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母からのLINE。
服飾に関して、あまりにも無頓着過ぎて妹に怒られた。
母から珍しくLINEが来たと思ったら「あったかストールはいりませんか?」とのことだったが、別に代わりになるものが無い訳でもなく、困ってると思っていなかったので「特に要り用では無いです」と返信した。
私から両親に連絡することは、実家を出てからというもの殆どなく、久しぶりの母からの連絡がそれだったので「お母さん急にどうしたんだろう」と妹に話した。
すると(私より遥かに母と連絡を取り合っている)妹に呆れ笑われながら、
「お母さん、『まほちゃんはいつまであのボロ切れを纏ってるつもりなんだろう…』って心配してたよ。」
と言うのだ。
ボロ切れというのは、私がマフラーやストール代わりに巻いている大判の茶色の綿布のことだ。
2年半前くらいに、ブックオフの古着で¥800で購入した。
使い捨てるくらいのつもりで買ったはずが、これがまた便利で、すっかり私の愛用品として頻出している。
↑件のボロ切れをまとったカドカワ(真ん中)/インド,ラダックの子ども達と。
まず、とにかく大きい。
留学やボランティアで海外へ行くことが増え、長時間フライトするのだが、温度調整の難しい機内で眠る時、このボロ切れは身長170cmの私を、頭からつま先まで、すっぽりと覆い隠してくれる。
30号のキャンバスを風呂敷の如く包み込むことも出来るので、物の運搬にも使用できる。
また綿布だからか、灼熱の太陽の下でボロ切れをかぶれば涼しいし、寒い中マフラーの代わりに首に巻けば暖かい。便利。
何より、ボロ切れにしか見えないところが良い。
これをひと巻きすれば、どこから見ても貧乏旅人に早変わりする。
そのおかげなのか、これまでイギリス、インド、中国を共に旅したけれど、幸運にも今まで財布やケータイをスられたりしたことはない。
そんなわけで、こいつを手放す予定は今のところないのである。
愛着があるので、これからも積極的にこのボロを纏って旅に出たい。
妹はまた言う。
「お姉ちゃんってばいつもそう。服はボロだし靴下は穴空いてるし色は大抵モノトーンだし。だからお母さんはいつも私に向かって『お姉ちゃんに服を買ってあげたい』って言う。私の方が欲しいっつーの!
お姉ちゃんはそれでいいの?服とか興味ないわけ?」
…正直言ったらそこまでない。
ないわけじゃないけど、常識の域を脱しない程度で着れるならそれでいいと思ってる節がある。
「スティーブ・ジョブズだって毎日同じ服だったでしょ」と言うと
「あれは天才。ねーちゃんのはただの怠惰。」
と一蹴された。
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