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If you could, please

遠くて

水面がいつもちゃんと遠くて

あがろうあがろうってもがいても
一瞬浮上した、その数秒後には

またそのすぐ上の
もう少し温い
もう少し光の届く、薄黄色の水の中で

また酸素不足で死にかけた
そんな日もある



僕は僕として、息ができているかい?

ちゃんと僕は生きているかい?

僕はこのままで大丈夫かい?


ちゃんと、

水面まで上がって来れているかい?


ちゃんと
そこから

私が見える?


口から出て
鼻の先を擦って

まつ毛に触れて、揺られながらあがっていく

水圧で歪に形を変える
透明と白のクラゲみたいな、泡立ちが



苦しかったあのときも
全部私から、出してなんてあげない
全部なかったことになんてしてあげない



弾ける瞬間に
きらっと光る

じゅわっと滲む

その瞬間だけをつまんで
戻さないよ私の中には

でも


もがいてももがいても
ここじゃ透明
ここじゃ全部泡

ここじゃ全部美しい


簡単に、見せてなんてあげない
そう簡単に、上がってなんてあげない


簡単に、触らせてなんてあげない




うそ

一瞬で、ここまで来て。
一瞬で掴んで。



離さないでね。




はじめまして、ひろです。 毎日ただ思うことを書いているだけの場所ですが覗いてくれてありがとうございます。明日もたくさん笑いましょうね。