拝啓、愛犬とらきち
とらぴ、そちらの暮らしはどうですか。
とらぴと会ったのは中2の夏だね。どうしても豆柴がほしくて、新聞の豆柴里親募集の記事をお父さんに見せて説得したんだよね。
柴犬だから日本ぽい名前にしたくて、お父さんがタイガーウッズが好きだから結局寅吉になったんだよね。
初めて吠えた時に、自分の鳴き声にびっくりしてそれ以来吠えなくなったね。とらぴはもう自分のことを犬だと思ってないね。
亀のホワイティが水槽洗ってた時に逃げ出していなくなった時も、
うさぎのチロルが熱中症で死んじゃった時も悲しかったけど、
今回のとらぴだけは思い出が多すぎて、色んな感情が渦巻いてる。
とらぴはチーズとお芋とパンが好きだったね。よく一緒に食べたよね。調子乗ってあげてたらめちゃ太ったよね。
中学生の時は、好きな人の下校時間に合わせてとらぴと散歩してたし、
今までの好きな人には、もれなく全員にとらぴの動画送ってたな。利用しまくりでごめんな。
私が反抗期で親とめちゃくちゃに喧嘩してる時期も、いつも黙って私の隣にいて慰めてくれたね。
とらぴのお日様みたいな匂いも嗅ぐこともできないし、
綺麗なあの毛並みに触れることもできないし、
キュルキュルなお目目で私を見つめてくれることもないし、
大きな音が苦手なとらぴのために、雷の鳴る夜に一緒に寝ることもできないし、
実家に帰って、しっぽを振ってお出迎えしてくれる姿を見ることもできない。
正直実感なさすぎるし、生物の「死」というものが理解出来なくて、特に泣くことはしてないんだけど、ただなんかぼーっとしてる。あーもう会えないのかーって変な感じ。
こんな風な気持ちになるくらいなら、もう動物なんて一生飼いたくないな。これがペットロスか…
こんなトラウマを植え付けたとらぴすごいな。一生忘れられない男みたいなポジなったやん。
私の人生を彩ってくれてありがとう。
一緒に生きてくれてありがとう。
ずっとずっと愛してるよ。
いつか会いたいな。
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