょう、そうしましょう。
・ リードを本格的に始める
それは山梨に移住して初めての梅雨時期のこと。
ボルダリングに快適なシーズンは終わり、何をしようかと迷っていたわけです。
生粋のボルダラーだった私は、例年梅雨頃〜8月下旬まではシーズンオフで岩に行く頻度が激減。
ジムトレの季節というやつ。
しかしながら、せっかく岩場の近くに住んでいるのだから一年中岩が触りたい。
プラスチックなんか触りたくない!
『そうだ、リードしよう!』
そうなるのは自然な流れでした。
ほとんど使用せず眠っていたハーネスとロープ、クイックドローなどを引っ張り出し、瑞牆・カサメリ沢へ。
クライミング歴(ボルダリング歴)9年目の出来事でした。
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久しぶりのリードは一生パンプしてた。
この年は夏の間、リードと登山の二本立てで自然との触れ合いを楽しむことになります。
夏場のリードクライミングはそれなりに暑いもののボルダーほどの不快感はなく、何より岩に触れるだけで幸せなわけです。
涼しくなったらボルダーモードに戻ろうそう思っていたのですが、夏の終わりに転機が訪れます。
・ ブラッドラインとの出会い
ある日、瑞牆カサメリ沢の奥地に聳え立つある岩のラインが目に止まる。
軍艦岩をご存知だろうか?
「軍艦岩」はカサメリ沢の人気ルートが揃う「コロッセオ」のさらに奥にある岩で、取り付きから見上げるその岩の姿はまさに軍艦を思わせる風格。
この夏、友人と共に『ブラッドライン』というルートをトライし始める。
グレードは5.12d。
ボルダラーの自分には少々荷が重いグレードではあるものの、キリッと聳え立つカンテラインが格好良く登攀意欲をそそられた。(ち●こっぽいけど)NDDやトップガンなどの人気ルートとグレードは近いものの、他に比べるとあまり人気がない印象。
しかしながら、
・緊張感のある出だし(1ピン目が高く、取付き大体濡れてる)
・甘いホールドを捌いていくカンテライン
・豪快なハング越え
・ダメ押しのスラブ
と、ブラッドラインはユニークで内容に富んだルートだったのです。
力押しでは突破できないポジショニング系の能力、そして様々なシーケンスに対応する持久力が必要に思えた。
トライを始めてすぐに察知したことは、「自分には持久力が足りていない。それも圧倒的に。でも何となくムーブはできる。」という事だ。
(正しくは持久力では無くレスト技術のような気もする)
トライ当時は、一般的なリードクライマーがレストするであろうホールドで上手くレストをすることが出来なかった。(一生回復しないマンだった。)
そしてクリップも恐ろしく下手。
これは単純にリード経験の少なさから来るものなのだが、このルートは後半にパワーを消耗するハング越えのムーブが待ち受けているので、レスト技術の向上は必須事項に思えた。
トライを始めた当初は下部のカンテパートが鬼門かと思っていたが、ここは数日のトライにて最適化に成功。
ちなみに、この下部のパートはめちゃくちゃ面白い。
問題はラストのスラブパートだった。
単発でやっても確率の低いムーブが、繋げてくるとなおさらハード。
そして、核心のスラブは陽当たりがよく灼熱地帯。
季節は8月ど真ん中、夏の暑さが完登を遠ざけた。
それでも、トライ続けるとトライごとに小さな発見があるもので、少しずつ完登へのピースが集まってくる。
この感覚が非常に新鮮でリードクライミングの世界にみるみる引き込まれていった。
(ボルダリングだと地上1m以下で1日が終わることとかザラにありますからね)
そして、暑さの残る9月中旬、
最後のスラブパートは土壇場でムーブをまるっと変更し、遂に軍艦岩の上に立つ事が出来た。
ムーブの探求大事。YES!
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この当時、クリップは下手くそでレストがレストにならないような登りだったが、やればやるほど面白くなっていくリードクライミングに思いっきりハマった瞬間だった。
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ブラッドラインの完登動画こちら!
・ ハイシーズンもリードに傾倒
さあ、夏のリードトレも終わりボルダーに移行するかと思いきや、ここで更なる転機が訪れます。
この夏、カサメリ通いをしていた事で新たなクライマーコミュニティが形成されていました。
ここで知り合った友人たちがみんな素敵な人々で、ボルダーシーズン入るけどもうちょい一緒に登りたいなと思ったんですね。
ブラッドラインが登れ一区切り付いたことでその友人たちに誘われ「御前岩」へ行くことに。
出会ってしまうんですよあのルートに。
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そうです、「アスリーツボディ」です。
言わずと知れた御前岩の看板ルート。
エレファントロックの東面と北面の境にある大迫力のカンテライン。
あの岩を見たらクライマーなら絶対に登りたくなる、そんなルートです。
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トライ初日でムーブ自体は早々と完成したのですぐ登れるかと思いきや、持久力に難ありの私ですのでハマりにハマってしまいました。
核心を越えて落ちまくりでした笑
ボルダラーあるある発動…
「人と核心が違う!」(キリッ
ぎぶみーじきゅうりょく…
そんなこんなでアスリーツボディ(5.13a)に通い、
その流れでGya-Gya(5.13b)を登り、
ついでに誉(5.13c)に打ち込むという。
ボルダーそっちのけで御前岩で登り、すっかり(?)リードクライマーの仲間入りを果たしたというわけです。
そして翌シーズンの冬にパチンコゲームを打ち込むことになります。
リードとボルダーを3:1くらいの割合で楽しみつつ2023年の秋冬シーズンを迎えました。
【パチンコゲーム完登までに登った主なルート】
・スポートルート
プラズマ火球 5.13c (小川山)
誉 5.13c (御前岩)
神の手 5.13c (瑞牆)
GYAGYA 5.13b (御前岩)
息吹 5.13b (瑞牆)
カリスマ 5.13a (太刀岡山)
トップガン 5.13a (瑞牆)
マナ 5.13a (小川山)
エンドルフィン 5.13a (小川山)
アスリーツボディ 5.13a (御前岩)
ケレンジ 5.13a (城山)
龍脈門 5.13a (瑞牆)
DAIJA 5.13a (御前岩)
ブラッドライン 5.12d (瑞牆)
ポコチン大魔王 5.12d (城山)
・トラッドルート
アメジストライト 5.12c (昇仙峡)
スーパーイムジン 5.12b (小川山)
バナナクラック 5.11d (小川山)
イムジン河 5.11d (小川山)
蜘蛛の糸 5.11c (小川山)
上記ルートの中で、特に内容が良かったと思うのは、
・カリスマ
・息吹
・プラズマ火球
・アスリーツボディ
この4ルートが自分のクライミングを大きく成長させてくれたと思ってます。
どれも打ち込んだし、沢山試行錯誤をした。
クライミングの面白さが詰まったおすすめルートです。
リードクライミングを始めて1年そこそこで沢山の高難度ルートに挑戦しました。
ショートハードなルートや、持久系ルートなど様々なタイプに触れましたが、
私が得意とするルートは【薄かぶり〜どっかぶり】系みたいです。
うん、今気づきました。
その辺りもこの後しっかり触れていきたいと思います。
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さあ、いよいよパチンコゲームのお話に移りましょうか。
だいぶ前振りが長くなってしまいましたが、「リード歴1年半が5.14aをのぼるためにやったこと」の本題に触れていきます。
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