医療用ウイッグを知ってほしいなと思ったきっかけのはなし。
私が医療用ウイッグってこんなものだ。という事を伝えたいと思ったきっかけです。
今から10年くらい前の話。
「仕事を辞めて旅行に行くから、帰ってきたら遊ぼうね!」
と言って友人がアジア各国を回る旅に出かけました。
そろそろ帰ってくる頃かな?と、連絡をしてもなかなか応答がなく。
インドに行くって言ってたけど・・・おなかこわして入院してたりして・・・と勝手な想像をしていたある日。
「実は帰国してる。話がある」
と言われ季節外れの海へ。
結婚でも決まったんだろうか。と、またまた勝手に想像していると、予想外の一言が。
「実はわたし、がんセンターに入院してたんだ。」
え?
がんセンター?旅行じゃなくて??
旅行中に体調が悪くなり、シンガポールで病院へ行き病気が見つかったとのこと。
驚きすぎて、何を言ったらよいかわかりませんでした。
その後、しばらくは携帯をみるたび、病気について、治療について、治るの?どうなるの?ということを調べずにはいられませんでした。
わたしがいろいろ調べても、考えても、現状は何も変わらないし、変えられない。
何かしたい。でも、本当に出来ることが何もない。
考えた結果「友達」という立場でできることは、一緒に笑うことだ!笑うって免疫力が上がるらしい!という結論に達しました。
病気の話は、話してくれたら聞く。でも私からは聞かない。
出来る限り一緒に過ごしました。
そんなある日。
ウィッグって、どうやって洗うの?
干しかたがわからないんだけど・・・
という連絡が来ました。
一通り説明して、干すために使う台をプレゼントをしたその時初めて気付いたのです。
あんなにウィッグを触っていたのに、こういう時に使うウィッグについて何も知らない。。。
わたしの出来る事ってコレだったんじゃないの?
毛周期とか、頭皮のケアとかも勉強したけど。。
こういう場合は…?どうしたら良いんだろう?
特殊な場合も知っておく必要があったんだな。と。
その後、医療用ウイッグについて、外見ケアについて学びたくて医療用ウイッグに力を入れている会社に就職。
医療用ウイッグについて、脱毛について、その時のケアについて勉強させていただきました。
もちろん、病気にならないように予防するのがいちばんです。
今はそのために、おそらく最古であろう予防医学アーユルヴェーダを勉強しています。
抗がん剤という治療に賛否があるのも知っています。
でも、当事者が病気と向き合い、その治療をすると決めたとき。その先に起こることを知っていたら。自分の得意分野でその人の気持ちをほんの少しかもしれないけど、支えることができるんじゃないかな…と。
わたしは、知らなくて後悔しました。
知っていたら、聞かれた時に答えることができる。元気なときに、「こんな勉強したよ!」って伝えておけたら。頼ってもらえるのかもしれない。
そして頼って欲しい。
その時がきちゃうと、こちらから伝えるのって難しいです。
出来たらそんな場面に遭遇しないのがいちばん良い!!
自分も、自分の大切な人も元気なときに知っておいて、その時が来た1人のほんの少しのお役にでも立てたらな…と思っています。