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なくてもいいモノをつくりたい

「お金がない」「貯金しなきゃ」とお財布の紐をつよく結ぶほど、値札をつけながら並んでいるあらゆるモノを大変いとおしく感じてしまうのが常です。

特に、生活するうえでなくても困らないモノに、めっぽう惹かれやすいです。部屋にあったら、すこしこころ弾むモノ。なくてもいいけれど、こころは弾ませたいじゃない。

このように、わたしは日々物欲を膨らませてしまう一方で、恋人は冷静です。まるでわたしがこの世の敵のように、ぴしゃりと言い放ちます。
「なくてもいいなら買わなくていいじゃん」 
わたしはいつも何も言い返せず、ただ口を尖らせることしかできません。けれどこころの中で、いつも反抗しています。「買わなくてもいいけど、買ってはダメ、というわけでもないじゃない」

そんなこんなで、いつの間にか『目玉焼きのプレート』を自分でつくっていました。買ったのではなく自作したのであれば、恋人も文句はないでしょう。材料費だって、買うよりは幾分か節約できている…はずです。

抽象画はすこし前から描いていますが、立体的なモノをつくるのは小学生以来でした。創作が生き甲斐である一方で、驚かれるほど不器用なのです。ゆえに、はじめての作品は、やや不規則的にうねる楕円のうえに、オレンジ色の丸をのせるだけという、シンプルな造りをしたプレートとなりました。

ところで、案外粘土アート(巷ではクレイアートとも呼ぶようです)は、自分に合っている気がしました。もちろん、不器用っぷりが健在であることを思い知らされましたが。それでも、また何かつくりたいな、と自然に考えてしまっていました。このようなこころの動きは、決して見逃さず、大切にしないといけません。

さて。次は、なにをつくりましょう。

つやつや、ぽってりとした目玉焼き型のプレートです。

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