消費者金融に手を出した
静岡に引っ越してきて、
ラーメン屋さんでアルバイトを始めた。
そこで、もれなくおっさん彼氏との同棲もスタート。
ラーメン屋さんのオーナーは2人。
ラーメンだけでなく居酒屋さんも
数店舗経営していたり、FXトレーダーをしていた。
SNSには海外旅行の写真がいっぱいあって
いかにもイケイケな感じだった。
話題作りのため、ラーメン屋さん
オープン当初は1杯100円の広告を打った。
それが大当たりで、店の外まで大行列が続いた。
さすがイケイケなオーナーはやるなあと思った。笑
従業員にはラーメン屋さんアルバイト経験者も
数人いたが、私や店長のおっさん彼氏を含めて
ほとんどは未経験のド素人ばかりだったこともあり、
店内はかなりバタバタとしていた。
しかし、1杯100円では儲けはない。
通常価格に戻した途端に客足は途絶えた。
すると、オーナー達は
集客よりもコストカットをし始めた。
食材の質を下げたり、アルバイト従業員を減らして
店長のおっさん彼氏だけは休み無くワンオペで働いた。
私は、高校生の頃のファミレスや
山梨のホテルのレストラン等の飲食店アルバイトを
経験していたこともあり、仕事の吸収は早かったと思う。
周りに指示を出しながら、効率良く動くことは得意だった。
それでも、アルバイトリーダーは主婦のおばさんが選ばれたし、私はカットの対象となり働かせて貰えず
月の手取りは10万を切るほどだった。
その上、当初に聞いていた家賃手当は一切なく
自腹を切ったし、車が支給されることも無かった。
全く納得が出来なかった。
若い女の子ということを活かして
外でキャッチしたお客さんを店内に誘導したし、
誰に指示されたわけでもなくオーダーを取る時にはドリンクやサイドメニューを付けて客単価を上げる等の努力もしたし、アルバイトの人材育成もして、明らかに他のアルバイトの働き方とは違う自信があった。
おっさん彼氏は店長であり、オーナーと友達だったので、おっさん彼氏に文句を言ってオーナーに交渉してもらおうと考えた。
交渉は失敗だった。
それどころか色んなことがめくれた。
おっさん彼氏のバーやキャバクラ等の経営は
とっくに失敗していて、借金返済のために
山梨でリゾートアルバイトをしていたようだったし、
旅行代理店をしていると言っていたのは、
ネットワークビジネスのことだったのだ。
おっさん彼氏は友達のオーナーに助けられるように
店長に選ばれていたので、友達とはいえ力関係は
明らかに弱かった。
いよいよ私も貯金が尽きた時、
おっさん彼氏に消費者金融で
お金を借りてくるように頼まれた。
おっさん彼氏はとっくにローンが通らないらしい。
絶対に嫌だと何度も何度も断ったが、
また押しに負けてしまって30万渡した。
例え別れたとしても必ず返済すると念書を書かせた。
おっさん彼氏にも職場にも不信感をもった。
おっさん彼氏と距離を置きたかった。
急にホームシックになった。
このままでは私も借金地獄に陥ってしまう。
正社員としてまともに雇ってもらえる
職を大阪に帰って探そうと決めた。