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霜降り明星が伝説になった日

2020年6月20日は天赦日。天が万物を養い、その罪を赦す極上の吉日。

そんな2020年6月20日、霜降り明星は伝説になりました。



6月18日、霜降り明星せいやさんがオンライン上でセクハラを行ったという記事が出ました。

せいやさんのことが大好きなので当たり前にショックは受けましたが、せいやさんの交友関係が広いという話は有名だし、今回の事件も「本当にせいやさんだけが悪いの??」と思う部分もあり、まぁ軽率だったということはしっかり反省して、いつか笑い話に昇華させて欲しいな、くらいに軽く思っていました。というか女性に対するフォローの仕方や、文春のインタビューの受け方、そして撮られた写真がなんか可愛くて、むしろちょっと好感度が上がったくらいでした。これは完全に贔屓目ですが。

しかしイメージを大切にする芸能界はやはりそんなに甘くはなく、文春砲が打たれた翌日の生放送の出演は見送りになりました。
もしかしたらレギュラーがなくなってしまうかもしれない・・・。
テレビで見る機会が減ってしまうかもしれない・・・。
霜降り側からもこの件についての発信はなく、これからどうなるんだろう、とさっきまでとは一転して少し不安になりました。


そして6月20日、霜降り明星のオールナイトニッポン0が始まりました。

今回の件について一切の言及はなく、プンプンプンプーン♪というお馴染みのイントロから始まるアグネスチャンの楽曲「ポケットいっぱいの秘密」に乗せて、リスナーから寄せられた秘密を紹介しつつ、せいやさんが壊れていくという脳汁出まくり狂気のコーナー、通称「ポケひみ」が番組開始から終了まで2時間続きました。

せいやさんの発言に世間が注目し、興味本位で聞きにきているリスナーが多くいる中、「謝罪や弁明はしない、笑いで跳ね返してやるんだ」というただ「お笑い」だけをやり通す姿が最高に眩しくて誇らしかった。

大事な時に着る衣装を着て、ネクタイを付けて、お笑いをする。
それが2人にとってファンに対する「最上級の誠意」であり、今回の件に対する「答え」なんだな、とすぐ理解することができました。

そして心配なんてする必要ないくらい霜降り明星は「強い」ということを改めて知りました。
なんでこんなにカッコいいんですかね、霜降り明星って。


放送中にはせいやさんのポケットから本当にたくさんのお笑いが溢れ出ました。

アグネスの可愛らしい音楽に乗せて、鎮座DOPENESS、マネーの虎、安田記念、織金、いいとも最終回などなど、インフルエンザの時に見る夢を聞いているような感覚に何度も陥りました。時には「誰がわかんねん!」といったディープな内容のものまでありましたが、分からなくてもせいやさんがモノマネするだけでなんか面白い、それがポケひみの魅力です。その中でも一番印象に残ったのは霜降り明星の処女作である「懐かしい思い出」という漫才を披露していたこと。そして「これで僕らは漫才師になりました」というせいやさんの発言。言葉にすると難しいのですが、今まできっとしんどいことを何度も経験して、こうやって漫才をして乗り切って、その分楽しいこともたくさん経験して、ここまでやってきた。今だから言えるようなそんな想いが込められているのでは?!なんて深読みしてしまうくらいその言葉が心に響きました。神回にして原点回帰回。どこまで最高なんですか。


それに今回、巧みなツッコミ力や対応力、頭の回転の早さ、といった粗品さんのテクニックの凄さを改めて実感できました。もちろんポケひみで披露されるせいやさんの豊富なボキャブラリーや知識、センス、そして尋常じゃない体力にはいつも驚かされています。ただ今回、せいやという暴走列車に2時間ずっと食らいつき、せいやさんが発するワードを一つ残らず拾い上げ、時にはせいやさんに乗っかって、時には否定して笑いに変えていた粗品さんが本当に凄かった。霜降り明星は2人で一つということをまた再確認できた瞬間でした。


語りたいことを全部書いていたらきっと広辞苑くらいの厚さになりそうなので、最後に。

アフタートークでの粗品さんが言った

「せいやさんを労ってあげてください」

という一言。

それは2時間せいやさんを受け止め続けた相方から、色々なことがあった中でもこうやって笑いを突き通すことを選んだ相方へ送る最高の愛の一言でした。
私はその言葉を聞いて、2時間笑いの暴力を受け続けていた疲労もあったのか、ポロっと涙が出ました。なんて素敵なコンビなんだと。「コンビ愛」なんて薄い言葉で表しきれないかもしれませんが、私はこの2人のコンビ愛が大好きだなと。


ツイッターでは4万件を超える霜降り明星のオールナイトニッポンに関するツイートが溢れていました。翌日には一般人だけはなくラジオを聞いていた先輩芸人や後輩芸人、放送作家などからも同様の声が上がり、せいやさんを叩くようなネットニュースが更新されることはありませんでした。世間は霜降り明星に対する称賛の声で溢れていました。まさに逆境を笑いで跳ね返した瞬間でした。



2020年6月20日。天赦日という極上の吉日。

プンプンプンプーン♪というメロディー。

大事な時に着る衣装を着て、ネクタイを付けている二人。

スタッフ、そして2人の拍手で幕を閉じた瞬間、霜降り明星は伝説となりました。



また一つ、霜降り明星が大好きと胸を張って言える理由が増えました。

本当にお疲れ様でした。大好きです。


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