結局rebocapってどうなの?
VIVEやuni-motion、Haritoraなどの様々なトラッカーが販売されていますが、主にIMU方式のトラッカーはお手軽で、初めての方にも手に取りやすいかと思います。
そんな中彗星のごとく現れたフルトラデバイスの『rebocap』。
半年近くHaritoraXワイヤレスを使用した筆者目線で、rebocap、結局どうなの?というところを紐解いていければなと思います。
rebocapの主な情報
情報
価格 約30,000円 送料込み32,989円(多少の変動あり)
重さ 約20グラム
バッテリー容量 300mAh (持続時間30時間以上)
充電時間 5時間以内
サイズ 40X28X17mm
更新レート 60fps
充電ボックスサイズ 260×80×63.4mm
内容
トラッカー本体✕15
USBドングル✕1
充電ボックス✕1
固定ベルト✕15
充電アダプター✕1
1.5mUSB延長ケーブル✕1
クイックリリースバックル※✕15
※クイックリリースバックル=固定用ベルトを通すことができるバックルで、トラッカーがワンタッチで着脱できる。トラッカー本体にベルトを固定することもできるが、充電するときに毎回外さないと行けないため、だいたいこれを使う。
HaritoraXワイヤレスとの比較
トラッカー本体
サイズは若干rebocapのほうが分厚いが特に支障はなく、重量に関してはほぼ誤差。お互い重いと感じることもなければ、厚みのせいで邪魔と感じるのはのは、Haritoraに関しても同じこと。
しかし、着脱はやはりHaritoraに軍配が上がると感じた。
Haritoraには、フックのような形状の部品を引っ掛ける、実に2秒ほどで一つのトラッカーをつけられる手軽さがあり、慣れればVRCHATを開いているロード時間中に装着が可能。
一方rebocapに関しては、毎回マジックテープを剥がさないと行けないためだいぶ面倒くさい。(ゴリ押しで外さずできないこともないけど、それにしても中々つけづらい。)
しかし、作りというか品質というかはやはりHaritoraのほうが良く、特にクイックリリースバックルなんかはバリが目立ったりなど、なかなかチープな印象を受ける。すぐ折れそうではあるが、意外にもそこまで丈夫さに欠けることもなかった。rebocap本体や充電ケースの品質もそこまで安っぽいこともないため、30000というところを見ても破格だろう。
だが、充電ケーブルがHaritoraはtypeCだが、revocapは専用ケーブルであることを忘れずに。(今のところ公式ストアでの購入はできない。)
性能
こちらは利用者の環境にもよるかと思うが、rebocapの圧勝だと感じた。
しかしこれはトラッキング精度やドリフトの少なさ、補正精度という意味で、磁気への耐性で言えば、Haritoraに軍配が上がるのかな?というところ。
rebocapでは、Questのコントローラーやスマホなんかの、強い磁気を発生させるものを近づけると、ぐにゃんとトラッキングが飛ぶ。これはトラッカー同士を近づけたときも例外ではなく、横向きに寝転がった場合、太もものトラッカー同士が干渉して、片方の足がどこかへ飛んでいく。そのへんのトラッカーが飛ぶ問題はなかなか大きい問題だと感じた。しかし、使っていくうちに多少学習しているようで、その辺の挙動は随分マシになってきている感じがしなくもなかった。
しかしまぁrebocapはズレない。長時間立ち姿勢や座り姿勢なら、数時間は許容範囲のズレで済むじゃないか?といった精度の良さで、なんかズレてきたなーと感じたときには、シュッと元の位置に戻ってきたりする。オートキャリブレーションと言うか自動補正と言うか、そんな機能がソフトウェアに入っているんだと思う。
バッテリー性能に関してもrebocapが圧倒的で、十分長いと言われていたHaritoraXワイヤレスの20時間を大きく抑えて稼働時間30時間以上。しかし実際12時間ほど使ったところで充電の減りは1%前後。「こいついつ充電切れるん?」ってくらいに充電が持つ。(rebocapソフトウェア上での確認の為、そこまで正確なのかは、実際切れるまで使わないとわからないところ。)
普通のプレイヤーでは、まず充電切れを気にすることはないだろう。バッテリーの劣化速度に関してはまだ未知数。今後の情報に期待したいところ。
ソフトウェア
こちらも明らかにrebocapのソフトが優秀でしょう。磁気関係が弱いなりに磁気関係のキャリブレーションや設定が豊富で、品質も高いと感じる。ところどころ翻訳が適当だったり、されていなかったりといった問題はあれど、使えないレベルではないため許容範囲から外れない程度だと感じた。
Haritoraの制御ソフト「Haritora Configurator」に関しては、UIがなんだか安っぽく、設定項目も少ないため、使いやすくはあるがあんまり弄れない。というのが正直なところ。
しかし、現在βテスト中の「Shiftall VR Manager」はHaritora Configuratorから大きく進化して、より細かく設定ができるようになっていたため、そこらへんは時期に解決するかなと思う。
しかし現在、どちらもトラッカーごとの部位変更ができない。というのが一番の難点だと感じる。
Haritora rebocapはそれぞれ「Slimetora」「reboslime」などのソフトを使用し、SlimeVRServerを利用することで部位ごとの設定が可能になるのだが、reboslimeに関しては、最適化がまだ進んでいないと感じるところが多々あるため、SlimeVRServerを利用したい場合、Slimetoraのほうが扱いやすいのかなというところだ。
ただ、rebocap公式は、この部位ごとの設定を可能にすることを明言しており、あくまで現時点はできないというところらしい。
※reboslimeもSlimetoraに比べて使いづらいと言うだけで、部位付け替えに関しては可能。
その他の比較
◯コストパフォーマンス
HaritoraXワイヤレスが約4万円ということを考えると、一万以上安上がりな上個数も多いrebocapのほうがコスパが良いと言えるだろう。
◯キャリブレーション
こちらは圧倒的にHaritoraのほうがしやすいし楽。Haritora Configuratorの場合は10秒もかからないし、SlimeVRServerを利用すれば指定されたトラッカーを指でトントン、とするだけで完了だ。(rebocapでも試したが、何故かうまくいかない。SlimeVR画面で直接操作でのキャリブレーションは可能なため、そちらのほうがいくらか楽。)
rebocapのキャリブレーションは通常15~25秒ほどかかり、座ったままなどもできないため、なかなかに面倒。それぞれApose、Tpose(肘トラあり8点以上の場合のみ)、Spose、Bpose(高度なキャリブレーションのみ)というポーズが用意されており、それぞれ5秒ほどかかる。ズレづらい分キャリブレーション頻度が少ないので、どちらが楽かは使う人次第なところがある。
◯内容
忘れてはいけないのが、haritoraは専用ドングルが別売りで、それもなかなか値が張ることだ。rebocapにはそれが同封されており、rebocapそれ自体を買うだけで、接続から何までできてしまうのが大きい。
まとめ
散々rebocapを好評したが、実際人によるという部分が大きい。
手軽さやTypeCで充電したい人などはHaritoraだろうし、コスパや個数、充電頻度なんかを気にする人はrebocapに安定するだろう。
完全にこっちがおすすめ!というより、この記事を読んで、読者さん自身で決めていただく決めるのがベストかなと思います。
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