勤めていた外資IT企業を退職したとき、皆が口を揃えて言ったのは「もったいない」だった。 そうかもしれない。 誰もが知ってる大企業。25歳で年収は約800万円、残業は月に20時間以内。 麻布の綺麗なオフィスには飲み物やお菓子が山ほどあり、朝ごはんやランチは日替わりで提供される。 優秀な同僚とエスプレッソマシンでコーヒーを入れ、雑談するのはとても良い時間だった。 そしてわたしはこれにしがみついていた。 その状態に疑問を持ったのは、皮肉にも会社の経営陣のスピーチがきっかけで、